ジャンヌオルタの小説が少ない?
それならば自分で書けばいいじゃない。という結果に至りました。
悔いはない。
処女作故に至らぬことがありますがその辺りは温かい目で見守ってください。
信じてくれないかもしれなけど、僕の胸ポケットの中には小さな妖精がいる。
黒い鎧を体にまとい、綺麗なブロンド髪を揺らしながら何もかもを射抜くような金の瞳。
会った時は思わず魅入ってしまったのを今でも覚えている。
でも、初めて会ったときに契約書らしきものを手渡された時は苦笑いがこぼれたけど、少なくともそれは様式美に乗っ取ってのことだろうから僕の口出しすることじゃない。
とても小さくて、性格が歪んでいて素直になれずに強気になっているけど、本当は今にも消え入りそうなほど弱弱しくてそれでいて極稀に見せるとてもかわいらしい姿の小さな妖精。
そんな妖精を僕は守っていきたいと思うんだ。
少し自分勝手だって? でも。思うことは自由だよね、アヴェンジャ―。
誰も信じてくれるとは思えないが私は身体はどういうことか本来あるべき姿ではない。
本来召喚されることの無いアヴェンジャーとしての召喚。ついでこのコ○エースよろしくぐだぐだな絵面になってるこの体。
なんでこんな残念な体になってしまったのかしら。本来の身長の何分の一スケールよ。
私が召喚されたのは今から10年前ね。
10年よ! 10年たってもこの変わらぬ姿をしてるのよ!?
何ですって。誰がコ○ンよ。たしかに、あれも10年、いや20年たってるけど姿が変わらないから不思議に思ったことはあるけど、それとこれは関係ないじゃない!
それにこいつ。魔術師の血筋のくせして魔術を使ったところを見たことがない。
魔術回路はあるが私に言わせてみれば量B、質B+ってところかしら。宝の持ち腐れとはこのことね。
怨念、復讐、憎悪などの言葉が全く似合わない彼に召喚された私。
そんな負の感情しかなかった私にいろんな世界を見せてくれたことには……素直に感謝してる。
そ、それでもほんの少しよ!?
しっかりしてるように見えてどこか間抜けで非情になりきれない彼。
そんな彼と一緒にいたいと思う私は少し、いやかなりおかしくなってしまっている。
やはり、召喚に応じなければよかったかしら?
何よ。私の顔に何かついている? 何でもないですって? まったく……このバカときたら本当に……
これは小さな英霊と少し変わった少年と共に紡がれる、小さな物語。
ACT01 ポケットの中の英霊
2004年冬木市……
「寝過ごしたあぁぁぁああああああ!」
冬の少し寒さを感じる朝日を浴びながら平和な冬木市の坂道を自転車で風を切って走る。
「あの愉悦親子め……僕を遅刻させる為にわざわざ起こさないなんて人が悪いにもほどがある」
愚痴を溢しながら猛スピードで自転車をこぐ。
「私は何度も起こしましたよ。それでも起きない貴方が悪い」
僕の胸ポケットからひょっこりと顔を出す僕の小さな相棒。
名前は、アヴェンジャー。
あ、本当にアヴェンジャーっていう名前じゃないらしくて別に名前があってこれは偽名みたいものらしい。
「それにしてもアヴェンジャーの起こし方はすごいよね。僕の枕を燃やして火事を装わせるなんてさ」
本当にすごかった。いつもは鼻とか耳を炎であぶるとか腰に携えている剣とかでチクチクするぐらいだったのに、今朝に限っては枕を燃やされて本当に火事かと思ったよ。
「あ、あれは……そう。あなたがそろそろ鼻とか耳とか炙られるのに慣れてきたと思ったからよ」
そっぽを向いて苦し紛れな言い訳を言うアヴェンジャー。
ふふふ……僕は分かっているよ、アヴェンジャー。
