ポケモン(仮)   作:ネコ

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第14話

 無事にハナダジムへ着いたブルーは、ジムリーダーであるカスミの前で、別のトレーナーとバトルをしていた。

 

「カメちゃん!」

「カメ!(任せて!)」

 

 カメールはブルーの意図を読み取り攻撃する。

 対戦者であるトレーナーも同じ水属性のトサキントであったが、ここまでに得た経験の差があまりにも如実に出ており、同じみずでっぽうで押し負けてトサキントは戦闘不能に陥っていた。

 

「ただいまの勝負ブルーの勝利です!」

『ただいまの勝負。ブルーの勝ちとなります。賞 金については口座をご確認ください。現在36戦36 勝0敗0引き分けです』

 

 審判の声と共に機械音が補足する。

 これまでの勝負で、ブルーは負け無しだった。

 

「やるじゃない、あなた」

「当たり前でしょ。バッチをサクッと集めてチャンピオンになるんだから!」

「意気込みはいいけど、それが私に通じるかしら? 出てきてヒトデマン!」

「カメちゃん頑張って!」

 

 カスミのヒトデマンに、ブルーはいつものマイペースでポケモン図鑑を当てる。

 

「その余裕がどこまで続くかしら! ヒトデマン! かたくなる!」

「デュワッ!(おう!)」

 

 ヒトデマンが固くなると同時に、カメールからみずでっぽうが飛んだ。

 

「トレーナーの指示なく動けるなんてね……。それではいつか困ることになるわよ! ヒトデマン! もう一度かたくなる!」

 

 ヒトデマンにみずでっぽうが当たったものの、同じ水属性であり効果は半減。ジムリーダーを名乗っているだけに、ヒトデマンはみずでっぽうを受けても気にせず、かたまるで防御力を上げていた。

 しかし、同じ攻防も暫く続くと、ヒトデマンはダメージが蓄積し始めたのか、フラフラしている。

 

「攻撃しないなんて、倒してくれと言ってるものよ! カメちゃんその調子!」

「甘いわね。ヒトデマン! 自己再生!」

 

 もう少しで倒せるといったところまでダメージを与えていたが、ヒトデマンは一度技を使っただけで元の元気な姿を取り戻す。

 

「それならこっちも! カメちゃん防御!」

「ふふふ。甘いわね。ヒトデマン! 10万ボルト!」

「えっ!?」

 

 ヒトデマンの10万ボルトはカメールに当たる。

 カメールは辛うじて倒れることを免れたものの、かなりのダメージを受けていた。

 基本的には自分の属性に関わるものしか技を使えないと思っていただけに、それは余計にブルーを驚かせた。

 

(メタちゃんだから出来ると思ってたけど違ったみたいね)

 

 ブルーは表情を引き締めると、カメールをボールへ戻す。

 

「せっかく次で決めてあげようと思ったのに」

「カメちゃんお疲れさま。メタちゃん出番よ!」

「何で来ても良いわよ」

 

 メタモンが変身して出てきた姿はマダツボミだった。

 それを見てカスミはブルーの事を見直す。

 

「流石に対策はしてきたようね」

「メタちゃん! やっつけちゃって!」

「それでも甘いわ! ヒトデマン! れいとうビームよ!」

 

 ヒトデマンが放ったれいとうビームは、マダツボミに当たり突き抜ける。

 カスミは勝利を確信したところで、ヒトデマンの異常に気が付いた。

 

「まさか!」

「うちのメタちゃんは強いんだから!」

 

 メタモンは影分身でやられたフリをすると、すぐさまヒトデマンに近付き、ねむりごなを使っていた。

 

「ヒトデマン! 一度離れなさい!」

「いけー!」

 

 マダツボミは厭らしく、眠りの状態異常だけでは足りないとばかりに、身体が麻痺するしびれごなも併用する。

 そうやって、ヒトデマンが動けないことを確認すると、どくのこなを掛け始めた。

 

「ヒトデマン起きて!」

「zzzZZZ」

 

 カスミの必死の呼び掛けも虚しく、ヒトデマンは毒の状態異常により、最後は倒れてしまう。

 元々体力の少ないヒトデマンでは、毒の影響は計り知れないものがあった。

 

「ごめんなさいヒトデマン……。今度は同じようには行かないわよ! お願いね! スターミー!」

 

 新たなポケモンの登場に、ブルーはポケモン図鑑を操作し、カスミはその余裕をへし折るためスターミーへ指示をとばす。

 

「スターミー! スピードスター!」

 

 スターミーはすぐに反応し、メタモンへ向けてスピードスターを連射する。

 しかし、マダツボミの方もこれに影分身で対抗した。

 

「スターミー! 敵を近づけてはダメよ!」

「デュワッ!(分かった!)」

 

 スターミーは本物や偽物など関係なく、近付いてくるマダツボミをスピードスターで撃ち抜いていく。

 そんな攻防を繰り広げていたが、先に技を止めたのはメタモンだった。

 

「どうやら、影分身をする力はなくなったみたいね」

「それはどうかしら」

「? まあいいわ。スターミー! れいとうビーム!」

 

 カスミは自信を持ってスターミーに指示を出したが、それが履行されることはない。

 不思議に思い、スターミーを見ると、頭が僅かに前後し立ったまま寝ているのが分かった。

 

「そんな!」

「やったわね!」

 

 ブルーの方からは分かり易かったが、カスミからは見えにくかっただろう。

 それは、マダツボミから伸びたつるだった。

 それがスターミーの足元まで伸びて、小さな花を咲かせていた。

 その花からは、花粉が空気中へ舞い上がっており、それが各種の状態異常をスターミーにもたらしたのだ。

 

「いつの間に……」

「油断大敵ってことね」

 

 スターミーは、カスミの呼び掛けに何度か起きたものの、痺れた身体ではねむりごなを避けることもできず、毒によってジワジワと体力を削られ倒れ伏した。

 

「ただいまの勝負ブルーの勝利です!」

『ただいまの勝負。ブルーの勝ちとなります。賞 金については口座をご確認ください。現在37戦37勝0敗0引き分けです』

 

 ブルーとカスミはそれぞれポケモンを回収する。

 

「やるわね。指示がないからてっきり、ポケモンとの信頼関係が無いと思ったわ」

「言ってからだとどうしても遅くなっちゃうから、基本的に出す技についてはポケモンに任せてるの」

「確かに、それもひとつの方法かもしれないけど、明確な指示があれば、ポケモンも自信を持って技を使えるから、悪いことばかりではないわよ」

「私はこの子たちを信じてるから」

「まあ、頑張ってね。はい、バッチ」

「ありがとう」

 

 ブルーはバッチを仕舞うと、カスミに挨拶をする。

 

「カメちゃんを休ませたいから行くわね」

「ええ。気を付けて」

 

 ブルーは3つ目のバッチで笑顔になると、ポケモンセンターに向けてハナダジムを後にした。

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