ポケモン(仮)   作:ネコ

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第31話

 旅を再開したものの、ブルーとメタモンとの間には微妙な距離感があった。

 メタモンが近付くとブルーは離れ、メタモンが遠退くと、ブルーが近付いてくる。

 メタモンが急に近付くと、カメックスを呼び出して接触しないようにしていた。

 

「カメー?(仲直りはー?)」

「ピギピギー(仲直りって言ってもなぁ)」

 

 メタモンは困ったように頭をかく。

 現在のメタモンの姿は、既に人の姿ではなく、元のポケモンの姿になっていた。

 しかし、この姿に戻ろうとも、多少ブルーの警戒範囲が狭まっただけで、ブルーに触れることは拒否されている。

 そのため、メタモンはブルーの後ろをスライムの姿でついていっていた。

 

 ブルーたちがいるのは、セキチクシティ。

 ここで海へ出るための準備をしている。

 持ち物はそう多くはなく、日傘に携帯食料とタオルだけだ。

 

「カメー(いくよー)」

 

 海にカメックスが飛び込み浮かぶと、ブルーが乗ったのを確認して、そのまま進み始める。

 メタモンはというと、カメックスには乗せてもらえず、カメックスの横でラプラスに変身し、カメックスよりも乗り心地が良いことをアピールしながら進んでいた。

 しかし、ブルーは日傘を射したまま顔を隠し、メタモンの方を見ようとはしない。

 メタモンはアピールを止めると、ドククラゲに変身し、触手をカメックスの砲台に巻き付けて、引かれるままに漂い始める。

 季節は冬に近いとはいえ、未だに日は照っており、ちらほらと海で泳ぐ人の姿も見えた。

 

 

 

 ブルーたちは、特に何のイベントもなく、幾つかの島を経由しながら、カントー地方最後のジムがあるグレンタウンに向かっていた。

 その島の1つで、今日もメタモンは活動を続ける。

 

「カメー?(また行くの?)」

「ピギピギ(今日こそは当たりの気がする)」

 

 メタモンはブルーが寝静まったのを確認すると、島の探索に出掛けた。

 これまでも経由してきた島は一通り見てみたが、メタモンの想像しているものは見つかっていない。

 それでも、メタモンは諦めずに探し続ける。

 ピカチュウの姿になり、フラッシュを使いながら電光石火で駆け抜ける。

 その背中には、ブルーのリュックが背負われていた。

 そうやって探し始めて数時間。

 やっとのことで、目的の洞窟を見つけた。

 

「ピギー(長かったぁ)」

 

 一息ついて洞窟の中へ入っていく。

 洞窟の中は、先に冬が来たような冷気が漂っており、所々床が凍りついている。

 メタモンは、時間が惜しいとばかりに、そんな中でも電光石火を使い、探索していった。

 途中で出会ったポケモンは記憶し、奥へ奥へと進んでいく。

 そして、メタモンが望んだ鳥ポケモンが、洞窟の最奥に鎮座していた。

 

「ピギ!(見つけた!)」

「……」

 

 メタモンの声で、それまで目を瞑っていた鳥ポケモンは目を醒まし、ピカチュウに変身したメタモンを見る。

 メタモンは、リュックをがさごそと探ると、モンスターボールを取り出した。

 

「ピギ?(入ってくれないか?)」

「ピューイ(いや)」

「ピギー?(どうしても?)」

「ピューイ(嫌に決まってる)」

「ピギ(仕方ないな)」

 

 メタモンは、まるで最初から回答が分かっていたように、準備していたでんじはを鳥ポケモンに向けていくつも放つ。

 前後左右からのでんじはに、鳥ポケモンは逃げることもできずいくつもの電磁波をその身体に受けた。

 そして、身体が麻痺した鳥ポケモンへ、メタモンは再び確認する。

 

「ピギ?(入らないか?)」

「ピュ……イ(いや……だ)」

 

 身体全体が麻痺した状態であっても、鳥ポケモンは拒否を言い続ける。

 メタモンが次に取ったのは、鳥ポケモンを毒状態にすることだった。

 そこで、再びメタモンが声を掛けようとしたところで、鳥ポケモンから話し掛けてくる。

 

「ピューイ。ピューイ(負けじゃな。大人しく捕まろう)」

「ピギピギ(他の奴等とは違うな)」

 

 殊勝な心掛けな鳥ポケモンに、メタモンは満足そうに頷くと、ボールで捕まえて、急いで外に向かう。

 

 夜中のうちに戻ってきたメタモンは、テントの中にリュックを仕舞うと、外で朝になるまで眠りながら過ごした。

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