君がいつも通り僕の耳たぶを炙ろうとして間違えて枕に引火してしまったことを。
「そうかー。炙られるのに慣れてきたからかー(棒読み)」
「そうよ! な、慣れてきてると思って―――――」
「慣れてきたからかー」
「……ふん。もう知らないわよ」
顔を真っ赤にして僕の胸ポケットに顔をうずくまるアヴェンジャー。
そうこうしているうちに僕の通う学校、穂群原学園に到着した。
駐輪所に自転車を乱雑に止め下足入れに下足を入れ2年目となりアジの出てきた上履きを履き教室へ駆け込む。
「セーフ!」
「アウトォォオオオオオ! スリーアウトチェンジ! 後で職員室へ来なさい!」
僕が教室の戸を開けて手を大きく開いて野球のセーフのサインを出し、いかにも間に合った雰囲気をぶち壊された。
それが我らが担任、冬木の虎。タイガーこと藤村大河。
「先生。僕はアウトなんかじゃありません! むしろセーフの類です! まだチャイムはなってません!」
「ダメですぅ~。それを決めるのは、ここの教室の担任の私なんですぅ~」
変な踊りを僕の前で踊りながら言うタイガーが非常に腹立たしい。
「でも遅刻してない僕に遅刻という名の冤罪を着せるんですか!?」
その姿は他者から見れば無実を証明する罪人のように見える。
「それなら聞くけれど、君。今日で遅刻は何回目? ほれほれ、答えてみないか」
「うぐっ……39回——――」
「ざんねーん! 46回目でした~!」
くそっ。さばを読みすぎたか。
「というわけで放課後に職員室によりなさい。わかった?」
「わかりました……」
僕の負けだ……。
重い足取りで自分の席に着く。
「あなたも相変わらず飽きないわね。少しは直したらどうなの? その遅刻癖」
胸ポケットからアヴェンジャーがぼやく。
「いや、毎日も何もタイガーもタイガーで少しくらいは見逃してくれても罰は当たらないと思うんだけど……」
胸ポケットがつぶれないように机につっぷす僕。
はぁー。と、ため息が盛大に漏れる。
実を言うと僕とタイガーは毎朝ああやって言い争っている。
これがなにかとこのクラスの毎日の日課と化してるらしくこれを見ない日は何かあるんじゃないかというへんな予兆ともいわれてる。解せぬ。
「お前も飽きないよな。藤ねぇ、じゃなくて藤村先生と朝からあんな感じで言い合う人なんてそうそういないのにさ」
隣から声が聞こえ、突っ伏した状態で首だけを向ける。
「衛宮。僕は好きで毎朝ああやってタイガーと言い合ってると思う?」
声をかけたのは『穂群原のブラウニー』やら『ばかスパナ』など数々のあだ名を持つ赤銅色の髪をしている衛宮士郎。
彼の料理は本当にうまい。時々、おすそわけで卵焼きやら照り焼きなどをいただくことがあるがそれが本当に美味しくて僕の胃袋に収まるはずのものが、僕の養父たる愉悦神父の言峰綺礼とその血を受け継いでいるカレン、そして居候の自称王様の胃袋に収まりそのたびに枕を濡らしているわけだが……。
「それとこの前に鰤の照り焼き、どうだった? 自信作なんだけどさ、感想を聞かせてほしいんだが――――――その様子を見るとまたあの神父に食われたんだな」
はは、よくわかってるじゃないか。そうだよ。お前の料理にありついた時があるのは1回お前の家に行ったときに食べたカレーが最初で最後さ!
「それなら今夜、家に寄っていくか? 今夜は中華に挑戦してみようと思ってるんだけどさ」
誘ってくれるのは非常にありがたいのだが。中華で思い出した。衛宮。
「ん? なんだ?」
最近、お前の家にわが校のマドンナ遠坂さんが出入りしたのを見たのだが……それは僕の見間違いじゃないよね?
