シン・インフィニットストラトス/GrAE   作:天津毬

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今回は授業回です。
(やっと学校らしい回だ…)

千尋「そして戦闘回がないから退屈とも言う。」

や、やめて…()







EP-14 授業:ヒトの軌跡

––––––襲撃から1日後。

IS学園1年1組・教室

 

襲撃の翌日。

普段通りに授業は再開されていた。

あんな事態が起きたというのに、翌日から日常が再開されていた事に千尋は驚きを覚えた。

 

––––––『日本人は災厄から立ち直ることに長けている。』

––––––『それは災厄と共に生きるしかなかったからこそ、共生する選択をした結果だ。』

––––––『それが廃墟から復活し、摩天楼を築けるだけの活力になる。』

––––––『だが先を急ぎ過ぎるからこそ、私達(日本人)は喪ったモノの尊さを容易く忘れてしまう。』

 

(まき)が水槽越しの自分に言っていた言葉を思い出す。

放射能関連の事故によって妻を亡くした牧のその言葉は、何処か草臥(くたび)れたように、いつも口にしていた。

…今なら––––––それが分かるような気がする。

牧の妻が死に至る原因となった放射能関連の事故も、昨日の襲撃事件も。

時間が経てばあらゆる事象によって埋没し、いつか人に見られなくなって…忘れられてしまうから。

『自分と関係ない人』からすれば、それでも構わないだろう。

…だけど、巻き込まれた当事者達からすればそれは死活問題であり––––––一生かけても消えない/消せないモノ。

あの時水槽越しに、草臥れたように独りごちていたあの姿は。

––––––誰一人として災厄の記憶を聴いてもらえない牧が見つけた、縋るべき対象であり。無意味だと分かっていても、誰かに向けて口にしなければならない程どうしようもないまでの苦悩の象徴だったのだろう。

…彼の最期を形作っていたモノは憎悪だけではなく、忘れられないで欲しい––––––という、願いもあったように感じる。

…今になって、牧の事が分かって来たような気がするのは、きっとこの生活(ヒトの世界)を送っているからだろうか。

––––––ふと。

スパ––––––––––––ン‼︎っと、乾いた音が響く。

 

「––––––?…???」

 

…一瞬、状況が理解出来なかった。

何が起きたのか。

いや、多分この流れは––––––、

 

「アリーナを半壊させて授業で惚けるとは良い度胸だなァ…黒坂。」

 

––––––いつも以上に、イライラしている様子の織斑千冬。

今の破裂音は出席簿による頭部への直接打撃であった。

…言うほど、というか全く痛くはない。だって頭蓋骨が砕けたりしてないから。

…まぁ、それはともかく。

昨日の被害。

それは半分くらいは「何処ぞの誰かさん」のせいだが、もう半分くらいは千尋のせいであったりもする。

…クラス別トーナメントの中断。

…第2地下格納庫全損。

…第2アリーナ半壊。

昨日の総合被害は、だいたいそのような状況。

文字にすれば単純であるが––––––これでも、最低600億円程の金額が吹き飛んでいる。

…おそらく、第2アリーナの再稼働までは2ヶ月はかかるだろう。

そうなると…単純な話、タッグトーナメントまで使用出来ないという事になる。

 

" ––––––あの時咄嗟に撃ったの、マズかったかなぁ…… "

 

不可抗力とはいえ、銀龍に放った一撃でアリーナを半壊させてしまったのは千尋だ。

––––––損害費はおよそ380億円。

如何に致し方ない犠牲(コラテラル・ダメージ)とはいえ、限度もある。

そんな千尋は本来謹慎ものだが、敵ISを鎮圧するという結果を残した事と第2波である銀龍が『ああでもしなければ鎮圧不可能だった』事が理解された為、始末書の提出だけで片付けられていた。

––––––実際のところ。そもそも学園側の予防がしっかりしていればこのような事態は防げたとする国連からの注意勧告を学園が受けたという事もある。

 

「襲撃機体を鎮圧した事は褒めてやるが授業はしっかり聴け。」

 

そう言うと、彼女はサッサと教室の後ろに戻って行く。

いつもならばここで返答を求めるのだが…それもせずに戻ったという事は、相当疲れているのだろう。

千尋は心労を察し、前を向く。

教卓には、副担任にして現在の授業––––––IS史––––––担当の山田真耶先生。

 

「じ、じゃあ、授業再開しますね〜。」

 

緑髪にメガネをかけた彼女は、おっとりした口調で告げる。

 

「では––––––オルコットさん。39ページ、1行目から4段落目まで読んで下さい。」

 

「はい。えー…『【白騎士事件後の世界情勢】』––––––。」

 

