幼女を愛でつつ敵をくっころし天下を統一するだけの話 作:ちびっこロリ将軍
外伝でR18の方にエロシーンを投稿します。俺、華琳様を最終話でくっころするんだ(死亡フラグ)
0話 どうしてこうなった!
目の前には万を超える軍勢。
巨大な河を挟みつつも、その士気の高さが窺える。総大将の名は孫策。黄巾の乱で名を挙げ、天下に武勇を轟かし、大陸で十指に入るであろうと言われる名将だった。
二袁と呼ばれる二大勢力の内の一つ、袁術の最強の指揮官。江南の虎との異名を持つ勇将。なぜただの文官だった俺がそんな化け物と戦う羽目になっているのか?
俺は、ちらりと下を見る。すると幼いと迷わず言える少女達が居た。諸葛亮と鳳統。稀代の大軍師……になると思われる才能溢れる少女達。
少女の一人、諸葛亮が俺の視線に気が付いたのか、顔を此方に向けて微笑む。
「私は貴方の龍であり、帝を天に運ぶのが龍の役目です。この戦は天下を目指す上での避けては通れぬ道ならば、それを妨げる者あればそれを蹴散らし、道をゆく事が私の為すべきこと」
お、おう。なんか難しい事を言っているけど意味が分からない。帝とか今、此処に居ないと心の中で突っ込みを入れつつ困惑をしていると、鳳統がこちらを見上げ、言葉を発した。
「なら、私は貴方の鳳凰として、聖の名を冠する者としての証明となりましょう」
うん、どう答えればいいんだろうか?
何かを期待しているような目をしている。凄い純粋な目で見ている少女達の期待に応えるべきなのだろうが答えが出ない。沈黙に耐えきれず、言葉が漏れた。
「……二人の思いはよく分った。ならばその思いをここに証明して見せてくれ。敵は強大。十中八九勝ち目はない強敵だ。しかし、だからこそ、その勝利が証明になるだろう」
「「はい!」」
ふぅ、なんとか正解を選べたようだ。しかし、一言だけ叫びたい。
どうしてこうなった!!!!!
▲▽▲▽
目が覚めたら、過去の中国に転生していた。
何を言っているのかと思うだろう。だが、それ以外に表現出来ない。頭の良い人なら胡蝶の夢だのうんぬんとかで説明してくれるのだろうが、正直、小難しい理屈なんぞ知らん。
まあ、葛藤とか色々無かったわけではないが、どうしようもないものはどうしようもないので諦めて、普通に働いて、普通な人生を送ろうと思ったわけだ。
とりあえず、農家は除外した。実家が農家の為、農作業の大変さは嫌というほど知っていた。というより、農家が嫌で都会に出て就職したわけだし。古代の農業とかもうその比ではない。えっ? なに? 拷問? とか普通に思ってしまった。
と、いう事で今度は公務員を目指すことにした。公務員って言い方でなく官吏だが、まあ一緒だ。親も公務員だったから、公務員を目指すことを推奨されたのも大きい。公務員か、商人か、農家か、奴隷という素晴らしい選択肢しかない古代中国。
職業選択の自由をください。
前世で社畜として、散々扱き使われ、酷い目にあった事もあるが、なによりこの時代の商人の社会的地位の無さと危険性を考えると、商人になるという選択肢は無かった。
なんだかんだで、社畜として無休での一日十数時間の労働という苦痛に慣れていた為か、勉学は余り辛いものではなく、他の就職先が絶望的だった為、必死になって取り組んだ。成人するまで、毎日、必死に取り組んだ結果、国家公務員試験に受かったわけだ。
前世で勉強をしないことによってブラックな会社にしか勤められなかった事を思い出すと勉強をやらないという選択肢は無かった。
そんな努力が実ったのか、初めての任官は郎と呼ばれる近衛兵。次は県令、次は刺史、次は太守、そうして地方官僚として実績を積んだ後は尚書に召集されたりと、なんだかんだでエリートコースに乗った。
すべてが順風満帆。そんな時だった。
党錮の禁
清流派と濁流派との対立が最悪の形で現れた事件だった。
清流とは、正規の方法で公務員になった人間を指し、濁流はいわゆる裏口的なやり方。まあ、コネや金で公務員になったやつを指す。宦官や名門の豪族達が牛耳っている宮廷はその親族がはびこっているし、そいつらに媚びたり、賄賂を貰ったりした奴らが高い官位に就く。
十数年と勉強して難しい試験に合格したのに、寒門出というだけで差別され、出世できない。それなのに上にはコネだけが取り柄の馬鹿ばかりならムカつくだろう。
そんなエリート達の不満を上手く操作し、派閥を作っていた奴がいて、清流閥とか名乗っていた。そいつが宦官皆殺し作戦とか考えて失敗したらしい。
宦官皆殺しにすれば、その地位が自分たちに来るぞ! っていう素晴らしい作戦だ。脳みそには綿でもつまっているのかな?
清流閥が全滅して、これで少しは政争も落ち着くかな~。と思ったら、清流閥扱いされて、追われるようになった。
意味が分からないと思うが俺も意味が分からなかった。
どうにも太学と呼ばれる、いわゆる現代の東京大学みたいな所の学生三万人が天下の士の番付なんぞを行っていて、それに俺の名前を入れてやがったのだ。その番付のやつは清流閥の幹部が殆どだったらしい。
たしかにリーダーの奴は太学の時代の同期だったし、飯を食いに行った事もある。なんかいつの間にか変な集会にも参加させられたが、俺はそんな閥に所属していないと声を上げる。
俺はタダ飯タダ酒に釣られただけだ!
しかし宦官には、「番付に載っているから清流閥幹部に違いない」という脳みそ湧いてるんじゃね? と思うような理論で清流閥の一員だと思われお尋ね者になったのだ。
清流も濁流もみんな死ねばいいのに。
公務員は安定して定年まで勤められるんじゃなかったのか!
俺は嘆きながら大脱走した。船に飛び乗り、洛水を下って南方の荊州、揚州、益州、交州と色々駆けずり回った。
そんな逃亡生活から解放されたのが二年ほど前。
清流閥の後継者を自称する何進に招かれ、清流閥最後の生き残り扱いされた。清流閥は皆殺しにされたから真実は誰にも分からないからしょうがないのだ。という事で、伝説の士的な扱いをされて調子に乗っていた時、事は起こった。
黄巾の乱
三国志の始まりを告げる合図ともいえる農民反乱が勃発した。黄巾、何進、曹操、袁紹、董卓と次々と頭の中に言葉が思い浮かぶと同時に俺はようやく思い至る。
「あ! ここ、三国志の世界だ」
この世に生を受けて三十年近く経って、やっとこの世界が何処であるかの答えにたどり着いた。