ポケモン(仮)   作:ネコ

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第34話

 新年を迎えて、ブルーは日の出を拝むためにお月見山に来ていた。

 

「今年も良い年でありますように」

 

 日の出に向けて両手をあわせ、願いを込めながら拝む。

 ブルーに連れ出された面々は、まだ朝早いこともあって眠そうに転がっている。

 

「最近在り来たりな訓練しかしてなかったし、カメちゃんなんて特に弛んでいるようね」

「カメッ!?(えっ!?)」

 

 参拝を終えたブルーから、いきなり話を振られたカメックスは、急いで身体を起こし、気合いが入っていることをアピールするが、ブルーの考えが変わることはなかった。

 

「ここなら、他の人は来ないし、多少破壊しても大丈夫よ。思いっきりやりなさい」

「カメー(そんなー)」

「言い訳無用! さあ、メタちゃんとの模擬戦よ!」

 

 カメックスの嫌がる理由とは、まさにメタモンとの模擬戦だった。

 これまで、カメックスはメタモンに1度も勝ったことがないどころか、良い勝負になったこともない。

 大人と子供ほどの差があり、カメックスばかりバトルしていたにも関わらず、その差が縮まるどころか開く一方のようにカメックスは感じていた。

 

『お手柔らかに……』

『頑張れ。俺も眠い』

 

 カメックスは、始めの合図を待たずして開幕に破壊光線を放つ。

 メタモンは慣れた動作で、その破壊光線を口から破壊光線を放つことで相殺した。

 

『勝てる気しない……』

『来ないならこっちから攻撃するぞ?』

『攻撃を受けるのは嫌!』

 

 カメックスは少しでも、自分への攻撃を減らそうと、背中についている二つの砲台のひとつからはハイドロポンプを、もうひとつからはれいとうビームを撃ってメタモンを攻撃するが、その2つをメタモンは光の壁で弾き返す。

 普通ならば、威力を弱めるはずの光の壁だが、あまりの力の差にカメックスの技は、メタモンに当たることすらなく光の壁に阻まれたのである。

 自分の技が相手に対して全く効果がない時の絶望は計り知れない。

 そのため、カメックスが取った戦法は、甲羅に籠ってまもる事だけだった。

 

『まもるを使ったところで、無駄無駄ー!』

『もう許してーー!!』

 

 メタモンが攻撃になったことで、テンションが次第に上がっていく。そんな光景を見て、カメックスのことはメタモンに任せると、ブルーはイーブイとコイキングの特訓を始めた。

 

「いい? イーちゃんも戦う力は必要なの。守ってくれる存在がいつも一緒にいるとは限らないでしょ?」

 

 イーブイは不安そうにメタモンの方を見る。そして、ブルーに無理であるということをアピールするため、怯えたように首を振って見せた。

 

「流石に、あそこまで慣れとは言わないけど、逃げるくらいの力はないとね。まずは、コイちゃんに勝つことから始めましょう」

 

 ブルーはメタモンたちを見て諭すようにイーブイへ語りかける。

 こうして、ブルーの手持ちポケモンたちの特訓は新年初日から始まった。

 

 

 

 特訓を始めてからは、前回において、カメックスを鍛えたルートを辿っていく。

 この数ヵ月で、イーブイとコイキングは力を増した。

 イーブイは、極限まで追い込まれると3タイプのポケモンに進化して対応し、それぞれで性格も変化するまでに至っていた。

 これは、イーブイが過去に、研究所の進化実験に実験体として強制された副作用であり、いつもはノーマル状態のイーブイの姿を取っている。

 一方で、コイキングは弱々しい見た目が綺麗さっぱり無くなり、強面のギャラドスへと進化を遂げていた。

 その際に体の色がどうなったかと言うと、元の青色は無くなり、何故か一般的なコイキングの色である赤色へと姿を変えている。

 性格は大人しかったコイキングの時とは違い、獰猛で攻撃的な性格をしており、ブルーの指示には従うものの、それ以外の時には、バトルを勝手に仕掛けていくほどだ。

 ブルーの手持ちのポケモンでバトルを仕掛ける相手と言うのがイーブイではあるのだが、イーブイはメタモンの陰に隠れてしまうため、ギャラドスは諦めていつもカメックスに挑戦しては返り討ちにあっている。

 ここで、ギャラドスがメタモンに向かわない理由をブルーが訊ねたのだが、本人が理解していないことから、野生の本能か何かなのだろうと、ブルーは納得している。

 そんなギャラドスは、現在、周囲にたくさんいるポケモンたちへ挑んでは返り討ちにあっている真っ最中だった。

 周囲にいるのは、ピカチュウから始まり、コイルやレアコイルなどの電気タイプのポケモンばかり。

 ギャラドスのバトル相手としては、かなりの不利な相手だった。

 キャラドスは最初こそ猪突猛進して攻撃を受けて倒されていたが、今では敵の攻撃を避けることを覚え、遠距離で攻撃することも覚え始めている。

 

「やっと形になってきたわね。───はいこれ」

 

 ブルーは、野生のポケモンたちにポケモンフーズを配りながら、ギャラドス対コイル3体のバトルを観戦していた。

 その隣ではカメックスが、疲れ果てたように寝そべっている。

 

「やる気のある子は中々いないわね……」

 

 ブルーは周囲のボケモンたちを見渡しながら、誰にともなく呟く。

 ブルーが探しているのは、ポケモンリーグに挑戦するためのポケモンだった。

 ポケモンリーグへ挑戦するための条件として、ポケモンを6体所持していることが条件になっていたのだ。

 これが後になって分かった理由としては、一般的に少ないボケモンで勝負する人などおらず、ほぼ忘れ去られていたルールだったからだ。

 これは訓練の途中で、ポケモンリーグへ挑戦するために、ポケモン協会で登録手続きをしたことで判明した事実だった。

 

 考え事をしている中で、コイルたちは、ギャラドスに苦戦し始める。

 そのままギャラドスが押し切るのかと見学していると、コイルたちが集まって光輝き、バトル中にレアコイルへと進化した。

 進化したレアコイルの攻撃は、これまでの攻撃とはかけ離れたほどに威力や精度が跳ね上がっている。

 勝負はレアコイルが一瞬にしてつけた。

 電磁波をギャラドスが逃げるのを塞ぐように複数バラ蒔き、広範囲に10万ボルトを放つ。

 ギャラドスは、少しだけ耐えたものの、力尽きてそのまま地面に落ちた。

 ブルーは、きずぐすりをギャラドスに使いながら、レアコイルに話し掛ける。

 

「進化おめでとう。お話があるんだけと良い?」

 

 ブルーはコイルに声をかけた。コイルは不思議そうにブルーを見ると、ゆらゆらと揺れて話の続きを促す。

 

「どう? いろんな場所に行って、他のポケモンとバトルしてみない?」

「ギー(いいよ)」

 

 無人発電所には、他にもレベルの高いポケモンはいたが、バトルに対してのやる気は以前ほどなかった。

 それというのも、かなり強くなったために、他のポケモンから害されることもなくなり、平和に暮らせるようになったからだ。

 それでも極稀ではあるが、目の前のレアコイルのようにバトルを好んでいるもポケモンもいる。

 ブルーはその点を気に入り、レアコイルを誘ったのである。

 

「そうと決まれば、このボールに入ってね」

 

 差し出されたボールのスイッチを押して、レアコイルをモンスターボールへ誘導する。

 レアコイルは、特に暴れることもなくモンスターボールに入っていった。

 

「これで後1体ね!」

 

 ブルーのポケモンリーグへ参加するための条件は、残すところ後1体となった。

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