山田に指名されたオルコットが起立し、教科書の内容を読み始める。

––––––それは、白騎士事件の齎したその後の世界情勢についてであった。

––––––ちなみに【白騎士事件】とは、2011年3月11日。東日本大震災による混乱の只中に起きた、日本への2467発ものミサイルを原初のISたる白騎士が撃墜し、また領空侵犯に基づき邀撃に出撃した護衛艦1隻と航空機5機を撃墜した事件。

…これがISによる初の実戦であり、ISが世界に広まった歴史的事件であると言われているが––––––実際は少し違う。

結果は変わらない。

…だが過程は女尊男卑主義者が思い描くプロパガンダや、ISを生み出した篠ノ之束が思い浮かべていたであろう未来よりも遥かに重く、過酷な現実だった。

 

「––––––『白騎士事件による日本への核ミサイル発射が確認された後、日米安全保障条約に基づき、アメリカが歴史上始めての報復核攻撃を実行。米中露の3ヶ国による全面核戦争【第3次世界大戦】が始まった。

またインド・パキスタン国境の難民同士の衝突を契機に地域紛争までもが世界各地で発生し、戦争による被害は甚大なものとなった。

それに巻き込まれたことによって当時東日本大震災と福島原子力発電所事故で混乱していた日本の東京、福岡、富山が核ミサイルによって蒸発(東京は直撃・蒸発こそしなかったものの、東京湾で核ミサイルが爆発し、沿岸部が壊滅)した。

…最終的に、2011年12月4日に東西両陣営の首脳部の大多数が死亡することで「勝者も敗者もいない有耶無耶の状態」に至り大戦は終結したが、その後も各地で泥沼の地域紛争が継続された。』」

 

––––––そう、白騎士事件からたった数時間でこうなったのだ。

全面核戦争という、核兵器の撃ち合いによる殺し合い。

…白騎士事件時に発射されたミサイルの中に、ロシア製および中国製の核ミサイルなどが無ければ、こんな事にはならなかっただろう。

死ぬ必要の無かった人が死ぬ事だって、無かっただろう。

教科書文章説明欄の隣には、全面核戦争後の世界地図が掲載されている。

 

 

【挿絵表示】

 

 

––––––それに目をやると。

…36発近い核攻撃を受け、入り組んだ湾型の海と化したアメリカ東海岸。

…59発の核攻撃を受け、虫食いとなったヨーロッパ・ロシア。

…43発の核攻撃を受け巨大なクレーターと化した中国華北平原跡地。

…21発の核攻撃で国境がぐちゃぐちゃになったインド・パキスタン。

…11発の核攻撃によって海岸線の原型を失ったイラン。

…9発の核攻撃によって政府機能を喪い無政府化した朝鮮半島両国。

…7発の水爆を含む核攻撃により国家基盤が崩壊したフランス。

––––––ざっと地図を見ながら、説明に目を通しただけでも、それほどまでに膨大で厭な内容が視界に映る。

 

「はい、ありがとうございます。では次––––––篠ノ之さん、そこから7段落分続きを読んで下さい。」

 

「はい––––––『ISの情報および機体拡散の時点でアフロ・ユーラシア大陸の大半が焦土と化し、地球人口は70億から34億にまで激減してしまっていたが、何の規定も無いまま世界中にISが拡散した結果、世界中でISを用いた紛争やテロが発生。

また、核の撃ち合いが沈静化した翌年である2012年1月29日にはウクライナおよびポーランドに侵攻したロシア=ベラルーシ連合と両国の防衛に出動したNATO(北大西洋条約機構)軍の武力衝突とバルカン諸国の紛争拡大によって【第3次非核欧州大戦】が勃発し欧州全土に戦火が拡大した。

この年にヨーロッパ連合は崩壊し、EUは【新欧州国家連合】と【西ヨーロッパ・北アフリカ共同体】、【大イギリス連邦王国】に分裂。

さらにアメリカや中国、ロシアという東西両陣営の大黒柱とも言える国家が衰退した事により、各国のパワーバランスは崩壊。

【中国自由解放戦争】や【アフリカ民族戦争】、【新生ロシア帝国復古独立戦争】などの戦争が頻発する中で東西両陣営共にこれ以上の核戦争は避けようと核兵器による決定的一撃を放つ事を躊躇した為に戦争は長期化。

更なる泥濘化と悲劇を生むこととなった。

第3次世界大戦による混乱と世界規模の紛争は白騎士事件の4年後まで続き、2014年7月25日にそれらの終息を目的として【サンフランシスコ休戦臨時条約】が調印され、同年12月29日にISの運用を規定する【アラスカ条約】と戦後復興に尽力する【アボッツフォード国際平和条約】が締結された。

白騎士事件以後の4年間で亡くなった人口は40億人近くに登った。』––––––。」

 

