ポケモン(仮)   作:ネコ

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第32話

 ブルーが起床してテントから出ると、メタモンがプルプルと震えながら、ひとつのモンスターボールをブルーに見えるよう掲げて見せる。

 ブルーは少し考えたあと、メタモンからモンスターボールを受け取ると、中にポケモンがいることを感じ取り、外に出すべくモンスターボールのボタンを押す。

 中から出てきたのは冷気を漂わせる鳥ポケモンだった。

 ブルーは溜め息を漏らしながら、ポケモン図鑑で鳥ポケモンの名前を見る。

 

「フリーザーね……」

 

 表示された説明を読み、ブルーは再度溜め息を漏らす。

 そして、メタモンに向き直った。

 

「あのねメタちゃん。伝説のポケモンだか知らないけど、私のために捕まえてきてくれたのは嬉しいわ。だけど、私にはカメちゃんやイーちゃんもいるし、ましてやメタちゃんがいるのよ? だから、気持ちは嬉しいんだけど、逃がしてあげるわね。ごめんなさい」

 

 ブルーは、フリーザーに向き直って謝ると、モンスターボールを解除して、フリーザーを解き放つ。

 自由になったフリーザーは一声鳴くと、そのまま明るくなり始めた空に飛び立っていった。

 ブルーはフリーザーが見えなくなるまで手を振り終えると、明らかに元気のないメタモンに近付いて声をかける。

 

「くよくよしないの! 男の子でしょ!」

 

 ブルーはメタモンを抱き上げて、ギュッと抱き締めた。

 メタモンはその行動に驚いたものの、ブルーの為すがままにされ続ける。

 

「もう変なことはしちゃダメよ?」

「ピギ……(はい……)」

「じゃあ仲直りしましょ。約束破ったらずっと女の子として生ーきる。指切った」

「!?」

 

 強制的に交わされた内容に、メタモンは顔を振って拒否を示すが、ブルーはうんうんと勝手に納得して頷くと、メタモンをポンポンと叩き背伸びをする。

 そして、カメックスを起こすと、もう一体のポケモンであるイーブイを出すと、抱き上げてメタモンに渡した。

 

「メタちゃんは、今日からイーちゃんのお世話係ね」

 

 イーブイは急に起こされ、更にブルーに抱えられて怯えていたものの、メタモンの上に乗せられると、安心したように再び眠りにつく。

 メタモンは、頭にイーブイを乗せたまま、ゆらゆらとブルーに対して抗議するが、どこかその行動は弱々しかった。

 その後は、カメックスの背にブルー。

 メタモンの背にイーブイが乗ってグレンタウンに向かう。

 ブルーは暢気に鼻唄を奏でながら、飲み物を片手にリラックスしている。

 

「あれが、グレンタウンね」

 

 視界に映り始めた島の上に立ち並ぶ建物をみながらブルーが呟く。

 

 上陸した島には建物が点在しており、その中央にはポケモンセンターが、全体を見渡せる位置に建っていた。

 ブルーはポケモンたちを回復させると、グレンタウンのジムについて聞き込みを行い、今回のジムリーダー戦の勝利を確信した。

 

「まさか、最後の最後で炎タイプだなんてついてる。カメちゃんで負けることなんて有り得ないわね」

「ピギー(油断大敵)」

「分かってるわよ。気を付けるのは、火傷なんかの状態異常くらいかしら? ───分かった? カメちゃん」

「カメー(分かったー)」

 

 カメックスの片手を挙げた返事を確認して、ブルーはジムの中へ入っていく。

 

 そして、数分後に出てくると、無事にジムバッジをゲットしていた。

 

「予想通りに炎タイプね。初めがポニータからで、次がギャロップ。終わればブーバーにキュウコン、更にはウインデイ。一番強かったのはリザードンかしら?」

「ピギー(敵が可哀想だった)」

 

 最後のジム戦だけあって、ポケモンバトルは初めて6対6となった。

 しかしながら、ブルーが持っているのは3体のみ。

 そのため、6対3を余儀なくされたのだが、結局ブルーはカメックスのみでジムリーダーのポケモンを下したのだった。

 ジムバッジを手渡されたときに、ジムリーダーからは、「もう君は、私を相手にすることはないだろう」と、炎タイプに対してすべき事は何もないと言わしめたほどである。

 それでもブルーは特訓と称したバトルを何度か行い、ジムリーダーのカツラが、歳を理由にやめてくれと言ってくるまで続け、カメックスとメタモンを鍛えていった。

 

「カントー地方の大会は春先だから、この冬はマサラタウンで特訓よ!」

 

 ブルーたちは、ジムリーダー戦を終えるとポケモンセンターで一泊し、実家のマサラタウンに帰るため、お土産を買いにグレンタウンの町を廻り始める。

 グレンタウンでは、露天などが数多く出ており、その内の1つでブルーは足を止める。

 

「これは何の販売?」

「お? お嬢ちゃん見るのは初めてかい? こいつは、コイキングと言って魚の王さま的なポケモンさ」

「ふーん……。強いの?」

「それはお嬢ちゃんの育て方次第だね」

「んー……」

 

 ブルーは少し考え込んで、ポケモンの値段を見る。

 コイキングの値段は5千円。

 普通なら買うことはないが、このコイキングは普通のコイキングとは色が違った。金色だ。

 露店商の説明は信じられるものではなかったが、色の違うポケモンには不思議な魅力がある。

 露店商は、ブルーが購入するか値段で迷っていることを悟ると、更に値下げをしてきた。

 

「今なら千円にしてあげよう。どうする?」

「千円なら買うわ」

「まいどありー」

 

 ブルーはコイキングの入ったモンスターボールを受け取ると、じっくりと見るためコイキングを外に出す。

 コイキングはブルーの目の前でジタバタと跳ね始めた。

 それにより、コイキングに塗られた色が剥がれ始める。

 

「…………」

 

 ブルーは露店商に文句を言おうと振り返ったが、既に露店商の姿はない。

 いつもであれば、真っ先に動くメタモンはというと、コイキングを近くでじっとコイキングを見つめていた。

 

「ピギピギー(こいつほんとの色違いだ)」

 

 コイキングの金メッキが剥がれた下には、普通の色ではなく青色の鱗が見えていた。

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