ポケモン(仮)   作:ネコ

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第12話

 ハナダジムを探しながら、ブルーは町の中を散策していく。

 迷子になりやすいブルーではあったが、町の中で迷子になるほどてはない。目印となる物が多々あるため、人に訊ねながらジムへ向かっていった。

 そうして訪れた建物の中へ入っていく。

 屋内にはプールが設置してあり、何人もの人がポケモンと共に泳いでいた。

 

「いらっしゃい。今日はどのようなご用件ですか?」

「はい。初めてなんですけど、ジムに挑戦したくって来ました」

「どのコースに挑戦されますか?」

「コース?」

「これですよ」

 

 受付の女性が見せたコース表には、スペシャルコースからビギナーコースまで幅広くあり、コース名の下に詳細な内容が記載されていた。

 

「えーっと……」

「初めてでしたら、ビギナーコースからいかがでしょう?」

「ビギナーコース……?」

「まずは、水に慣れていただくことから始まります。その後は顔を水につけて息を止める練習です。慣れてきたら、水の中を移動する練習ですね。ここまで来れば、次のコースに移ることができます」

「挑戦っていうのはこの事ではなくて……、ジムリーダーに挑戦しに来たんですけど……」

「あら? それはここではありませんよ。同じハナダジムで間違えやすいですが、ポケモンバトルのハナダジムでしたら、ここから更に北になります」

「ありがとうございます。行ってみます」

「またの機会がありましたら、当ジムへお越しください」

 

 受け付けの人に見送られ、ブルーはジムを出ていく。

 メタモンもまさかのジム違いに驚いていた。

 

「まさか、ジム違いだったなんて……。メタちゃん知ってたでしょ……」

「ピギー!(知らないよ!)」

 

 あまりの冤罪にメタモンは抗議の声をあげる。

 ブルーはそれでも疑わしげにメタモンを見ていたが、人だかりが見えたことで、そちらへ視線を移した。

 人だかりが出来ていたのは、町の北へ向かって延びた橋の前で、橋の上には数人のトレーナーと、その橋の手前に看板が立て掛けてある。

 ブルーは興味津々に、その橋の所へ行き看板に書かれた文字を読む。

 

「ゴールデンブリッジ……? 5連続で勝ち抜けば、豪華商品!」

 

 ブルーは、橋へ視線を向けて意気揚々と進み始める。

 それまでざわついていた人たちも、その成り行きを見守っている。

 

「ここを勝ち抜けば豪華商品!」

「僕が相手だ!」

 

 ブルーの瞳には、豪華商品しか映っていないのか、ポケモンバトルを仕掛けてきた相手のことなど、ほとんど眼中になくカメールで無双し始める。

 そもそも、バトル相手が未進化ポケモンばかりな上に、トレーナーも若いということもあって、勝負はすぐについてしまっていた。

 そうして、五人目まで倒し終え、橋を渡ったところで、黒服の男が声を掛けてくる。

 

「五人抜きおめでとう」

「豪華商品は!?」

「商品はサントワーヌ号の乗船券だ」

「要らないんだけど……」

「えっ!? 乗船券だぞ!? プレミアなんだぞ!?」

「船の何が面白いのか分からないし」

「あの巨大船の魅力が分からないのか!?」

 

 船の魅力を伝えようとする男の想いがブルーには伝わることはなかった。

 

「早く豪華商品!」

「いや……あの……乗船券が豪華商品なんですが……」

 

 逆に、ブルーの気迫に負けて押され気味になる。

 

「こんな物に何の価値があるっていうのよ! 興味ない人には要らないでしょ! 豪華商品っていうのは、誰もが価値があるもののことを言うのよ!」

「───すいません……。これしか用意してません……」

「今回はこれで我慢してあげるけど、次からは気を付けるのよ」

「はい……」

 

 ブルーは無造作に乗船券をポケットに突っ込むと、道沿いに北へ向かって歩き始めた。

 

 歩き始めてしばらくすると、建物が無くなっていき、明らかに町から外れている事にブルーは気付く。

 

「んー……。ここは戻るべきかしら……メタちゃんとカメちゃんはどう思う?」

「カメー(分からない)」

「ピギー?(あれは?)」

 

 メタモンの指す方向には看板があり、そこにはマサキの研究所と書かれていた。

 ブルーはそれを読み、少し考えると再び意見を求める。

 

「一旦ここに行って、ジムの場所を聞きましょ。もしかしたら、町外れにジムがあるかもしれないし」

「カメー(はーい)」

「ピギー(それがいい)」

「賛成多数ということでしゅっぱーつ!」

 

 ブルーたちは元気よく、マサキの研究所へ向けて歩いていった。

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