「––––––はい、ありがとうございます。」

––––––篠ノ之さんの読んで頂いた内容は、皆さんが基礎知識として学んで来た内容も含まれています。」

 

山田が口を開く。

 

「––––––ですが、今日に至るまで…ISがようやく運用できる代物きなるまで…膨大な犠牲が築かれました。

…ISを扱うという事は、白騎士事件後の戦災で亡くなった方々の犠牲の上を歩いて行く事と同じ……その事をどうか、理解して下さい。」

 

––––––山田の言葉と教科書の内容に生徒たちは息を呑む。

…別に知らなかったわけではない。

ただ、いざ具体的に知らされると––––––息を呑む他なかったというだけ。

 

「第3次世界大戦については次週の校外学習と7月の臨海合宿で九州に行く際に詳しく学びますので割愛しますね……でも、それだと中途半端に時間が余るので––––––第3次世界大戦後の欧州情勢に触れていきましょう。」

 

山田が言う。

 

「––––––まず、説明文にもありましたが、欧州は全面核戦争後にEU自体が形骸化してしまいました。」

 

それは恐らくEU本部の置かれていたベルギーの首都・ブリュッセルが戦術核攻撃によって壊滅したからだろう。

ブリュッセルには、ヨーロッパ全域にまたがる国際機関の本部、およびEU本部が多く置かれていた。

アメリカと欧州の軍事同盟である北大西洋条約機構 (NATO) 軍の本部もここにあり、加えて欧州原子力共同体の本部や欧州経済共同体の多くの施設なども置かれており、欧州連合諸機関との連携がとりやすいことから、欧州議会の活動の4分の3がストラスブールではなくブリュッセルで開かれるようになっていた。

…それほどまでにブリュッセルという都市はEU、引いてはヨーロッパ諸国にとって重要かつ中枢と言える存在であった。

––––––人間に例えるのなら、それは脳に相当する程の存在。

…それが突然喪われればどうなるか。

––––––人間に例えるのならば、それは脳死。即ち形骸化。

ではもしも体内の内臓同士の仲が非常に悪く、脳を喪った途端喧嘩を起こすような存在だったとしたら––––––?

 

「その後、3ヶ月程は難民の救援などに尽くしていたのですが––––––難民同士の武力衝突や武装難民と政府の衝突。ヨーロッパの火薬庫と言われていたバルカン半島の諸民族同士の武力衝突。その混乱した事態を突く形で発生したロシア軍の侵攻––––––それら様々な要因が重なり発生したのが【第3次非核欧州大戦】です。」

 

––––––長い内容だが、第3次非核欧州大戦を掻い摘んで言えばこうなる。

実際はもっと細かい話の羅列があるらしいのだが––––––道が逸れる為に割愛したのだろう。

…余談だが、第1次・第2次欧州大戦は第1次・第2次世界大戦の別名である。

どちらもヨーロッパ大陸が主戦場となった事が名前の由来とされている。

米中露3ヶ国の核の撃ち合いであった第3次世界大戦はヨーロッパが主戦場となっておらず、また核戦争は文明崩壊に陥らせる事なく鎮静化に向かった事から、第3次欧州大戦はない––––––そう考えていたのだろう。

実際、橙子も第3次欧州大戦はあり得ないと思っていたらしい––––––の、だが。

 

「この第3次非核欧州大戦は想定外であったこと、そして––––––決定的一撃を与える核攻撃を米露どちらも隠避した為、一度も核が使われず、第1次・第2次世界大戦と同じ…泥濘の戦闘が展開されました。」

 

結局––––––第3次欧州大戦は複数の要因が噛み合わさり、起きてしまった。

それは先の大戦と同じ、【非核】体制で。

結果として、それ以上の人類文明崩壊規模の環境破壊は起きなかった。

…その反面、第1次・第2次世界大戦を上回る屍の山が築かれ、血が流される事になったという。

 

「しかし、核兵器を使わなかったからこそ、それ以上の環境破壊は無かったという意見もあります。」

 

山田先生と同じ様に、『それは英断だろう』と橙子も評していた––––––『仮に勝ったとして、生存不可能な世界だけが残されても意味がない』と。

…まともに宇宙開発が出来ているわけでもないのにこれ以上の環境破壊は自分の首を締め上げるのと変わらない––––––とも。

––––––そんなものなんだろうか?ヒトはそんなに弱いのか、とその時初めて思ったのが正直な話。

––––––次に飛んできたのは、『自分が出来たから他人も出来るものだと思い込むな。』という叱責だったような気がする。

…まぁ、とにかく、第3次世界大戦と違い、第3次非核欧州大戦で核兵器が使われる事はなかった。

だから環境破壊は停止し––––––欧州各国の国家基盤崩壊によって、EUは崩壊した。

 

