ポケモン(仮)   作:ネコ

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第28話

 ロケット団の起こした事件は、レッドにより解決に導かれたことが、事件後に分かった。

 それと言うのも、市民の救助を行ったとしてブルーがレッドの分も含めて表彰されることがジュンサーから聞かされたからだ。

 

「そんな訳で、レッド君はそのままどこかにいっちゃったのよ」

「だからって私が大勢の目の前に出なくちゃいけない理由が分からないんですけど……」

「解決しましたっていうのをアピールを世間に公表するのに、あなたの活躍はうってつけって訳ね」

「出たくありません」

「そこは理解してちょうだい。あなたは町の英雄になれるのよ!?」

「いりません」

「そこをなんとか!」

 

 ジュンサーのしつこさは以前と変わらず、対するブルーも頑固なままだ。

 しかし、話を進めていくことで、ブルーの希望を聞いたジュンサーから幾つかの提案を受け、ブルーはその提案内容を聞いて承諾する。

 

「じゃあ、メタちゃん頑張ってね」

「ピギ?(はっ?)」

 

 意味が理解できず、メタモンは聞き返したが返事はなかった。

 

 そうして開催された表彰式には、かなりスタイルのよい女性が台の上に上がっていく。

 すらりと伸びた美しい脚に、括れた腰回り、胸は自信の表れのように膨らんでおり、青く長い髪が、動くことで左右にゆらゆらと揺れている。

 

「それではこれより、ヤマブキシティで発生した大事件の際、救助に尽力していただいたブルーさんに感謝状を───」

 

 市長が感謝状に記載された内容を読み、目の前のブルーに似た何かに向けて手渡す。

 ブルーに似た誰かは、両手で受け取ると、それを胸の前に掲げて集まった人たちへ見せる。

 見た目としてはブルーに似ているが、ブルーとの違いはあちこちにあった。

 女性として理想のボディラインを確保しているのはいいとして、胸の大きさがまず違う。

 次にブルーは色白の方だが、ここまで肌の色は白くなく、一番の違いはその目だった。

 明らかに目がメタモンのそれなのである。

 そこを除けばブルーに見えなくもない。それほどの変わり身を実施したのはメタモンだった。

 最初、ブルーが引き受けた段階で何かあると考えていたが、まさか身代わりにされるとは、メタモンも考えていなかったのである。

 ブルーはメタモンに対して泣き落としを敢行し、メタモンはあっさりと陥落したのだった。

 そこからは、表彰式まで時間がないので急ピッチでメタモンの仕上げに入る。

 元々ブルーの身体のことなら熟知しているメタモンにとって変身することは簡単だったが、精神的に女性に変身するのが嫌だっただけだ。

 そうして、変身したメタモンに対して、ブルーは注文をつけていった。

 脚は細く。胸は大きく。目が根本的に違う。など……。

 目以外は完璧だと自負しているだけに、メタモンも文句を言うが、一度覚えた泣き落としを使われ渋々引き受ける。

 調整している間に時間はなくなり、最終的に目は諦めたものの、ブルーはどこか満足そうにしていた。

 

 退屈な表彰式を終わらせ、次はブルーへの報奨だ。

 ブルーはジュンサーとの取引で、ヤマブキジムリーダーのナツメとセキチクジムリーダーのキョウ、その両方とバトル出来るように調整を頼んだのである。

 場所はヤマブキジム。

 ブルーの目の前には、二人のジムリーダーが並んでいた。

 

「本当に連戦するの?」

「はい。本当はダブルバトルが良かったんですけど、メタちゃんの機嫌が悪くって……」

「……まあいいわ。それで? どちらからするのか希望はあるのかしら?」

「セキチクジムリーダーからお願いします」

「某か……」

 

 バトルフィールドへキョウが進み出る。

 そんなキョウに、後ろからナツメが警告をした。

 

「キョウさん。ブルーさんの対戦成績は異常です。それに、私の力でも内心を読み取ることができません」

「意外だな……」

「それほどの使い手と言うことです」

「了解した」

 

 キョウは後ろを振り返ることなく、腰からモンスターボールを取り出し、ポケモンを呼び出す。

 

「出てこい、ゴルバット」

「カメちゃん頑張って!」

 

 対するブルーもカメックスを呼び出した。

 両者のポケモンが出揃ったところで審判の合図と共に、動き出す。

 

「カメちゃん! ビームを拡散!」

「ゴルバット! どくどく!」

 

 カメックスは背中の砲台からゴルバットのいる広い範囲へれいとうビームを放つ。

 ゴルバットは口から黒い液体をカメックスへ吐きかけた。

 ゴルバットの吐いた液体は、カメックスのれいとうビームで徐々に凍っていき、カメックスに到着する頃にはただの氷のつぶてになっていた。

 カメックスのれいとうビームはと言うと、拡散して威力が落ちた上に、ゴルバットの速度を捉えきれず、まともにダメージは入っていない。

 

「ゴルバット! あやしいひかり!」

「カメちゃん今よ!」

 

 ゴルバットがあやしいひかりをカメックスに放つため、止まった僅かな隙を見逃さず、ブルーは指示を出す。

 カメックスのれいとうビームは、それまでの速度が嘘のように、ゴルバットへぶつかり、凍りつかせた。

 

「やったわね!」

 

 戦闘不能になったゴルバットを見て、ブルーは喜びカメックスへ声をかけるが、カメックスはふらふらとしたまま、返事をしなかった。

 

「カメちゃん?」

「カーメー(目が回るー)」

 

 カメックスはゴルバットのあやしいひかりを受けて混乱状態に陥っていたが、その回復をキョウは待たずに次のポケモンを出す。

 

「出てこいマタドガス!」

 

 無情にも、カメックスが混乱したまま次の戦闘が始まった。

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