~幻想蒼日記~チート探索者の幻想入り~   作:R.H.N

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暫くまるで小説を更新できていない有り様ですが、年末年始にまた更新できない次期ができるので早く更新したいところです。


あと、本話にていきなり原作設定をぶん投げた独自設定が出現します。


~「葛城」艦上、小さくて大きい真実達~

~「葛城」出港数分後、「葛城」艦長室~

 

 

「・・・どうだい、甘いもん食ったら少しは落ち着いたか?」

 

 

「・・・・・・・・・・・、うん。」

 

 

 

「(モキュモキュ)、甘くて美味しいわね、」

 

 

 

「さてと、こちとら色々聞きたい事があるのだが」

 

 

「私がお答えしましょう、お教えできる範囲での話にはなりますが。」

 

 

 

 

 

 

あれから暫くが経ち、創作は艦内に置いていた羊羮を少女達に渡して少女達の名前を聞き出したり、不審に思ってやって来た部下から状況を何とか誤魔化したりなど忙しくなっていたが、それらが落ち着いたので創作と覇天による聞き取りが始まる。

 

 

「しかし何処まで話していいものでしょうかね、」

 

 

「此方としては俺が聞くことは大方教えてほしい所だなぁ。」

 

 

「・・・といわれましてもねぇ」

 

しかしながら、やはり状況が状況だからか、創作達はあまり信用されておらず、このままだとこの華人(?)、紅 美鈴(ホン・メイリン)からは重要な話は聞けそうにない。

 

 

それに少女達の方もなんの理由か服装がボロボロなため、話をするために長時間直視するのは精神的に来るものがあり、そんなわけで、創作は此方の方からアクションを起こすことにした。

 

 

創作が何故か視線を少女達の頭上に合わせたと同時に、何もないそこからいきなり幾つかの服が姿を現す。

 

 

「わっわっ!何これ!って服が!?」

 

 

「これは・・・いったい????」

 

 

「Oh・・・創作お前・・・・・・」

 

いきなり降ってきた服に大困惑する三人の少女と美鈴、何が起こったのか即座に察したのか呆れ顔で創作を見つめる覇天。

 

 

「これは・・・・・・」

 

 

「私が【知っているもの】、()()()()()()()、そんなとこなら条件付でポン出し出来るってだけだ、お陰さんでこの時代にゃ珍しく、飯と着る物で困った事は一度も無い身でね。」

 

「まぁ秘密にしといてくれよ?艦内の何人かは知ってて黙ってくれてる奴もいるし、何よりバレたら後々面倒ってレベルじゃねぇからな。」

 

 

「創作さん、あなたはなんでこれを・・・」

 

 

美鈴は「何故その()()()を戦争に利用しようとしなかったのか、そうすればこの戦争の結末はひっくり返っていたのかもしれないのに。」と続けようとしてその言葉を飲み込んだ。

 

 

その時創作のしていた寂しげな目は、この時、美鈴が飲み込んだ言葉に対しての返答が籠っていたのだ、何かを察した美鈴は特に言うわけでもなくその場で沈黙することとなった。

 

 

「創作・・・大丈夫なのか?」

 

 

「美鈴さん達もまた()()なんだ、気にする要素はねぇだろ。」

 

「羽根の少女・・・・・・レミリアとフランドールだっけ?その二人の嬢ちゃんならともかく、美鈴さんとパチュリーの嬢ちゃんはただのパンピー(一般人)だぞ?」

 

 

「覇天・・・・・・その二人に探りいれてみた?」

 

 

「いや?全く。」

 

 

「なーんも予測立てて無いんかい、まぁこれは簡単な予測なんだが、あの嬢ちゃん・・・パチュリーちゃんは恐らくレミリア、フランドールの二人と長い付き合いなんだろう、友達とかそんな感じだろうな。」

 

 

「いやそれは前提話だろう、あの二人が吸血鬼じみた姿をしているなんて事実を一緒に隠していたんだからな。」

 

 

「それもそうか」

(・・・にしても、そもそもなんでこの子達なんでわざわざ日本に、そしてどうやってあんな状況でやって来たのだ?)

 

 

美鈴達を置いてけにする痛恨のミスをやらかしながら覇天と創作は話を進めるのだが、ここで、いつのまにか羊羮を食べ終えていた紫髪の少女・・・パチュリーが二人に対しての突然口を開き始めた。

 

 

「・・・・・・蒼井さん、天ヶ瀬さん、見てほしいものがあるの。」

 

 

「「?」」

 

 

「え・・・パチュリー、()()本当に見せちゃうの?」

 

 

「多分、見せても大丈夫だと思う・・・」

 

 

「でもそれがあったからパチェは居場所を・・・」

 

 

「覚悟は出来てる。」

 

 

「「????」」

 

 

余程見せるのに抵抗有るものだからなのか、見せようとするパチュリーを制止するレミリア、フランドールはまだ羊羮に食いついているため気づいていないが、二人の目が潤んでいるのがわかる。

 

 

 

「・・・・・・パチュリー様、宜しいのですね?私としてもそれをお見せするのは止された方が宜しいかと思うのですが・・・・・・。」

 

 

「良いのよ美鈴、この二人がどのような反応をしても、貴方とレミィ、それにフランもいるしね。」

 

 

「パチュリー様・・・・・・」

 

 

((え?そんなヤバイもん俺らに見せようとしてるの?もしかしてポーランドとか欧州のお偉いさん関係?))