「ですが、非核(それ)が欧州諸国の国家基盤崩壊と、それに伴うEUの崩壊を招いたというのも事実です。

––––––こればかりは本当に難しい話なんですよね…これ以上人類が生きられなくなる世界にしてそこで死に絶えるか。あるいは故国を喪い難民となって貧困に喘ぎ続ける暗い未来を生き続けるか……難しくて、大変だったんです…本当に。」

 

心底、苦悩したであろう当時の当事者の心境を察して、山田先生は沈んだ声で言う。

それは––––––『少し違えば、日本も同じ様になっていたかも知れません。』と言外に告げていた。

 

「んんっ…山田先生––––––。」

 

––––––『感傷的になり過ぎて授業から逸れてます…。』と言外に告げる口払いを織斑先生がする。

 

 

「––––––え?あ、あ!ご、ごめんなさい、つい––––––あ、で、では授業を再開しますね!」

 

織斑先生に言われ、酷く挙動不審地味て焦り山田先生が揺れる。

 

「えっと、先のEU崩壊後の欧州情勢ですが––––––大きく分けて4つの陣営が存在します。」

 

そう言って、山田先生はプロジェクターを起動させる。

––––––スクリーン代わりの黒板に投影されるのは北アフリカとヨーロッパ・ロシアを含む欧州地図。

––––––そこに投影される、緑、水色、ピンク、赤の4色。

山田先生は投影された順に説明を開始した。

 

「ドイツやイタリア、トルコ、ベネルクス三国、デンマーク、オーストリア=ハンガリーなどを主体に中欧諸国や東欧諸国、スカンジナヴィア=カレリア連合国などの北欧および旧ロシア領、同盟関係にあるエジプト、パプアニューギニアから成る––––––【新欧州国家連合】。

スペインやポルトガル、ギリシャ、アルメニア等の南欧諸国とフランスの避退租借地があるアルジェリア、モロッコから成る––––––【西ヨーロッパ・北アフリカ共同体】。

イギリスを主体にアイルランド、ノルウェー、アイスランド…の他にもカナダやオーストリア、インドなど欧州圏外の国からも成る––––––【大イギリス連邦王国】。

国家基盤をカザフスタン国境沿いに移したとはいえベラルーシと連合関係にある––––––【ロシア連邦】。

…今欧州に展開する陣営は、これらになります。」

 

––––––もっとも、ロシア連邦はともかく、その他3大陣営は戦争関係にあったりせず、かつてのEU同様に欧州の安定化の為に行動して居ますので、特に対立関係にあるとかではありません…と、付け加えて山田先生が言う。

––––––ふと。各陣営の支配圏を見て女子生徒が何人かざわめく。

 

「––––––山田先生。」

 

それを代弁するように、神楽が手を挙げて、山田先生に声をかける。

 

「なんでしょう?」

 

「––––––フランスが3分割されているのは…なぜでしょうか?」

 

…見ると。フランスはイルドフランス––––––首都パリの所在する地域––––––を除いて。

北東部および南東部を新欧州国家連合。

北西部を大イギリス連邦王国。

南西部を西ヨーロッパ・北アフリカ共同体が支配している。

 

「これはですね…フランスは全面核戦争時による核攻撃と武装難民の蜂起などによって国家基盤が崩壊––––––つまり無政府状態となってしまった為に、各陣営が国家基盤再建の為に統治しているというわけです。

…第2次世界大戦後の東西ドイツや日本みたいなものですね。

ちなみにフランスの国家基盤の完全再建が完了した場合には即座に3大陣営は撤退することを表明しています。」

 

––––––山田先生が言う。

 

「分かりました、ありがとうございます。」

 

神楽もその答えに納得する。

––––––ちなみにグリーンランドは新欧州国家連合の領域だが、それはデンマークが新欧州国家連合加盟国だからである。

…というのも、そもそもグリーンランドは国ではない。

デンマークの領土なのである。

––––––日本で例えるならば、沖ノ鳥島とかそれくらいのド辺境かつ距離が離れている。

だからこそ、忘れられがちなのだが、グリーンランドはデンマーク領なのだ。

 

 

 

「では––––––次は日本について触れましょう。教科書40ページの部分を––––––織斑くん、読んで下さい。」

 

山田先生がそう言う。

––––––ふと、言われた織斑は嫌な汗をたらたらと流している。

 

「お、織斑くん––––––?」

 

その様子に、思わず山田先生も心配気に聴く。

 

「あの––––––山田先生、その…教科書、なんですが…。」

 

「––––––はい…」

 

「…間違えて廃品処理に出しちゃいましt」

 

