ポケモン(仮)   作:ネコ

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第45話

 突如開催されたポケモンリーグの続きは、数日の期間を経て終わりを迎えた。

 

「さて、長かったバトルの結果ですが、皆さんもご存じの通り、優勝は前回チャンピオンだったワタルです! (後で覚えてろよ)」

「空からの破壊光線は少し大人げなかったのぉ」

「…………」

 

 表彰台の一番上にワタルは昇るが、その顔は若干ひきつっていた。

 

「次は、新人トレーナーながら多彩な技で相手を翻弄し、チャンピオン以外には負け無しのブルー!」

「小さくなってからのどくどくはえげつないのぉ。ワタルが奇跡的に攻撃を当てられなかったら、勝っていたのはブルーだったじゃろう」

「今度は絶対優勝よ!」

 

 ブルーはそう言いながら、表彰台に上がる。

 

「続いて同じく新人トレーナーのレッド! 最後はグリーンとの接戦の末、勝利をもぎ取りました!」

「最後は相性の問題じゃったの。フシギバナでよくあそこまでリザードンと戦えたものじゃな」

「───許可もらえませんかー?」

 

 レッドはマイクに一言残してから表彰台に上がる。

 そして、三者へ賞金が町長より贈られ、総当たりのバトル大会は幕を閉じた。

 

「あーあ……負けちゃったなぁ」

「惜しいところまでいったじゃないか」

「勝てなきゃ意味ないでしょ。と言うか、カイリューばっかりとか卑怯でしょ」

 

 ブルーは、トキワシティからマサラタウンへの道を歩きながら残念そうに呟く。

 ワタルとの戦いはかなりギリギリの戦いだった。

 最初のカメックスとカイリューの戦いでは、稀に見る引き分け。

 その後、再びワタルはカイリューを呼び出し、ブルーはイーブイで対抗した。

 イーブイはすぐにサンダースへ姿を変えると、雷を使い敵を麻痺させたのである。

 そうして痺れた隙を使い、ブルーはラッキーを出した。

 そして、小さくなるで回避を上げ、ラッキーがカイリューにどくどくを放ったところで、カイリューの破壊光線がラッキーに命中したのである。

 元々、攻撃する瞬間を狙っていたのだろう。ラッキーはその一撃に耐えきれず、そのまま戦闘不能になり、再び出てきたサンダースに倒されたものの、最後の1体であるカイリューにサンダースは敗れた。

 メタモンが出れば結果も変わっただろうが、問題があり、その事について他のトレーナーたちから口を揃えて言われたため、仕方がないと言えるだろう。

 ブルーは負けたことで愚痴を色々と言いながらも、晴れ晴れとした表情をしている。

 

「その割りには嬉しそうだな」

「まあね。メタちゃんに私たちの力を見せることができたからね。昔みたいに頼ってばかりじゃないのよ?」

「頼ってもいいんじゃないか?」

「だって……メタちゃん、私のポケモンじゃ無くなったんだもん……」

 

 ブルーは立ち止まり、顔を伏せて涙を滲ませ始める。

 他のトレーナーたちから言われたこと、それは手持ちのポケモンではないということだ。

 誘拐された際に入っていたモンスターボールを無理矢理壊したためか、再びモンスターボールに入ろうとしても、入ることは叶わなかった。

 メタモンが望んでも、モンスターボールが拒否するように、外へと排出されてしまう。

 そのため、ブルーは所持ポケモンが5体のみでの参戦となったのである。

 

「側にいてやるから心配するなよ」

「うぅ……どこにもいかない?」

「はいはい。いつも一緒だっただろ?」

「これからもずっと一緒?」

「ずっと一緒だ」

 

 メタモンはブルーあやすように抱き締める。

 ブルーは目を赤くしながら、メタモンの胸に顔を埋めた。

 そこで、メタモンの意識は途切れてしまう。

 

 

 

 目を覚ますと、見知らぬ天井が目に入る。

 しかし、覚醒してきた意識がそれは間違いであることを伝えてきた。

 

「あれ……ここって……俺の部屋?」

 

 上体を起こし、頭を掻きながら周囲を見渡す。

 酷く懐かしい感覚に陥るが、まだ目覚めたばかりだからだろうと、目を擦りながらベッドから立ち上がる。

 

「さっきまでのは……夢か……」

 

 部屋から出て洗面所に行き顔を洗う。

 鏡に写る顔は、起きたばかりのためか、その目は細く洗面所の光を眩しそうに目を細めて見ている。

 冷たい水で意識をすっきりさせると、朝食を摂るためそのまま居間へ向かっていく。

 居間へ入ろうとして手を掛けたところで、居間から複数人の声が聞こえてくるのが耳に入った。

 一人は自分の母親。後の人は……。

 聞き覚えのない声を不審に思うが、腹の音がその考えを消してしまう。

 居間に続くドアを開けたそこには、四人掛けのテーブルに椅子が2つ増やして置かれ、女の子たちが楽しそうに談笑していた。

 

「あっ!」

 

 会話は、居間に入ってきた人物を見たことで途切れ、更には少年の顔を見て全員が立ち上がる。

 そして全員が指を指して言った。

 

「メタちゃん!」「あにき!」「メタにぃ!」「親分だ!」「おひさ!」「すごい確率! ラッキー!」

 

 いきなりの挨拶に混乱したものの、女の子たちの呼び方に、先程まで見ていた夢を思い出すが、現実とのギャップに頭がついていかないでいた。

 そんな少年に母親は呆れたように溜め息を吐くと、説明を行う。

 

「昨日も言っておいたでしょ。今日からホームステイで何人か来るって」

「ああ。なんか聞いた気もする」

 

 気のない返事をする少年に向けて、女の子たちの行動は早かった。

 

「早速、町を案内してね」

「買い物行こー」

「むふふー」

「ついていきます!」

「ゲームやろ!」

「今日もラッキー!」

 

 少年を取り囲み、女の子たちははしゃぐ。

 そんな少年に、一人の女の子が耳元へ口を寄せて呟いた。

 

「もう逃がさないから」

 

 少年は驚いて顔を向けると、そこにはいつか見た目を赤くした女の子が少年に向けて笑いかけていた。




毎日書くのって難しいです。
これで終わりとなります。
お時間取らせてすいません。
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