内容についても、迷いながら書いているせいか、
ペースが落ちて来てしまっていますが、
どうにか仕上がったので投稿です。
《攻撃感知。危険度・低》
風を切る音。
弧を描く脚。
振り下ろされる蹴撃を、腕を斜めにして受け流す。
更に来る追撃。
迫る拳。
それをかわすと共に、こちらも一歩踏み込み、拳を打ち出す。
――と、腕を取られ、その攻撃の勢いそのままに、宙に投げ出され……
「っ……ぐっ!!」
大地に叩きつけられる。
そのまま、しばらく大の字で横たわったまま、荒い呼吸を整える。
「大丈夫か?」
模擬戦の相手だった、同い年の少年が差し出した手を掴み、起き上がる。
「…………ああ、ありがとな、
さて、
やはりというべきか、
結局、地獄の戦闘訓練を回避することは出来ず、
あれから、血反吐と泥と、汗と涙に塗れた日々を送っております。
戦闘等の極限状態における I-ブレインの稼動データを含めた脳波の測定、
連続稼動による疲労の蓄積など、様々なデータを集めるために、
通常の戦闘訓練のほかに、
本物の戦場を経験した魔法師と相対させられ、
殺気を叩きつけられて失禁したり、
気絶することすら出来ないくらい蹂躙されたり……
通常の訓練も、
タフな精神と頑健な身体を作るためのエンドレスランニングといったハードな訓練に、
一対一から始まり、一体多へと難度が跳ね上がっていく体術訓練。
そこに、座学と実践を交えた魔法式の訓練が追加され、
戦闘向きの才能が認められた場合等は、
体術と魔法を併せた、より実戦向きの戦闘訓練へ投げ込まれる。
自分の場合、I-ブレインを持つため、研究対象として狙われる可能性を考え、
最低限、自衛の能力を持つ必要があるとされ、実戦組へ…………
正直言って、心が折れそうになる、というか、あっさり折れてしまうレベルの訓練だった。
機会があったら、とっとと逃げ出してたと思う。
多分、当時の自分は、
他人から見ると、死んだ魚の様な目をしてて、表情も死んでたんじゃないかな。
あの地獄の訓練から逃げ出さなかったのは、
半ばは惰性で、残りは逃げた後が怖かったから、という消極的な理由でしかない。
いや、訓練が激化していった後は、
そんな余計なことを考える余裕すら無くなっていったんだけど……
日々、訓練と座学で、
身体と頭脳を酷使し、夜は泥のように眠る。
元々が平々凡々な高校生でしかなかった自分の場合、
その平和惚けした豆腐
要らんことをして自滅していた気がするから、結果オーライだった、かも……
最近になって、
ようやく体力・気力が訓練に追い付いてきたのか、多少は考える余裕が出て来たが、
それまでは、戦闘訓練に I-ブレインを活用することを
I-ブレインに訓練内容を記録し、それを基に、自身の動作の無駄、誤りを修正する。
或いは、『身体能力制御』の能力創生を試み、訓練中の知覚速度を加速する。
そういったことが出来ていれば、もっと余裕をもって訓練をこなせていただろう。
結局、模擬戦に意識を割きながら、I-ブレインを扱える様になったのは、この一月くらいのこと。
なんというか、
明日、死なないために、今日、瀕死になりに行く。
そんな日々だった。
あぁ、そういえば、
逃げ出さずに済んでた理由が、もう一つあった。
自分と同様に、地獄の訓練に投げ込まれた
うん、自分だけが苦しい思いをしているのは耐え難いけど、
同じように酷い目にあっている奴がいれば、少しは慰められる。
いやー、一人だけ要領良くこなしていた奴が、
難易度アップでこけて、自分と同じ底辺に落ちてきたときは、
なんと言うか、『ざまぁ』って感じで、スカッとしたなぁ……
まぁ、それはさておき、
一人じゃないっていうのは、ホントにありがたかった。
余力がある時は力を貸し、こちらが力尽きたときは肩を借りる。
互いに教官に対する愚痴をこぼしては、莫迦な冗談を言っては笑い合う。
まだ実戦は経験していないけど、『戦友』って、こんな関係なんじゃないかな?
ただ、その中で一番仲良くなった相手が
原作主人公『司波 達也』だった、っていう、ね…………
ホントに、当時は余計なことを考える余裕が無かったため、
気付いたのは、だいぶ後になってからだった。
まぁ、同い年で、常識外れの異能を持ち、
ついでに、自分の場合は前世の記憶により、
達也の場合は精神干渉魔法により、他の子達より大人びて……もとい、浮いている、
と、共通点も多い訳だから、親しくなって当然だったのかもしれないけど。
そんな、今までのことを思い返していると、達也が声をかけてくる。
「……考え事か?」
「うん、まぁ、あの頃に比べると、大分余裕が出てきたなぁ……って」
「おい、莫迦やめろ……教官に聞かれたら、訓練メニューを追加されかねないぞ」
「それはいけない」
慌てて口を閉じると、他の連中の訓練を見学――という名の休憩に専念することにした。
今までの訓練で『口は災いの元』という諺の正しさを、嫌という程思い知らされている。
『沈黙は金』だ。
まぁ、黙って見ているだけでは芸が無いので、Iーブレインを起動。
模擬戦の映像を記録し、参考になりそうな技をチェックしていく。
同時に、もう一つ
……うん、そろそろ『能力創生』が試せそうだ。
うーむ、幼少時の達也の口調はこれでいいのだろうか……
一応、高校時代は友人相手に軽口を返すとかしていたし、
追憶編の無口っぷりは、話し相手がいなかったから、
と解釈して書いてみましたが、違和感が凄い……
書いていて、これでいいのか不安になってくるレベル。
誰かー、意見を書いて下さる方はいませんかー?