「参考書に続き教本まで捨てるとは何事だこの愚弟が––––––!」

 

ばしーん!と響く織斑先生の出席簿アタック。

…イライラしている分、いつもより威力は高いのだろうか––––––織斑はその一撃で机に伏した。

…下手をせずとも彼、今ので死ぬのでは…?とか思ってはいけないのだろう、多分。

 

「全く––––––…山田先生、続けて下さい。」

 

「は、はい––––––。」

 

若干泣きそうな表情を浮かべながらも、山田先生は教科書を手に授業を再開する。

 

「えっと…まず、日本は東日本大震災直後の混乱下にて白騎士事件が発生した後、日米安保に基づくアメリカの報復核攻撃に対する報復核攻撃を受け––––––福岡市及び富山市が蒸発・壊滅。さらに東京への核攻撃…これは自衛隊の電磁波撹乱によって東京湾に落下させることに成功しましたが、湾内での核爆発により…第2次関東大震災を誘発。

––––––結果的に地盤沈下が発生し、広範囲が水没した…ということは、みなさん覚えていると思います。」

 

山田先生の解説と共に関東の地図が投影される。

 

––––––東京湾沿岸は。

東京都心江東区から千葉県船橋市に至るまでの海岸線が水没。

そのまま埼玉県川越市、埼玉県久喜市という内陸部の広範囲に至るまでの地域が突出・半島化したさいたま市を挟むように新たな東京湾海岸線となっている。

…他にも、神奈川県横浜市・川崎市や千葉県沿岸部も水没していることが確認できる。

––––––太平洋沿岸は。

いずみ市から旭市に至るまでの九十九里浜が水没。

そして利根川流域も水没し、霞ヶ浦湖や新東京湾と接続されており、利根川は利根海峡へと変貌を遂げている。

またそれによって、千葉県房総半島は房総大島へと変貌。

––––––このIS学園も、水没した千葉県館山市旧市街の上に建造されている。

…そしてこれだけ広範囲が水没したというのなら––––––膨大な犠牲者が発生した事は想像に難くない。

 

「犠牲者は関東圏だけで1000万人に登り––––––福岡市と富山市の犠牲者も合わせれば、1200万人。

さらに半年後に起きた日本・ロシアによる《新潟強襲上陸攻防戦》と松島・石巻沖地震、北九州大震災によって発生した犠牲者も含めると––––––犠牲者は1600万人に登ります。」

 

––––––1600万人。

第3次世界大戦の犠牲者に比べれば大したことはないだろう。

だが、どちらにしても途方も無い数である事は変わらない。

…その事実を叩きつけられ、少女達は戦慄する。

––––––ふと。

 

「そういえば、夜竹ちゃん、富山市の生まれだった…よね?」

 

そんな会話が聞こえる。

そちらに顔を向ければ、黒髪にショートヘアの【夜竹さゆか】という少女に問いかけるクラスの女子が一人。

 

「今は従兄弟の男しか家族いないんでしょ?大変だよね、男なんかと––––––」

 

そして話しかけている女子は女尊男卑主義らしく、マイペースに夜竹に話しかける。

––––––しかし。

 

「––––––やめて…!!」

 

ばんっ、と机を叩く音と。

がたんっ、と椅子を突き飛ばすように立ち上がる音を響かせながら。

ギロリと、話しかけてきた女子を睨みつける。

––––––夜竹は、富山核攻撃時の記憶を思い出したく無いが故の行動。

––––––女子は、それを従兄弟を馬鹿にされて怒ったと誤解して。

 

「––––––授業中に私語を話すな。」

 

頭痛を堪えるように、呆れたように声を放つ。

そして、夜竹に話しかけた女子を見ながら。

 

「…それと––––––他人には思い出したく無い事があるぐらい察しろ馬鹿者。––––––山田先生。」

 

––––––女子に釘を刺しながら、山田先生に授業の再会を促す。

 

「––––––はい。」

 

今度は焦燥で取り乱すわけでもなく、泣きそうな顔で応じるわけでもなく。

––––––夜竹の事情を察したのか、半ば同情的な感情を浮かべながら。

 

「…では、次––––––40ページの次の章を…四十院さん、読んでください。」

 

「はい––––––『第3次世界大戦による混乱は白騎士事件の3年後まで続き、米英仏・中露の核の撃ち合いや東京・福岡・富山への核攻撃で津波と地盤沈下に伴う沿岸都市の水没。ロシア帝国復興独立戦争、第3次非核欧州大戦、中国自由解放戦争など世界規模の紛争が相次ぎ2014年7月25日にそれらの終息を目的として【サンフランシスコ休戦臨時条約】・ISによるこれ以上の被害を無くすべく【アラスカ条約】・各国の軍事行動監視と国際復興協調路線を図る【アボッツフォード国際平和条約】が締結された(戦後3大平和条約)。

