ポケモン(仮)   作:ネコ

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第15話

 無事にハナダのジムリーダーを倒したブルーは、カメールの回復後、予定通り買い物をするために銀行へ来ていた。

 

「おかしい……」

 

 ブルーは口座の残高を見て呟く。

 これまで、ただの一度も敗けはなく勝ち続けてきた。ジムリーダーも最後に口座を見てから二人も倒している。それらを考慮すると、最初の金額から考えて数十万は軽くあるはずだった。

 

「なんで数万しか増えてないのよ!」

 

 増えた金額は二万にも届かない。

 つまりは、一戦当たり千円も貰えていない計算になる。

 ブルーの考えでは、一人当たり一万は貰えると思っていたために起こった事だった。

 

「───仕方ないわ……」

 

 ブルーは悩みながら口座から増えた分を引き下ろす。

 そして、ぶつぶつと愚痴を呟きながら銀行を出た。

 増えた額が予想よりも少なかったとはいえ、約束は約束である。

 ブルーは、メタモンのために何か買おうと、カメールを連れてショップを訪れた。

 ショップには、ポケモンに関するものがズラリと並び、その他にもポケモン菓子やらポケモンのぬいぐるみが置いてある。

 それらを見てブルーは悩む。

 

「んー……」

 

 ブルーが悩むのも無理はなかった。

 メタモンに決まった形はなく、常に変身している。

 そのため、スカーフやリボンなどで飾ることもできない。しかし、お菓子ではそれだけで終わってしまい味気ない。

 ブルーにとって中々の難題だった。

 

「スカーフもダメ……はちまきもダメ……一体どうすれば……」

 

 ひとつひとつ手に取ってみるが、ブルーが納得するものを見つけることが出来なかった。

 見かねたメタモンは、仕方なくショップ内で欲しいものを指差した。

 

「えーっと。これがいいの?」

「ピギー(それで)」

 

 メタモンが指差したのは、少し高めのモンスターボールだった。

 

「えーっと。スーパーボールでいいのね?」

「ピギー(もちろん)」

 

 ブルーは腕に現れたメタモンのミニチュアに確認すると、スーパーボールの詰め合わせを持ってレジに向かう。

 

「すいません。これください」

「はい。スーパーボール10個ですね。六千円になります」

「はい」

 

 会計を済ませて、スーパーボールをリュックに入れる。

 ブルーには、メタモンが何故モンスターボールを欲しがったのか分からなかったが、満足している雰囲気を感じ取り、気持ちを切り替えた。

 

「予定よりもお金がなかったから、買い物はここまで。次の町に行きましょ。カメちゃんごめんね」

「カメー(いいよー)」

 

 ブルーはカメールの頭を撫でると、ショップを出てマップを起動した。

 

「ここからは、ぐるっと東からシオンタウンに回っていった方がいいかしら? それとも、一旦南に進んでヤマブキシティ?」

「ピギー(こっちで)」

 

 ブルーの独り言に反応したのは、メタモンだった。

 メタモンはブルーの見ている地図上を指差していく。

 

「こっちかぁ……」

 

 ブルーの表情は暗い。

 それと言うのも、行き先が山の中だからだ。

 それでも、マップにはイワヤマトンネルと記載されているので安心だろうと、行き先をシオンタウンに決める。

 

「じゃあ、ポケモンセンターで必要なものを準備したら出発ね」

「ピギー(りょうかーい)」

「カメー(はーい)」

 

 ブルーはシオンタウンへ向かうため、ポケモンセンターへと足を進めた。

 

 イワヤマトンネルを抜けるための準備を整え、ブルーはイワヤマトンネルへと入っていく。

 

「かなり暗い以前に、全く見えないじゃない……」

 

 かなり広域に届くヘッドライトを前後左右に取り付けたヘルメットを被りトンネルの奥へと入っていく。

 トンネルと言われている割りには、整備はそこまでされておらず、かなり入り組んだ構造となっていた。

 そんな構造の中で迷子になっていないのは、ひとえにマサキから貰ったナビのお陰だ。

 進むべき道を羅針盤が示し続けているため、その指示に従って進めば迷うことはない。

 そんなトンネル内であったが、トレーナーと至るところで出会っていた。

 

「余裕ね」

「くっ! 負けた!」

『ただいまの勝負。ブルーの勝ちとなります。賞 金については口座をご確認ください。現在49戦49 勝0敗0引き分けです』

 

 ブルーはカメールのみでイワヤマトンネル内を戦い続けていた。

 その甲斐もあってか、カメールはかなり逞しくなっている。

 

「おつかれさま、カメちゃん」

「カメー(やったよー)」

 

 逞しくなってはいるが、カメールの性格に変わりはない。

 ブルーはカメールと共に歩き出す。

 ブルーの少し先には、トンネルの出口である外の光が入り込んでいた。

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