ポケモン(仮)   作:ネコ

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第20話

 ゲートを越えてヤマブキシティに来たのは良かったが、ブルーはあまりの出来事に拳を握りしめ、プルプル震えている。

 

「リーダーの居ないジムになんか存在価値はないわ! ぶっ潰すわよ!」

 

 ブルーは、ジムの扉に貼られた紙を引き剥がし、小さく丸めると、壁に向かって思いっきり投げつける。

 紙に書いてあったのは、ジムリーダーがしばらく不在であるため、ジムへの挑戦は出来ないというものだった。

 

「はぁ……取り敢えず、次に近いのは「ギャッ!」───」

 

 ブルーがマップを広げて見ていると、背後から数人の悲鳴が上がり、ブルーは振り返った。ブルーの背後には、いつの間に近付いたのか、黒い服を纏った男たちが倒れている。

 

「なんか怪しい人たちね」

「ピギピギピギ!(悪即斬!)」

 

 メタモンがブルーの背後に迫った男たちを電磁波で麻痺させて、眠り粉を撒いたのだが、男たちにそれが分かるはずもなく、襲い掛かったところを返り討ちにされたのだった。

 ブルーは見るからに怪しい男たちを観察し、最近見たことを思い出す。

 

「そう言えば、シオンタウンでも同じような服を来た人たちがいたわね……」

 

 ブルーはポケモンタワーでの出来事を思い出し、通報しようとしたところで手を止めた。

 

(通報なんてしたら時間が取られるのは間違いないわ……。かと言って放置しておくのも問題のような気がするし……)

 

 しばらく悩んだ挙げ句、匿名での通報をするため、口元を布で覆い、近くの電話ボックスで緊急ボタンを押す。

 

「…………出ない」

 

 しかし、ブルーのかけた電話が繋がることはなく、最後には留守番電話に繋がった。

 

「ヤマブキジム前にて不審者が数名倒れています。特徴的な服を着ていることからロケット団と「もしもし!」───」

 

 留守番電話が急に繋がり、ブルーは押し黙った。

 

「こちらはシオンタウンのジューサーです! ロケット団について───」

 

 思わず電話を切ったブルーは、ゆっくりと電話から離れ、何も聞いてないことにした。

 

「さて、気を取り直してこのまま西のタマムシシティに行きましょ」

「ピギー(なんかイベントがあったような……)」

 

 メタモンがおぼろげに覚えているのは、何かがあったという記憶だけ。

 主要なポケモンの棲息域は、ポケモンを捕まえるために覚えていたが、イベントの会話をほとんどスキップしていたため、内容など覚えていないに等しい。

 メタモンは首を傾げながら、ピジョンに再び変身すると、ヤマブキシティを飛び立っていった。

 この時、既にロケット団にヤマブキシティが制圧されているなど、誰も予想だにしていなかった。

 

 ヤマブキシティを飛び立ち、快適な空の旅を経て、ブルーたちはタマムシシティに降り立った。

 ブルーは始めにポケモンセンターに寄ると、念のためにカメックスの回復を行う。

 

「よし! 準備万端ね!」

「カメー!(元気一杯!)」

 

 カメックスを連れて訪れたタマムシジム。

 ジムの中に入ってみると、植物園のように草木が生い茂り、花が咲き乱れている。

 ここは、水ポケモンにとって難関のひとつである草ポケモンのジムだった。

 

「いらっしゃい。挑戦者かしら?」

「はい!」

「では、こちらに───お名前は?」

「ブルーです」

 

 受け付け嬢はブルーの手持ちポケモン数と、バッチの数を確認すると、建物の奥へとブルーを案内した。

 

「最近は変なストーカーが出没してるから、私たちで一旦確認することになってるの。時間を貰ってごめんなさいね」

「ストーカーって、ジムの窓にへばりついてた人ですか?」

「まだいるの!? ごめんなさい。このまままっすぐ行けばリーダーに会えるから!」

 

 受け付け嬢は、案内を途中で放り出し、入り口に向けて走っていった。

 ブルーはそれを見送ると、ジムの奥へと進んでいく。

 ジムの奥には、簡易なテーブルが置かれ、そこでお茶を楽しんでいる集まりが見える。

 

「すいませんが、ジムリーダーはいますか?」

「私がジムリーダーですよ」

 

 着物を着た女性が立ち上がる。

 

「ジムに挑戦にきたブルーです! よろしくお願いします!」

「ブルーさんね。私はジムリーダーのエリカ。よろしくね」

 

 ブルーはエリカに近付き挨拶を交わすと、早速とばかりに横手にあるバトルフィールドへ向かった。

 

「あらあら。血気盛んなのね……」

 

 エリカは受付から送られたデータを確認すると、自らのポケモン二匹を選ぶ。

 

「私のジムに水ポケモンで……」

 

 エリカは呟くと、モンスターボールを2つ手にしてバトルフィールドへ向かっていった。

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