「イヤー、オレニハナニカワカラナイナ~」
図星か……
「みんなに黙っておいてやるから、代わりに明日、今が旬の食材でうまいものを期待してる」
親指を立て涙を流しながら衛宮に訴える。
苦笑いしながら「わかったよ」と衛宮が言いうと、一時間目の授業を知らせるチャイムが鳴る。
* * *
「タイガーめ、いつもは反省文だけで終わらせるものをそれプラス今回は学校の雑用を上乗せるとは……」
廊下を歩きながら伸びをしながらぼやく僕に胸ポケットから顔を出し顔をぶるぶると左右に振りアヴェンジャーがいう。
「あなたもいい加減に自分で起きる努力をしなさい」
さて、今日も一日長かったし素直に帰ります。
「……いつからあなたは私を無視できるほど偉くなったのかしら?」
冗談だよ。さて、今日の夕飯は愉悦神父が作るから毎度のこと泰山麻婆だろう……。
………考えただけで胃もたれしてきた。
あの人の作る麻婆はこの世のものじゃない。もはや兵器としても活用できそうなレベルだ。
今日の夕飯のことに思いやられ沈んだ状態で廊下を進んでいると真っ赤なものが目に映る。
視線を戻すとそこには我が校が誇るマドンナ。遠坂さんがいた。
「あら、あなた。今帰りかしら?」
「え? ああ。まぁ、そうだけど……」
人生で初めてこんな美少女に話しかけられた。
少し戸惑ったけど僕はなんとか返事を返す。
「そう。あなた、綺礼のところに住んでいるのよね? それなら綺礼に渡しておいてくれるかしら?」
そういって手渡されたのは何も書かれていない白紙。
裏をひっくり返してみてもやっぱりただの白紙だ。
「わかったよ。ちゃんと渡しておくよ」
「ありがとう。それじゃ、私これから少し予定があるからそれ、よろしくね」
そういって遠坂さんは去っていった。
………。
「…………」
はっ! 駄目だ。いくら彼女が美少女とはいえこんな――――。
「…………」
あの、アヴェンジャーさん。なんですかその目は? 僕、何かしました?
「……ふん」
そういって不貞腐れたように胸ポケットにうずくまるアヴェンジャー。
別に不貞腐れなくてもいいじゃないか。
胸ポケットを軽くなでる。
さぁ、胃薬を買いに行こう。
* * *
近くの薬局で胃薬を購入し、僕の住んでいる家……と言っても居候の身だけどもこの町に唯一ある教会。言峰協会に到着した。
自転車を止め教会の重い扉を開ける。
「ただいま帰りました」
奥には信者たちが祈りを捧げる教会の祭壇の前に立っているのが僕の養父で愉悦神父と言っている言峰綺礼。
八極拳の担い手にして元聖堂協会代行者。数々の修羅場を潜り抜けてきた男にして僕を引き取ってくれた恩人だ。
「帰ったか。お前の帰りを待っていたぞ。さぁ、夕飯にしよう。カレンは友達の家に泊まると言ってな、今日は帰らないらしいから、今日はお前と共に食事をとることになりそうだ」
………カレン。逃げたな。
僕の中でカレンが父親譲りの愉悦な笑みを浮かべる。
でも、変に突っかかったらマグダラの聖骸布で簀巻きにされるのがいつもの流れだ。
因みに僕の胸ポケットではアヴェンジャーはガタガタ震えています。
この教会で夕飯は麻婆が出るたびに地獄と化す。
僕と一緒に食事をとっているのは王様ことギルさん。
僕はずっと痛い人だと解釈してるからその敬意を表して王様と呼んでる。
でも、その王様は毎日、ゲームとか愉悦とか言って一日ぐだぐだ過ごしている。
毎回思うけど、うらやましいなぁ。
「あ! 王様、何僕のところに自分の麻婆入れてるんですか!? 自分のぶんくらい自分で処理してくださいよ! 天上天下唯我独尊の英雄王とか言ってるくせに!」
「何を言うか雑種! これは王たる
「嫌ですよ! こんな劇物、一人分食べるのに死ぬ思いをしてるんですから! 王様この前自慢げに言ってじゃないですか! 我はこの世のすべての悪すら飲み干したことがあるって! この世全ての悪ってやつを飲み干せるなら
「ええい! なにをたわけたことを言うか!
