ポケモン(仮) 作:ネコ
エリカと別れ、ブルーはクチバシテイに向かうことにしたのだが、そのクチバシテイへ向かうに当たって、ブルーは手持ちのポケモンを増やそうと考えていた。
バトルではカメックスがいれば十分であったし、メタモンがいれば大抵のことは済んでしまう。
それらの事を考えると、何か他よりも抜きん出た特性───言い替えれば個性を持ったポケモンを欲しいと考えていた。
「ポケモンを探すなら、まずは博士のところでポケモン図鑑を貰わなくちゃね」
そうして、ブルーは一時マサラタウンに戻ることにした。
タマムシシティからマサラタウンへの道は、広大で複雑な森があるものの、空を飛べば意外と近い位置にある。
ブルーはその森の上を、メタモンに乗ってマサラタウンへ向かう。
大型のピジョットに変身したためか、森に住んでいた他のポケモンたちは、上空にいるその姿を見て恐れ、みんな隠れてしまう。
そんな事を飛んでいるブルーたちが知るはずもなく通っていく。
森を騒がしくしたものの、それ以外には特筆すべきこともなく、ブルーたちはマサラタウンに帰ってきた。
「博士ー。いるー?」
勝手知ったる我が家のごとくブルーはオーキド博士の研究所に入っていく。
中にいる研究員も慣れているのか、ブルーの行動に驚くものはいない。
「全く……いつまで経ってもせわしないのわ変わりないのぉ」
「あっ、博士。ポケモン図鑑壊れたからもう一個頂戴」
「そんな簡単に言うがな。結構高価なものなんじゃぞ?」
「仕方ないでしょ。変なポケモンに壊されちゃったんだから」
「変なポケモン?」
ブルーの説明したポケモンに興味を持ったのか、オーキド博士は聞き返す。
ブルーは頷くと、メタモンに変身するよう指示を出した。
「初めて見るポケモンじゃな……」
「博士も見たことないんだ?」
オーキド博士の言葉に、他の研究員も興味を持ったのか集まってくる。
「これはどこで見たんじゃ?」
「ハナダシティから北の方にある洞窟の中で見たわ」
「そんな所に洞窟があったとは……。それにしても、ブルーはポケモンを増やす気はないのか?」
オーキド博士は、ブルーの腰に着けてあるモンスターボールに目をやる。
ベルトは、標準的なトレーナー用のベルトではなく、ブルーの服装にあったものになっており、そこに付けられた2つのモンスターボールが、丁度良いアクセントになっていた。
「そろそろポケモンを増やそうと思って、それのためにもポケモン図鑑が欲しいの」
オーキド博士は少し考えてから、奥の部屋に入っていき、モンスターボールを手に取って戻ってくるとブルーに手渡す。
「丁度良い。ブルーにはこの子をお願いしよう」
「この子は?」
「そのポケモンの名前はイーブイ。実験施設で実験を繰り返されたせいで、かなり臆病な性格をしとる。どうか、ブルーの旅に連れていって貰いたい」
「んー……。別に良いけど」
ブルーはイーブイをモンスターボールから出す。
「よろしくね」
「!?」
イーブイはモンスターボールから急に出されたことでパニックに陥り、あたふたとした後、急いで机の下に隠れてしまう。
「これはちょっと難しそうね……」
「ダメかのぉ……」
オーキド博士は残念そうに呟く。
「こう言うことは、レッドの方が得意じゃないの?」
「そのレッドから送られてきたんじゃよ。実験ポケモンとしてトラウマがあるだろうから、とな……。確かにここにはたくさんのポケモンはおるが、一向に歩み寄りがなくてのぉ。どうしたもんかと思っておったんじゃよ。やはり、研究所はあまり良いイメージはないのかのぉ」
「まあ、見た目可愛いし、私が連れていくわ。いらっしゃい」
ブルーは机の下にいるイーブイに手を向けるが来る気配はない。
仕方なくモンスターボールでイーブイを捕まえる。
「ここだと、人が多いし少ないところで話してみる」
「すまんの。変わりといってはなんじゃが、ポケモン図鑑と、シルフカンパニーの社長から貰ったものをやろう」
「ありがとう」
ブルーはポケモン図鑑を受けとると、ポケットに仕舞い、もうひとつの物を見る。
「これはなに?」
「シルフスコープと言うものらしい。視界が悪いところでも見ることが出来る優れもの───とのことじゃな」
「試してないの?」
「使う機会がなくてのぉ」
「使う機会があったら使ってみるわね」
「では頼んだぞ」
「メタちゃんいくわよ」
ブルーは研究員に対して、色々なポーズを取っているメタモンに声をかける。
メタモンは変身を解いてブルーの元に戻ると、研究員からは残念そうな声が上がった。
「ブルーもメタモンをしばらく預けてみるのはどうかの?」
「メタちゃんはずっと一緒だから無理」
ブルーはメタモンを身に纏うと研究所を出ていく。
残された研究員は暫く残念そうにしていたものの、各自の研究に戻っていった。
「あのメタモンが一番珍しいことにブルーは気付いとるのかのぉ……」
オーキド博士も呟きながら、先程のメタモンが変身したポケモンの研究をするべく、その場を離れた。