しかしサンフランシスコ臨時休戦条約を経た後でも各地で紛争が相次いだ他、ISによる各国の更なるパワーバランス崩壊を招いた為、日本政府は陸海空自衛隊の空白を補完し、本土防衛を成す為に新たに【戦略自衛隊】を設立した。』」

 

––––––サンフランシスコ休戦臨時条約。

白騎士事件の3年後まで続いた第3次世界大戦による混乱…米英仏・中露の核の撃ち合いに始まり東京・福岡・富山への核攻撃、ロシア帝国復興独立戦争、第3次非核欧州大戦、中国自由解放戦争など相次いだ世界規模の紛争終息を目的として2014年5月16日に調印された条約。

––––––アラスカ条約。

世界大戦やテロ、ISの過剰保有による各国のパワーバランス崩壊を抑制・尚且つISによる戦火の発生を阻止することを目的に2014年7月25日に調印された条約。

––––––アボッツフォード国際平和条約。

国際連合本部を壊滅したニューヨークからアメリカ・カナダ国境のアボッツフォード市に移転する内容と。

各国の軍事行動監視と国際復興協調路線を確立すべく、各国の軍隊から抽出された戦力を指揮下に置く、国際連合平和維持軍を常設の軍隊として編成する条約。

…それらが【戦後3大平和条約】と呼ばれものだった。

だが、戦後3大平和条約が完全に機能しているかと言われれば、そうでもない。

現に、第3次世界大戦と戦後3大平和条約調印を経た後に台湾と中国の軍事衝突と朝鮮半島の戦火が拡大した。

ついでに言えば、大戦で既に荒廃していた各国のパワーバランスは、ISによって更なるパワーバランス崩壊を招いた。

そして陸海空自衛隊を国連軍として海外派遣に引き抜かれた状況から警戒心を覚えた日本政府は陸海空自衛隊の空白を補完し、本土防衛を成す事を目的に新たに【戦略自衛隊】を設立した。

…ある程度は抑止力として機能しているだろうが、完全に効果を発揮していない…というのが現実であった。

 

「––––––はい、ありがとうございます…。」

 

神楽の説明が終わるや否や––––––終業のチャイムが鳴る。

 

「あ、まだ途中なんですが––––––まぁ、良いか。では今日の授業はここまでです。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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神奈川県旧箱根町

首都東京都直轄自治体「新東京箱根市」

同市直下・地下大空洞(ジオフロント)

 

白騎士事件後の大戦で壊滅ないし荒廃した日本で「地方自治体再編計画」および「政府機関分散配置計画」に基づき統合された神奈川県旧箱根町、旧小田原市、旧南足柄市、旧湯河原町、静岡県旧御殿場市から成る新興自治体。

旧箱根町仙石原を中心に高層ビル群が立ち並び6車線道路が碁盤目に走る、その真下。

地下には直系6km、高さ0.9kmもの箱根大深度地下大空洞が広がっている。

環境省の調査によると、過去の火山活動によって形成されたもので、さらに空洞天井部は水爆級核兵器の直撃にも耐え得ることが確認され––––––そこに、東京から分割移転された行政府を置くことが決定された。

芦ノ湖北岸の集光ビル(巨大反射鏡)から反射・増幅された光はこの地下にも人工の太陽光を照らし、人造の緑地が広がる地下世界に円柱状の複合ビルが一棟。

政府合同庁舎––––––防衛省箱根分庁舎・戦略自衛隊本部および国連・WERC(世界均衡再建委員会)直属特務機関VARGE(ヴァルゲ)日本臨時本部が置かれていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

政府合同庁舎ビル・防衛省箱根分庁舎

戦略自衛隊司令部/VARGE日本臨時本部

––––––第1食堂

 

人工の空から作り物の陽光が降り注ぐ、空港のロビーめいた広い空間。

木製の床とその上には白く清潔感に満ちた、無機質な椅子とテーブルが整然と並ぶ。

吊り合わないように見えるその光景は、しかして奇妙なまでに落ち着いた雰囲気を展開していた。

昼下がりのその場所は閑散としており、デスクワークに勤しむ職員がポツポツと座しているだけである。

––––––その中に一人。

包帯を両腕に巻き、医療用の眼帯を左目に巻いた––––––少年とも老人とも言える奇妙な雰囲気を放つ男性が座していた。

…ふと、その対面する椅子に座した男性が。

 

「––––––夜竹、IS学園を強襲した機体の話、知ってるか?」

 

少年とも老人とも言える奇妙な雰囲気を放つ男性––––––【夜竹(やたけ)アキラ】三尉に問いかける。

…それに、アキラは反応して。

 

「––––––ええ。仮称・ゴーレムとヴァルチャーでしたっけ?

