ポケモン(仮)   作:ネコ

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第37話

 与えられた部屋で、ブルーはポケモンリーグの詳細が書かれた冊子を手に取り目を通していく。

 その目はある項目に止まると大きく開かれ、再度確認するように睨み付けながら見始める。

 そして、その項目が間違いでないことを確認すると、冊子を床に叩きつけて踏み始めた。

 

「このっ! このっ!」

 

 ブルーの奇行に、メタモンが声をかける。

 

「どうしたんだ?」

「何で今回からルールの変更なんてするのよ!」

「はっ?」

 

 メタモンは、ブルーの読んでいた冊子をブルーが足を上げた瞬間に拾うと、中身へ目を通す。

 その中で目についたのは、今年からの変更点だった。

 

「6対6の勝ち抜きではなく、1対1のバトル形式とし、勝ち星の多い方を勝者とする……。なお、1度出場したポケモンは、その試合における2度目の出場を禁止する……。また、勝ち星が同数の場合は、勝利したポケモンにて、3戦行うだと……!?」

 

 この変更点により、メタモン単独でのリーグ制覇は夢に消えた。

 忌々しげにメタモンは、他にも不利になる変更点がないか確認していく。

 

「試合中のアイテム使用は禁止。つまり、サドンデスも体力が減った状態からやらなければならないということか……」

「誰がこんなこと考えたのよ!」

 

 ブルーの憤りにメタモンは賛同し、誰が関わったのか確認していく。

 変更した理由についてはすぐに見つかった。

 

「おい」

「何よ」

「ポケモン協会にポケモンリーグについて、ブルーからなにか言ってないよな?」

「私が? 文句なら言いたいほどあるけど、そんなに言う機会なんて……あっ」

 

 ブルーは、冊子の内容を読んで心当たりがあったのか、口をつぐむ。

 

「あるポケモントレーナーが6対6の制度は形骸化しているから止めるよう言ったそうだ」

「…………」

「しかも、自分のポケモンであれば半数でリーグ制覇できるとまで言い放ったそうだぞ」

「…………」

「誰のせいなんだろうな?」

「ポケモン協会が悪い!」

「お前のせいだよ!」

 

 ブルーはこの後、メタモンと一緒にリーグ開催まで少しでもレベルを上げようと特訓することになった。

 

 

 

 ポケモンリーグ初日。

 開会式が行われた後に、選手のトーナメントの組み合わせが発表される。

 ただ、前回のベスト4までの選手たちは、バラバラの組み合わせにはなっていた。

 その中で、ブルーが準決勝までに当たるのは格闘王と名高いシバ。

 ここ数年で更に力を増していき、今では前回チャンピオンにも迫るとの噂もある。

 シバのポケモンたちは、格闘ポケモンで占められ、あらゆるタイプに対応できるよう修行をしているとのことだった。

 

「誰から行こうかしら?」

「経験を積ませるなら、俺とカメを除いた内からいくしかないな」

「前回のベスト4に当たるまではそうしましょ」

 

 あっさりと順番を決めて試合に挑む。

 ブルーの一回戦の相手は、エリートトレーナーだった。

 しかし、エリートトレーナーと言っても、隔絶した実力を持っているわけもなく、後から加入した4体のポケモンで勝負が決まってしまい、カメックスやメタモンに順番が回ってくることはない。

 2戦目も同様に終えたところで、次の対戦相手を確認する。

 

「とうとう来たわね」

 

 ブルーの視界には、ブルーの対戦相手が丁度決まったところだった。

 その状況が、アナウンスと共にモニターへ映し出される。

 モニターに映る対戦表には、顔写真と共に対戦者の氏名が表示されていた。

 そこに記載された名前はシバ。

 何度もベスト4に残っている実力者である。

 ブルーは両手で頬を叩き気合いを入れると、観客席から立ち上がり、対戦者ルームへと移動していった。

 

 対戦者ルームには、今か今かと次の試合を待つものが十数人いた。

 ブルーがいるのは、4ブロックあるうちのBブロック。

 準決勝でAブロックと当たり、決勝はCかDで勝ち残った方と当たることになる。

 ブルーは空いている椅子に腰掛けると、モニターに顔を向けた。

 ブルーの試合は、数試合後。

 それまで、他のブロックの状況を複数設置してあるモニターで確認していく。

 Aブロックには、ブルーとのバトルで引き分けにするほどの実力を持つドラゴンポケモン使い、更には前回のチャンピオンという経歴を持つワタル。

 Cブロックには、ベスト4の氷ポケモン使いのカンナと、レッド。

 Dブロックには、ベスト4のゴーストポケモン使いのキクコとグリーン。

 知っている者たちは、全員が残り、順調に勝利を重ねている。

 見ている間にも試合は進んでいき、とうとうブルーの名前が呼ばれた。

 

「ブルー選手は試合会場へお願いします」

 

 ブルーは席から立ち上がると、控え室を出て試合会場へ向かう。

 対戦相手がベスト4であるためか、ブルーの握り込んだ拳は、汗で湿っていた。

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