 

 

 

「・・・・・・これを見てくれないかしら?」

 

 

 

 

「「!!!」」

 

 

 

話の後、懐からなにかを取り出したパチュリーはすぐさまそれを二人に見せるのだが、見せられた物に対し二人は絶句する。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「なぁ・・・・・・創作、これお前の友人の・・・それにそっちのも・・・これって。」

 

 

 

「・・・・・・千畝・・・まさかな・・・こんな形で見る事になるとは・・・・・・アイツの・・・・・・無駄ではなかったんだな。」

 

 

()()を見た覇天は短く呟いた後絶句し、創作は見た瞬間()()()

 

何故に、どうやって?、その流れの殆どすべてをである。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

()()、とは、黄色い六芒星のバッジ、

 

()()、とはたった3つのボロボロのパスポート。

 

だだ、()()、は少女が持つにはあまりにも重たい出来事があり。

 

()()はその出来事から逃れた証のような物。

 

 

 

 

そう、

 

 

 

 

 

 

 

「シオンの星・・・・・・」

 

 

 

「カウナス・パスポート・・・・・・。」

 

 

この日、後に「命のビザ」と呼ばれる事となる数千のパスポート達のうちの1つと、後に「ダビデの星」と呼ばれることとなる1つのバッジが、二人の男に渡った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして、物語は基点へと向かう・・・・・・

 

 

 

 

 

 

 




・・・・・・(前略)

以上をもってして結論付けると、創作氏は我々が予想していたよりも、遥かに広く、変則的な交友関係を持っていたと言う事になる。


「命のビザ」で有名な杉原千畝氏、

A級戦犯として処刑された東条英機氏、

海軍元帥、米内光政氏、

「赤殺し」の異名で知られる天ヶ瀬覇天氏、

「キスカ島撤退作戦」にて有名な木村昌福氏、

硫黄島の戦いの栗林忠道氏、

沖縄戦の牛島満氏、

その他、山本五十六、古賀峯一、菊地寛、白州次郎、等々、帝国海軍の少将として見るにしても並々ならぬ交友関係を有しながらも、戦後の戦犯指定と公職追放から逃れられたのは、大戦中、終始一貫して鳳翔の艦長ととして活動しており(※385)、基本的に前線にいなかったこと、戦後に置いて中国からの撤退兵と満州からの撤退兵が同時に復員した時の一連の混乱を静め(※386)、遅れながらも着実に復員輸送を行っていた功績からだと思われる。

これらの交友関係が創作氏の(謎)とどのように繋がるかはいまだ不明だが、これまでの報告結果と統合して推論した場合、

創作氏が行方不明になった次期の日記には仕切りにこれ等の人物の名前があったり、

戦後、同時期に失踪し、同じくして行方不明になった天ヶ瀬氏などの例外を除き、戦後の一時失踪からの帰還後から、1965年に行方不明になるまでに、これ等の人物との関わりの一切を断った点などは、この交友関係と、前述した1946年末から翌年末までの失踪、そして彼が1965年から行方不明になっている事実とのとの強い関連性を指摘せざるを得ず。



彼が生前有していた交友関係と、新たに、失踪後から、行方不明前までに殆どの交友関係を断った原因に関して引き続き調査が必要であると結論付け、本項の調査報告の締めくくりとする。



日米露3国歴史学会公認。

2011年8月23日発表、

アメリカ、ミスカトニック大学と、日本、内亜螺大学、ロシア、ラテリシア大学共同研究チーム著。

第11回「蒼井創作の(謎)に関する調査報告」第六項《手記に遺された交友関係について》より。

(原文訳、一部抜粋)




脚注※


(略)



※385、通常、海軍の艦長職は時間経過で度々変わるのが常なのだが、ただ唯一彼のみが同じ船の艦長職を終始一貫して勤めていた。


これには第4回で示した彼の航空教官としての才の問題上、日米戦争開始前、旧式化で練習艦になるのが目に見えていた「鳳翔」に常駐させる人員として彼以上の適任者がいなかった故と言う説が1つ。


前述の逸話の他、彼の軍人生活において、終始一貫して空母艦長職の時は必ず艦載航空隊員と交流していて、パイロットたちからは良く慕われていたと言う逸話や、真珠湾攻撃時に乗艦と護衛駆逐艦もろとも行方不明になって五十六から大目玉を食らったと言う事実から見て、軍令部が前線に出すのを危険と判断するが、航空畑の才は惜しいので、仕方なく「鳳翔」艦長として留任させ続けたと言う説の二つが定説。



※386、戦後、復員船「葛城」艦長としての香港に赴く少し前、これまでの中国からの引き上げ者の他に新たに満州からの撤退兵が大量に香港に流入、トラブルが発生した一連の騒動、事態は2ヶ月たっても沈静化せず、やって来た創作氏の奔走により、創作氏到着後数日で沈静化する。

俗に「香港撤兵騒動」と呼ばれている事件である。

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