ヴァルチャーの方は篠ノ之博士が嬉々として解析してましたよ。そんで、滅茶苦茶殺意を込めて解体検査(バラ)してました。

––––––気持ちはすごく分かりますけど。」

 

務めて平静に、しかし今すぐにでも殴りたい衝動を孕んだ瞳で––––––アキラは応じる。

両者の反応はある意味当然と言える。

…束的には、天災と何処の馬の骨かも分からない輩が引き起こした事態に家族である()が巻き込まれた事に対する憤り。

…アキラ的には、その感情に対する共感。

彼自身も天災と何処の馬の骨かも分からない輩のイザコザに自分の唯一生き残った肉親(・・・・・・・・・)たる【義妹(さゆか)】が巻き込まれた身であるが故に、憤りを浮かべている。

––––––それを前にして。

アキラの眼前に座する中年男性––––––しかし年齢を感じさせない鍛えられた肉体がBDU(戦闘服)の下に在る––––––は苦笑する。

 

「だよなぁ…広域情報通信班の相川さんもそんな反応だったぞ。

それはそれはエラい剣幕を浮かべて、IS学園に苦情入れてたからなぁ––––––国連名義で。」

 

中年男性––––––坂城秀秋(さかき・ひであき)三佐は白髪混じりの髪を指で掻きながら、しわがれた声で笑う。

 

「国連名義––––––なるほどやりますね。彼女。」

 

相川さん––––––相川早苗は、VARGE日本臨時本部の広域情報通信班…すなわちオペレーターで、一人娘がIS学園に通う事になってが故に学園へ預けている身でもある。

そしてVARGEは国連直属組織。

––––––母親として娘の身を脅かす事態を招いた学園に苦情を入れると同時に、国連直属組織としての正式な抗議も入れたのだろう。

…VARGEと同じく国連直属の機関であるIS学園にとって、他の国連直属組織に茶々を入れられる事態は屈辱であると同時に危機でもある。

––––––それは自らの支持基盤を日本国内で失墜させるだけでなく、国連内でも失墜させる可能性があるからだ。

…そうなれば何が起こるかは容易に想像できる。

––––––まずは学園の独立自治権の破棄。

––––––国連・日本政府による保護の破棄。

––––––最後に国連に指揮権の移譲。

––––––これを断るようならば実力行使による制圧…も、有り得ない話ではない。

…無い話であって欲しいが。

何しろ、そこには––––––家族(さゆか)がいる。

こちらからすれば、学園に人質を取られているに等しいもの。

武装中立国家(・・・・・・)たるスイスに習った(・・・・・・・)憲法・法律改正に伴う16歳から18歳の未婚男女への2年間の兵役義務––––––事実上の徴兵制復活に際して、家族(さゆか)も徴兵対象となった。

…富山核攻撃や北陸攻防戦という戦争の隣にいたさゆかが兵役を課せられるというのは…安定しない国勢を見れば仕方ない。

だが––––––家族を全員核攻撃で喪い、銃弾や砲弾が飛び交い爆弾が降り注ぐ新潟の戦場で肉親が自分だけになった時(俺の家族が空爆で爆殺された瞬間)を目の当たりにしたあの子に。

––––––戦災孤児として廃墟を転々とする生活の果て。飢餓や脱水症状に苦しむ地獄を過ごし、眼前の男・坂城三佐に拾われて、平和な日々の中でようやく人らしく戻れたあの子に。

…もう一度、戦場の空気に触れろという。

––––––それは余りに酷な話だ。

確かに1人でも多くの人材が必要なのは理解している。

それは国内情勢のみならず国際情勢の観点から見ても、だ。

––––––もちろん、駄々を言ってはならないと理解していながらも、さゆかはソレを拒んでいた。

だから彼女を少しでもこう言った戦場に近しい場所から縁遠い進路に行かせられないか…という考えから。

同時にIS適正が発覚した事から––––––進路をIS学園に彼女は選んだ。

……ところが蓋を開けてみればどうだ。

一生徒として安全を確保して貰えるどころか人権のじの字すら拝めるか怪しい環境ではないか。

…兵役と半ば人権無視。

––––––これではどちらも大差ない。

…こんな時代だから満足など言えないし、俺の考えは傲慢かつワガママなんだろうが……どうしたものか。

 

「おう、【相川清香】だったかそんな名前の娘がいるらしいからなぁ––––––母は強しって奴だ。」

 

