ポケモン(仮)   作:ネコ

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第26話

 イーブイはブルーの手持ちポケモンとなったものの、臆病なためか人前ではなかなか姿を表さず、隠れるばかりで関係に何の進展もない。

 そこでブルーは、一旦イーブイの事はそっとしておくことにした。

 そもそも、人に傷つけられた事がトラウマとなっているのだから、人との関わりを増やして強制的に慣れさせようとしても、更にトラウマが酷くなるだけだと感じたからだ。

 そこで、当初の目的通りジムバッジを集めに戻ることにしたのだった。

 

「次はクチバシテイね」

 

 数日過ごしたマサラタウンから東に飛び去り、海沿いを飛行していく。

 クチバシテイは海沿いにあり、この地方における海の玄関口である大きな港が、クチバシテイの観光名所の1つとなっている。

 ブルーはクチバシテイへ降り立つと、早速クチバシテイジムの情報収集に努めた。

 ポケモンセンターで回復がてらジョーイに確認し、その後は町の中でトレーナーに聞いて回る。

 そうして得た情報を元に作戦会議を始めた。

 

「さて、ジムリーダーは電気タイプということが分かったわ。というわけで、今回カメちゃんはお休みね」

「カメー(はーい)」

「今回はメタちゃんでいきます」

「ピギー(やっとか)」

 

 感慨深そうに、メタモンは呟く。

 これまで、トレーナーとのバトルを経験したことはあったが、まともにジムリーダー戦をするのは、ハナダジム以来の事だ。

 メタモンはやる気をみなぎらせると、イワークに変身した。

 

「流石メタちゃん。分かってるわね。───カメちゃんはしっかり見ておくのよ? 万が一メタちゃんが負けたらカメちゃんの番なんだからね?」

「カメー(はーい)」

 

 ブルーはクチバシテイジムに挑戦するポケモンに納得すると、カメックスに注意事項を伝える。

 カメックスは何時ものごとく、片手を挙げて理解を示すと、モンスターボールの中へ戻っていった。

 ブルーは立ち上がると、クチバシテイのジムへ向けて歩き出す。

 クチバシテイのジムには、海兵隊と思わしき服装と、それに見あった肉体をした男たちが、ポケモンと共に鍛えていた。

 ブルーはそんな男たち視線を気にする様子もなく堂々と通り抜け、ジムの中へ入る。

 ジムの奥には、ジムリーダーであるマチスの姿が見えた。

 ブルーはマチスのいるところに向けて、真っ直ぐに突き進んでいく。

 途中で違和感のようなものを感じたが、身体に異常は見当たらないため、ブルーが止まることはない。

 そんなブルーをマチスは驚いたような目で見ていた。

 

「あなたがジムリーダーね?」

「───確かに、ミーがこのジムのリーダーね」

「勝負よ!」

「オーケー。最近はジムへのチャレンジャーが少なくて退屈してたよ。ユーの名前とバトルの内容は?」

「私はブルー。ポケモンはこの子だけで戦うわ」

「オー。イッツグレート! ミーも1匹で行くよ。カモン! ライチュウ!」

 

 ブルーのイワークに変身したメタモンに対し、マチスが出したのはライチュウだった。

 相性的には、ライチュウが不利だが、ジムリーダーがそんな簡単な事を分からないはずがないと、ブルーは身を引き締めてバトルに挑む。

 

「これより、クチバジムリーダーマチスと挑戦者ブルーのバッジを賭けたバトルを行います!」

 

 審判の合図と共に両者は動き出す。

 

「メタちゃん! いわおとし!」

「ライチュウ! スピードスター!」

 

 メタモンは、自分の体を使って上空からライチュウに向かって落下し、ライチュウはそれをスピードスターで迎撃する。

 しかし、ライチュウの攻撃は特に効果を出すことが出来ず、イワークの攻撃をまともに受けてしまった。

 

「メタちゃん! すなかけ!」

「ライチュウ!」

 

 先程の一撃で、ライチュウはフラフラだが、ブルーが手加減などするはずもなく、追撃は続いた。

 

「すなあらしで閉じ込めて!」

「ランアウェイ!」

 

 すなかけで、ライチュウの視覚を封じ、巻き起こる砂の摩擦で外との連絡手段を取れなくすると共に、外へ逃れる手段を無くす。

 

「締め付けながらいやなおとよ!」

 

 そうして逃げられないところを、砂嵐ごとイワークはライチュウを締め付けると、ライチュウの耳元で嫌な音を奏で始めた。

 未だにぐったりとしているライチュウを、マチスはすぐにモンスターボールへ戻す。

 

「まだ終わってないわよ?」

「クレイジーガール。ユーの勝ちね」

 

 マチスはバッジをブルーに向けて放ると、ライチュウの入ったモンスターボールを持って、ジムの奥へと入っていった。

 

「ただいまの勝負、挑戦者ブルーの勝利です!」

 

 勝負の途中で投げ出したマチスに不満は残るものの、バッジを貰えたことで、ブルーは気を取り直す。

 

「あと一個ね! メタちゃんお疲れさま」

 

 中途半端に終わったバトルに、メタモンも不満は残るものの、元の定位置に戻る。

 ブルーは元気よく、元来た道を辿って最短距離でジムを出ていった。

 

「電気の壁があるはずなのに……」

 

 ジムにいたトレーナーは不思議そうに、ブルーの通った場所へ進む。

 

「ギャーー!!!」

 

 そして、憐れにもこのジム名物の電気の壁に触れて感電するのであった。

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