ポケモン(仮) 作:ネコ
マチスに勝利し、クチバジムバッジを得たブルーは、
次のジムに向けて、一度東へ進路をとった。
次に向かうのはセキチクシティ。
この町には何度か訪れたものの、ポケモンセンターに寄ったのみで、すぐに旅立っているため、詳しくは調べていないが、ここにもジムがあることはわかっていた。
何度も通った道を通り、海の方へ向けて進んでいく。
時折ポケモントレーナーを見かけるが、ブルーを見るなりそっぽを向いて気付かない振りをしたり、全力で逃げたりと、暫く居なかったにも関わらず、ブルーの噂が消えていないことが分かった。
「ねぇ。ポケモンバトルしない?」
「───私はただの釣り人です。トレーナーではないです。はい」
「ポケモン持ってるでしょ?」
「……許してくださいーー!!」
「もう! 意気地無しね!」
声を掛けても無駄であることを再認識させられ、ブルーは両手を腰に当てて憤る。
「誰か挑戦してくれるトレーナーはいないかしら……」
ブルーは盛大に溜め息を吐くと、再び進み始める。
陸から行けば、何人かとバトルできるかもしれないという考えは、今のところ叶う見込みはなかった。
何泊か野宿をしつつ、ブルーはセキチクシティへ到着した。
ここまでの道のりで挑戦してきたのは、何も知らない若手のトレーナー数人とブルーを負けさせてやろうと言うグループのみであり、勝負の内容についてはお粗末にすぎたせいで、ブルーのフラストレーションは溜まりまくっている。
唯一、数人で襲ってきたブルーを負けさせようとして、多対一を提案してブルーをやる気にさせたグループもいたが、カメックスに意識がいっている内にブルーを抑え込もうとしたのだろう。ブルーの背後に数人が回り込んで襲いかかったが、メタモンの鉄壁と言える守りの前に為す術なく無力化された。
この時に少し驚かされたものの、ブルーのカメックスと挑んできたグループのポケモンのレベル差が、激しく開いていたため、ハイドロポンプで横に一度だけ薙ぎ払っただけで終了してしまった。
新人トレーナーでコイキングを出された時は、一思いに冷凍ビームで氷浸けにしてしまったが……。
そんなことがあったものの、ブルーは気を取り直して町で聞き込みを行った。しかし、ブルーの思惑とは裏腹に、ジムリーダーが不在であることを知らされる。
その理由は、ヤマブキシティで大規模なロケット団による占拠事件が発生したためだった。
「はぁ……。嘆いててもしょうがないわね……。待ってても仕方ないし、行ってみましょ」
「ピギー(賛成)」
「カメー(はーい)」
メタモンの変身したピジョットに乗り、ブルーは急いでヤマブキシティへ向かった。
ヤマブキシティの上空まで来たところで、町の中の複数箇所から煙が立ち上っているのが見える。
火の手までは確認できないが、ビルから人が飛び出しているところを見るに、ビルの中で何かが起こっているのは間違いなかった。
特に煙が激しいビルでは、周囲を数体のカメックスたちが取り囲み、ビルに向かって放水している。
ブルーはビルの屋上に降り立つと、屋上のドアを力任せに開けて、中へ入っていった。
ビルの内部は煙が充満しているようで、簡単には進めない状況だったが、メタモンの能力により全てを凍らせながら宙を浮遊しつつ移動していくことにより、進むことはできた。
「大丈夫ですか?」
「……救助───君は一体?」
「火災を止めに来ました」
ブルーが話している間にも、壁伝いに凍っていった。
ブルーは男にじっとしているように伝えると、そのまま下に向けて移動していく。
そうして、一階まで見終わるとそのまま外に出る。
出た途端、外にいたジュンサーに捕まった。
「あなたはこんなところで何をしてるの! このビルは危ないから離れなさい!」
「もう中は大丈夫」
「大丈夫かどうかは私が判断します! 危険だから取り合えず離れなさい!」
ブルーの言葉など耳も貸さず、ズルズルと引っ張って強制的にビルから離される。
ジュンサーはブルーを離し終えるとすぐに戻っていき、カメックスたちに指示を出していた。
ブルーはそれを見て溜め息を漏らすと、次の煙が出ている建物に向けて移動を開始する。
早くジムリーダーと戦うために。