––––––なんて、自分の心労も考えずに坂城三佐はからからと笑う。

…まぁ、戦自にいる間は国体を維持することで平和を与えてやる事しか––––––さゆかには出来ない。

だから今は自分に出来るだけの事をやる。

そのつもりでキツい戦地に赴いたりエグい部隊に行ったりもしたし––––––まぁ、今回のは完全に想定外だったが。

 

「––––––ま、話を戻すが……閃龍はどうだ?」

 

––––––坂城三佐の問いに、自分/アキラは思わず頭を抱える。

…閃龍というのは、対IS・対無機物擬似生命体を想定して開発された重歩行駆逐戦機。

––––––歩く戦闘砲台だといえば伝わりやすいだろうか。

…まぁ、勿論そんな特異な装備が並みの人間が考えるような代物なワケがなく––––––。

 

「––––––正直、扱いに難があります。」

 

言葉を選んで、アキラは言う。

…その口調は濁しながらもハッキリと否定的な声音で。

––––––急な挙動や過剰出力。

––––––操縦者が追随出来ない反射速度。

––––––操縦者にかかる大量のGによる過負荷。

––––––操縦者への生体保護面と燃費から継戦能力は15分が限界。

…正直、どれを取っても欠陥兵器…ゲフンゲフン––––––欠陥「装備」である。

…閃龍を運用する第3技術実験団としても、これ以上は勘弁して欲しい…というのが本音である。

動かす度に負傷するような装備ではマトモに長期戦すら出来やしない。

––––––実際、今現状のアキラの傷も閃龍の機動実験時の負傷である。

…腕の骨が折れた程度だったのは幸いだが、次もこうであってくれる保証はないというのが辛いところだ。

––––––それらの欠陥点に目を瞑れば、良い機体なのだが。

こう––––––痒いところに手が届かず、代わりになるモノを探しても見つかっていないような状況にあるというだけで。

––––––ふと。

 

「––––––ここ、よろしいですか?」

 

缶コーヒーを3本持ち、2人を見下ろす女性––––––天才・篠ノ之束が一人。

 

「「どうぞ、篠ノ之博士」」

 

思わず2人は同じタイミングで応答してしまう。

––––––では。と三人分のコーヒーと、閃龍に関する書類をテーブルに置き。

 

「––––––閃龍の改良修正プラン、完成しました。」

 

束が言い放つ。

その言葉に2人は書類に目を落とし––––––。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

◆「閃龍」改良修正プラン

●要点

⚫︎IS学園にて試験中の「紫龍」および「朱雀」の運用データの反映。

⚫︎鹵獲・解析した不明IS「ヴァルチャー」より回収・再現した《超電磁装甲体》実装による操縦者保護能力向上。

⚫︎同じくヴァルチャーより回収・再現した《重力偏向能力》実装による耐G性能および積載量の向上。

⚫︎主機システムを大容量バッテリーからNNリアクターに換装。

⚫︎仮称:クロサカ・チヒロより抽出・生成した【ロンギヌスの槍】実装。

同時に本装備を武装としてのみならず補機システムとして使用。

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

––––––前回より問題が解決しつつあることを喜びと共に、所属不明機(ヴァルチャー)の技術を使うのか…という不信が芽生える。

 

「…お2人の言いたいことはよく分かります。

––––––ただ、それを言い始めたらキリがありません。」

 

––––––何しろIS自体、不信の塊ですから。

…申し訳なさそうに、しかし確かに––––––仮にもIS開発者である天才・篠ノ之束はそう言い放った。

 

 

 

 

 

 

 




––––––【予告】
●橙子(眼鏡on)
「襲撃から2日、学園に不信を抱きつつも生活をする箒と全く空気を読まない千尋」
●アキラ
「一方、新東京箱根市(どう見ても第3新東京市です本当にry)では改良された閃龍の起動実験と共に何処からともなく無機物擬似生命体(イマージュ・オリシス)が飛来する」
●橙子(眼鏡off)
「学園、天災、国連、戦自に加えて亡国機業すら動き出した中、さらなる劇薬がフランスより学園に投下される」
●神楽
「次回、シン・インフィニットストラトス、『貴公子、転入/異形、迎撃』。」
●箒
「さ、さてこ、この次も––––––サービス、サービス⁈」

千尋「…なぁにコレ。」

茶番です。

千尋「見れば分かるよ。」


––––––さて、今回はここまでとなります。

序盤はシン・ゴジラの牧教授の自分なりの解釈だったり…()

…話の流れは基本ギャグっぽくしたい所存ですが……世界観だけ無駄に暗くしちゃったんだよなぁ…()
そして最後に登場した【夜竹アキラ】ですが…原作でサブキャラ(モブキャラ?)だった【夜竹さゆか】の義理のお兄ちゃんになります。

––––––次回も不定期ですが、極力早く投稿致しますので、次回もよろしくお願い致します。




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