「ふっ……(愉悦的な笑み)」
僕と王様が自分の大皿に盛られた泰山麻婆を押し付けあう姿を見て愉悦神父は恍惚とした笑みを浮かべている。
愉悦って怖いね。
「そうだ。今回は少し作りすぎてな……お前の分もあるぞ。アヴェンジャー。いつもの食べっぷりを見せてくれると期待してるぞ」
そういって大皿に盛られている泰山麻婆をアヴェンジャーの前に出す。
「ひぃ!」
小さな悲鳴と共にガタガタと震える小さなアヴェンジャーに出された大皿に盛られた泰山麻婆。
僕から見れば血の池地獄に突き落とされそうな罪人にしか見えない。
あとで彼女に胃薬あげよう。
それと、僕と王様の麻婆お付け合戦は最終的に王様が背後から武器をちらつかせたあたりで言峰神父の
* * *
食事のあとは教会の隣に建てられた古びた道場で月明りを頼りに己の鍛錬。
僕は言峰神父に引き取られてから様々な世界を飛び回った。
その際に教えられたのは八極拳。
八極拳には見せかけの技なんて一つもない。質実純朴でありおおらかさである。
‘美’を追求せず、ただただ実用性にのみ特化した中華拳法。
八極拳において僕が尊敬する人物がいる。
名を李書文。
李氏八極拳の創始者にして「二の打ち要らず」の名で知られ、まさに武術を極めた者と言っても過言じゃない。
「ふっ!」
パァン!
拳から発せられる乾いた音が夜の道場に響く。
八極拳をはじめ魅せられたからには目指すは武の頂点。
極めるはこの拳のみ。
「まったく……ほんとにあなた一体何を目指すつもりなのかしら? いっそ教会の代行者にでもなれば?」
道場の窓辺に腰かけて僕の姿を見守るアヴェンジャーが言うのはたしかに一つの選択肢としてはある。
なんせ、10年前。本来ならば僕は死んでいるのだから。
10年前のあの大火災での生き残りだから……死んでいったみんなの為にも、誰よりも強く在らないといけないんだ。
「……私も歪んでいるけれど、あなたも歪んでいる。ふふっ相も変わらずそれだけはぶれないのね」
口元に手を当て口の端を吊り上げるアヴェンジャー。
「そうだね。一度始めたことは終わるまで辞めないよ。それが、僕の心情だから」
「そう。なら、そのままくだらないモノ抱いたまま溺死すれば?」
「もうこんな時間か。明日も早いぞ~」
伸びをしながら扉へ向かう。
明日はきっと早起きできるさ!
「ちょっと! 待ちなさい! お、降りられないじゃない!」
分かってるよ。僕は踵を返してアヴェンジャーを自分の頭の上に載せる。
え? 胸ポケットじゃない理由? まぁ、たまには頭に載せるのもいいかなってさ。
「………」
ほら、アヴェンジャーも満更じゃないでしょ?
そして僕たちは道場を後にする。
……あ、遠坂さんから渡された紙を神父に渡すの忘れてた。
まぁ、明日でもいいか!
* * *
これから始まるのは喜劇かそれとも狂劇か。
カチリ……
静かに運命の歯車は狂いだす。
くるくると。
クルクルと。
邪ンヌ持ってないくせに書いちまった……。
だって! だって! 邪ンヌが可愛いのがいけないんだ!
どこかおかしい描写、邪ンヌの言動があればご指摘お願いします。