ポケモン(仮)   作:ネコ

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第23話

『タマムシシティのゲームセンターがロケット団の拠点となっていたことが分かりました。この拠点の壊滅に貢献した少年ですが、すぐに旅立ったとのことで───』

 

「またロケット団ね……。あいつらいったい何がしたいのかしら?」

 

 ブルーは映像を切り替えて、他に真新しい情報がないか調べていく。

 

『シオンタウンからヤマブキシティへ続く8番道路で発生した謎の突風について、研究者の間では低確率で発生───』

 

『ヤマブキシティへ続くゲートの通行不能は続いており、復旧の目処が立っていないことを現場───』

 

『12番道路では、謎の少女とポケモンバトルをしたトレーナーが、未だにトラウマを抱えており───』

 

『もうすぐサイクリングロードにてレースが開催されます。参加資格は自転車を所持している人で───』

 

『各地でロケット団によるポケモンの被害が続出しています。被害内容は、ポケモンの強奪や───』

 

『お月見山で発見された化石についてですが、古代ポケモンとして再生に成功したと、ポケモン研究所より速報が入りました』

 

 ブルーはニュースばかりのテレビを消して、ベッドに転がる。

 

「結構頑張ったわよね?」

 

 誰に言うのでもなく、ブルーは手を天井に翳しながら呟く。

 メタモンは、テレビを消されたことで残念そうに机の上で揺れていたものの、文句を言わずにブルーを見つめた。

 

「よし! この数ヵ月の成果を見せるとき! 明日はジムに挑戦!」

 

 ブルーは両手で頬を叩いて気合いを入れると、そのまま眠りについた。

 

 目が覚めたブルーは、メタモンの準備した服に着替え、カメックスとメタモンを起こすと、それぞれの体調を確認する。

 

「よく寝たわよね? どこもおかしいところはないわよね?」

「カメー(ばっちりー)」

「ピギー(いいよ)」

「では出発!」

 

 カメックスとメタモンが手を上げて返事をしたのを確認すると、ブルーはメタモンに指示を出す。

 

「いざリベンジ! メタちゃん飛ぶわよ!」

「ピギー(ラジャ)」

 

 メタモンはピジョットに変身すると、ブルーとカメックスを背に乗せてハナダシティを飛び立った。

 

 ピジョットは、途中の天候の変化を嫌い、見晴らしの良い雲の上へと上がる。

 雲を突き抜けると、眼下には雲の隙間から様々な風景が見えた。

 

「ピギー(日差しが暖かいなぁ)」

「良い眺めよね」

「カメー(高い……)」

 

 平和な空の移動をしていたところで、遠くから何かが迫ってくるのが見える。

 

「カメー(何か来たー)」

「ピギ?(どこ?)」

「カメー(左ー)」

 

 メタモンたちの左手の後方から、迫ってくるポケモンが見えた。

 そのポケモンは大きな翼を揺らしながら、まるで威嚇するように近付いてきている。

 

「ピギー?(何かよう?)」

「ギャー!(ここは俺の縄張りだぞ!)」

 

 メタモンはわざとぶつかってくる燃えるような鳥ポケモンを避ける。

 しかし、そのポケモンの行為をブルーは許すことができなかったようで、カメックスに指示を出した。

 

「カメちゃん。近付いてきたところをポンプで迎撃。メタちゃんはそれをサポート」

 

 ブルーからの指示で、2匹はすぐに動き出す。

 メタモンは、カメックスの攻撃しやすい位置に敵の鳥ポケモンを誘導し、ぶつかってきたところを、カメックスが予備動作なしのハイドロポンプで攻撃した。

 鳥ポケモンは、ギリギリで気付いたものの、ハイドロポンプを全て避けることは叶わず被弾する。

 しかし、メタモンとカメックスの攻撃はそれで終わるわけもなく、よろめいた鳥ポケモンに対して更に追撃を行った。

 

「ギャー!(いてぇ!)」

 

 喚いたところでどうしようもない。鳥ポケモンは雲を突き抜け更に下へと落ちていった。

 カメックスは攻撃を止め、落下した方を睨み、メタモンは落下していった上空で旋回する。

 

「雲の下は雨だし、ここまでにしときましょ」

 

 ブルーの言葉で、メタモンは元の飛行ルートに戻っていく。

 そうして飛行すること数時間。

 突発的なイベントはあったものの、ブルーたちは無事にタマムシシティに到着した。

 

「帰ってきたわね……」

 

 ブルーは、タマムシジムの前で昔を懐かしむように目を閉じる。

 その姿を、窓枠に張り付いていた不審な男が見ていたが、突如として男の足元に空いた穴が、その視線を強制的に中断させた。

 男の悲鳴が一瞬聞こえたが、集中しているブルーには聞こえず、暫くのあいだ、ブルーは感傷に浸る。そして、大きく深呼吸をして目を開けると、ジムに入っていった。

 

「いらっしゃい……。お久し振り? の方がいいかしらね」

「ジムリーダーに挑戦に来ました」

「では、こちらの方に記入願います」

「はい」

 

 ブルーは、以前に見たパネルへ情報を入力していく。

 その横では、受付嬢が座っており、ブルーの入力を見守っていた。

 しかし、ある項目の数値を見て思わず口に出してしまう。

 

「バトル数2517回!? しかも負けたのは……」

「記入が終わりました」

「あっはい……」

 

 受付嬢は、驚きを隠せないままブルーへ返事をすると、エリカのいるジムの奥へと案内していく。

 受付嬢が驚くのも無理はない。

 たったの数ヵ月で、ブルーのバトル数は、一般的なジムリーダーのバトル数に到達していたのだ。

 もし、その大半の日を野生のポケモン相手に費やしていたとなれば、驚くどころか畏敬の念さえ覚えるだろう。

 受付嬢はエリカの元に案内を終えると、エリカに敬礼して、逃げるようにその場を立ち去る。

 

「えーっと……。ようこそいらっしゃいました。少しお話をしませんか?」

「バトル後であれば構いません」

「…………」

 

 ブルーはそう言い終えると、前回と同様にバトルフィールドへ向かった。

 そして、震える手を落ち着けるようにボールへ手を伸ばし、ポケモンを呼び出す。

 呼び出したのは前回同様カメックス。

 呼び出されたカメックスのやる気も、ブルーと同じように昂っていた。

 エリカは諦めたようにポケモンを選ぶと、バトルフィールドへ向かう。

 

「では始めましょう」

 

 エリカが出してきたのは、前回とは違うポケモン───ウツボットだった。

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