ポケモン(仮)   作:ネコ

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第36話

 最後のポケモンをゲットしたものの、ポケモンリーグまで日はなく、まともに育てる時間はなかった。

 そのため、出場ポケモンの登録を済ませたブルーは、技マシンとラッキーの元々出来る技で対応することに決めた。

 

「後は、ラッちゃんのやる気に期待ね」

 

 ブルーは、ラッキーの身体をぽふぽふと叩いてみせ、他のポケモンを見る。

 

「さあ、行くわよ!」

 

 ブルーは、ポケモンリーグへの至る道を歩き始めた。

 

 ポケモンリーグへ行くには、幾つかの道順がある。

 ブルーはそのひとつである、トキワシテイから分岐しているその道を進むことに決めた。

 交通機関を使用すれば簡単に到着してしまえるのだが、それでは味気無い。

 それに、少しでもラッキーの経験値を道中で上げたいという思惑もあった。

 

「結構強かったわね」

 

 ポケモンリーグへと至る道には、これまで戦っていたトレーナーよりも強いトレーナーたちが、まるで待ち伏せするかのように、 至るところに存在していた。

 それらを倒していっているのだが、如何せんラッキーのレベルが低いため、最初の一撃で倒されてしまうことが多かった。

 

「ラッちゃん。もう丸まって防御するのは止めましょう。それに、おうふくビンタも相手に対してあんまり効果はないみたい」

「ラッキー……(どうしたらいいの……)」

 

 ラッキーが悲しそうにブルーを見つめる。

 そこへ、今まで静観していたメタモンが、イーブイを頭に乗せながら人の姿を取り声をかける。

 

「ラッキーなんだから、特殊回避型でいいだろ」

「何それ?」

「どんな攻撃も当たらなければどうと言うことはないって誰かが言ってたんだよ」

「確かに、当たらなければ倒されないけど、ラッちゃんは攻撃力ないわよ?」

「攻撃など飾りだと言うことを教えてやれば良い。この技マシンで」

 

 メタモンに手渡された技マシンを見て、ブルーはジムリーダー戦を思い出す。

 

「ジムリーダーに貰っただろ。それを使えば、なんとかなるさ」

「倒す方法は良いとしても、カメちゃんみたいに範囲全体を攻撃するポケモンだとどうしようもないわよ?」

「そうなんだよなぁ……。普通は当たらないんだが……。技も応用が利くし、そこは気合い避けで何とかするしかないな」

「また無茶を言って……」

「俺は提案しただけだしな。そもそも、俺だけでポケモンリーグは制覇できるだろ」

「せっかくだし、全員出してあげたいのよ」

「そこは任せるさ」

 

 メタモンの人形態では、寝心地が悪いのだろう。

 イーブイが抗議するように、メタモンの顔を肉球部分で叩いてきた。

 メタモンは溜め息を漏らすと、元のメタモンの姿に戻る。

 

「やり方は、あのジムリーダーが基本よね……。よし! やってみましょ!」

 

 こうして、ラッキーの戦闘方針が決定した。

 

 

 

 ポケモンリーグへの歩きで、最難関であると言われる山道にある洞窟では、これまでとは異なり、奇襲を仕掛けてくるトレーナーがいた。

 そいつらは、揃って黒い服を来ており、シャツの胸元にはRのマークが入っている。

 

「トレーナーなら堂々とバトルしてくれば良いのに、何を考えてるのかしら?」

 

 メタモンの攻撃により、麻痺した上で眠らされた相手は、これまでにも数人いた。

 その中の誰もが同じ服を着ており、ブルーはその服装の趣味の悪さを、憐れみを込めた眼差しで見つめる。

 そうして奥へ進んでいくと、黒服の男たちがあるポケモンを取り囲んでいた。

 その表情には緊迫したものがあり、少しでも油断しないようポケモンから目を離さずにいる。

 

「これでやっと戻れる!」

「この特殊個体を見つけるのに約一年……長かった……」

「絶対捕まえるぞ!」

 

 男たちは、ポケモンを使ってじわじわと目当てのポケモンを弱らせていく。

 ブルーはその光景を感心したように見ていた。

 

「ポケモンを捕獲するのって、数人掛かりでもよかったのね」

「誰だ!?」

 

 ブルーの言葉が聞こえたのか、数人の男が振り向く。

 しかし、その行動が致命的な隙となった。

 4本の腕を振るい、拘束していたロープを引きちぎると、近くにあった岩を男たちへ投げつけたのである。

 男たちはロープが千切れたことで、あわてふためき、成す術なく岩の餌食となっていく。

 4本腕のポケモンは、ブルーをひと睨みしたものの、敵意がないことを悟ったのか、そのまま洞窟の奥へと去っていった。

 

「あー……。なんか悪いことしちゃったわね」

「こいつらロケット団なんだから気にするな」

「えっ!? メタちゃん分かるの!?」

「むしろ何で分からないんだよ……」

 

 メタモンは呆れたように、ブルーを見ると、ひとりのロケット団を掴みあげる。

 

「このマークが目印な」

「そうだったのね。それにしても、こんなところでポケモンを捕まえて何をしているのかしら?」

 

 不思議そうに首を傾げ、メタモンも同様に分からず、考え込んだ。

 しかし、いくら考えてもわかるはずもなく、当のロケット団は気絶していることから、ブルーたちは放っておくことした。

 

 洞窟を抜け出た先は、待ち焦がれていたポケモンリーグの行われるスタジアムが見えた。

 ブルーは呼吸を整えて前に進む。

 スタジアムの中は、右手にポケモンセンター、左手にポケモンショップが併設されており、トレーナーばかりではなく一般人も多く混ざっている。

 ブルーはポケモンセンターでポケモンたちの回復を行うと、ポケモンショップへ向かった。

 

「…………」

 

 ポケモンショップに並ぶ商品は、ポケモンリーグが行われる場所だけあって、効果が高いものが多く、その分値段も高いものばかりだった。

 ブルーは商品を手に取り効果を確認しながら、並べられた商品を物色していく。

 そうして時間を潰し、一度ホール内を見渡したあと、選手に与えられた個室へと入っていった。

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