ポケモン(仮)   作:ネコ

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第29話

 混乱状態のカメックスに対し、キョウが取った行動は再びどくどくの攻撃だった。

 混乱して行動のできないカメックスに、今度は避ける事も出来ずどくどくが当たる。

 

「マタドガス! えんまく!」

「カメちゃん! ポンプよ!」

 

 マタドガスは自らの回りにガスを振り撒き、自らの姿を隠していく。

 カメックスは混乱が解けないまま、自分の足元にハイドロポンプを撃ち込み、その圧力で上空へ投げ出された。

 カメックスは、訳が分からない浮遊感のため更に混乱する。

 しかし、混乱の中にあっても次の指示だけは分かった。

 

「カメちゃん! まもる!」

 

 特に攻撃を受けているわけではなかったが、カメックスは甲羅に身体を引っ込めて、完全防御の姿勢にはいった。

 

「マタドガス! ちいさくなる!」

 

 キョウは、ブルーたちが攻撃しないのを良いことに、マタドガスの守りを高めていく。

 その間にも、ブルーはカメックスに声を掛け続けた結果、混乱は収まった。

 

「体調不良に加えて、相手は見にくいか……。カメちゃん戻って」

 

 混乱は解けたものの、カメックスの体力は残り僅か。

 ブルーは祈るようにメタモンへ声を掛けた。

 

「(お願いメタちゃん。負けたくないの)」

 

 それでもメタモンからの返事はない。

 

「(後で何でも言うこと聞いてあげるから)」

「!?」

 

 このブルーの言葉により、メタモンがバタフリーに変身した姿で現れる。ブルーはメタモンが出てきたことで安堵の溜め息を漏らした。

 

「頑張ってメタちゃん!」

 

 メタモンへの指示は特になく、ブルーは指示に代わって声援を送る。

 メタモンは出てきてからずっと、異常なやる気を見せ続け、その勢いのまま、フィールド全体に状態異常の粉をばら巻き始めた。

 マタドガスは小さくなって当たりにくくなっているとはいえ、フィールド全体への攻撃を避けることはできず、麻痺した上に毒状態で地面に落ちる。

 その後、止めとばかりにサイコキネシスで地面に対し圧縮を掛けると、マタドガスが目を回しながら元の大きさに戻った。

 

「某の負けだな」

「次をお願いします!」

 

 キョウは下がり、ナツメが前に出る。

 

「マタドガスは耐久力を鍛えていた。その防御を無視して一撃でやるほどの力だ。注意が必要だろう」

「エスパー対決では負けません」

 

 擦れ違い様に短く言葉を交わし、ナツメはボックスに立つ。

 

「回復は要らないのね?」

「今のメタちゃんに敗けはありませんし、カメちゃんにはどくけしを使ってありますから大丈夫です」

「その自信がどこまで続くかしら。フーディン出番よ!」

 

 フーディンがバトルフィールドへ出てきたところで、次の試合が始まる。

 双方が同時にサイコキネシスを放つ。

 結果は、一方が簡単に力負けをしてしまうほどの力の差があり、一撃でフーディンは戦闘不能に陥った。

 

「なっ!?」

「流石メタちゃん!」

 

 相性など無視した攻撃力に、ナツメは驚いたものの、フーディンをモンスターボールに戻し、次のポケモンを出す。

 

「ヤドラン! やるわよ!」

 

 ナツメの2体目は、背中に大きな貝を背負ったポケモンだった。

 ヤドランは現れると同時に、バタフリーをじっと見つめる。

 

「ヤドラン! どわすれ!」

 

 ヤドランはナツメの指示に対して首を傾げる。

 そんなヤドランに対して、バタフリーはその場で羽ばたき続ける。

 

「ヤドラン! もう一度どわ───」

 

 ナツメがヤドランに次の指示を出そうとしたところで、バタフリーから光の太い線が延びる。

 その光は一瞬でヤドランに届くと、光の当たった場所は火傷の状態になり、ヤドランはそのまま気絶した。

 

「…………」

「メタちゃんやったわね!」

「ピギー!(勝利!)」

 

 ブルーがバタフリーに抱きつくと同時に、その姿は消え去り、勝利の余韻に浸っていたブルーが突然悶え始める。

 

「えっ!? まさか!? やめてーー!!」

 

 ブルーは急いでその場を立ち去り、残された面々は呆気に取られていた。

 

「騒がしい奴だな」

「私とのバトル中は、ただ勝利を願っている普通の女の子でした」

「読めたのか?」

「ええ。最後はまた分からなくなりましたが……」

「なんとも不思議な奴だな」

「それには同感です」

 

 ナツメとキョウはそんなことを話しながら、ブルーの出ていった扉を見つめていた。

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