魔法少女と最強のヤンキー   作:黒帯

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現在時刻は午後2時。

 

「やっべ、もう昼過ぎか... 」

 

魔女との闘いで疲れて爆睡していた黒崎がベッドから起き上がる。トイレで用を済まし、歯を磨いた後、寝癖でボサボサになった髪型を整える為に鏡の前に向かった。

 

「ちっ、相変わらず不細工なキズだぜ... 」

 

普段は前髪で隠しているが黒崎の額には幼い頃起きた交通事故で負った傷痕がある。

この傷痕のせいで黒崎は小学生の頃、壮絶なイジメを受けていた。

虫を食わされたり、階段から落とされたり、バットで殴られたりという行為を毎日同級生から受けていた。

イジメというより拷問に近い行為だった。毎日が地獄だった。

黒崎は、そんな毎日から脱却する為に体を鍛え始めたのだ。

毎日筋トレを繰り返して筋肉を身に付け、本屋に売っている格闘技の入門書を読みつくし、様々な技術も習得した。

力を身に付けた黒崎は自分をイジメていた連中を半殺しにした。そして自分の力に自信を持った黒崎は学校に通わなくなり街で喧嘩を繰り返すようになっていったのだ。

 

「もし、この傷痕が無かったら俺は真っ当な人生を送る事ができたかもしれんな... 」

 

髪型のセットを終えた所でちょうど携帯が鳴り出した。表示を見ると昨日番号を交換したばかりの巴マミからだった。

 

「よォ巴。一体どうしたんだ?」

 

「もしもし黒崎君!?後輩が見滝原総合病院で結界を見つけたわ!アナタ昨日、魔女退治に参加したいって言ってたから連絡を入れたけど... どうするの?来るのかしら?」

 

「フン、さっそく来やがったか。断る理由なんてねぇよ馬鹿野郎。今から向かうから待ってろ」

 

「わかったわ!私も今向かっている最中よ。くれぐれも遅れないようにね!」

 

通話が切れた。

「昨日闘ったばかりなのに、もう次の試合のオファーが来るとはな..クク、本当に楽しませてくれるぜ... 」

 

黒崎は急いでパジャマから私服に着替えて見滝原総合病院に向かった。

 

 

 

 

 

 ◆ ◆ ◆

 

 

 

「やべえ... 少し遅くなっちまった... 」

 

家からダッシュして10分ほどで病院にたどり着いた。黒崎は巴に連絡を入れるが「現在電話に出る事が出来ません」という通知だけが帰ってくる。

恐らく既に結界に突入しているのだろ。

仕方なく病院の周りを探索していると自転車置き場の壁に不思議な模様が現れているのを発見した。

 

「まさかこれ... 」

 

黒崎が模様に手を置いた。

すると黒崎は一瞬にして模様に取り込まれ、魔女の結界と思われる場所にワープした。

 

「へへっ!ビンゴだぜ!... ったく、巴の野郎も少し遅刻したぐらいで俺を置き去りにしやがって... 後でガツンと言ってやるか..... ん?」

 

黒崎は結界内を進んでいると黄色のリボンに拘束された髪の長い少女と遭遇した。

 

「ちょっとアナタ!こっから先に進むと危険よ!事が済むまでここで大人しくしてなさい!」

 

黒崎は拘束された少女に話しかけられた。どうやら魔女の事を知っているらしい。恐らく彼女も魔法少女と呼ばれる存在なのだろう。

 

「わざわざ忠告ありがてェんだけどよォ。俺は魔女と闘う為に自分からココにやって来たんだ。お前巴マミの仲間なんだろ?アイツがどこにいるか知らないか?」

 

「... アナタが巴マミが言っていた新しいパートナーね。馬鹿な事は辞めなさい。格闘技が使えるらしいけど、それだけで魔女と闘うなんて自殺行為よ。巴マミとは離れて大人しく元の生活に戻りなさい。」

 

「おいガキ。お前は分かってねェよ。格闘技は弱者が強者から身を守る為に発生したものだぜ?相手が魔女だろうが魔王だろうが関係ねェ。暴力に屈する格闘技など存在する意味がねェんだよ... 」

 

「分からないわね。そうだとしても自分からわざわざ危険な橋を渡る事はないでしょ。どうしてそこまでして魔女と闘いたがるのかしら?」

 

「...... 喧嘩自慢と言われる連中から恐れられる自分が誇らしかった... 。魔女と言われる未知の化け物にも勝つことが出来た。そんな俺の力が一体どこまで通用するのか試してみてェ。ただそれだけだよ。まぁ魔女は俺が倒しといてやるから安心しな。んじゃ、サヨナラ~。」

 

黒崎はそう言うと少女の忠告を無視して先に進んでいってしまった。

 

「とんでもないイレギュラーね...。あんな人今までの時間枠では出会った事ないわ。一体何物かしら... 。」

 

 

 

 

 

 ◆ ◆ ◆

 

 

 

結界の奥では巴マミと魔女が闘いを繰り広げていた。

 

「頑張れマミさ~ん!!」

 

巴マミの後輩であり魔法少女の候補でもある美樹さやか、鹿目まどかという少女と、一般人には見えないキュウベェという白いぬいぐるみのような生物が影に隠れて巴マミの闘いを応援していた。

巴マミと魔女の闘いは圧倒的な差で巴マミが優勢であった。

 

「さて……と、悪いけれど一気に決めさせてもらうわよ!ティロ・フィナーレ!」

 

巴マミの攻撃は魔女に直撃した。

 

「やった!さっすがマミさん!」

 

「良かった……!」

 

その場の全員が勝利を確信し、安堵の空気が流れる。

 

が、一瞬でその空気は激変した。

 

「えっ……!?」

 

撃ち抜かれた魔女の口から何かが飛び出てきた。

 

ピエロのように滑稽な顔をしたその何かは牙を剥き出しに巴マミへ襲いかかる。

 

彼女は何もできなかった。

 

そして次の瞬間には、一つの首が千切られていた。

 

 

 

 

 

 

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