私はただ生存率を上げたい   作:雑紙

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待たせましたなっ……え、待ってない? ですよね。
迷った結果、先にリザレクション編に入ろうと思います。実際にプレイしていないのでブレブレなところとかあるかもしれませんが……出来る限り違和感のないように仕上げていきたいと思います。よろしくお願いします。



GOD EATER RESURRECTION
百八十日目〜百八十五日目


 私の名前は筒井マモル。十八歳独身。四月四日が誕生日、相性の良い誕生月の人は六月、七月、八月の夏の季節の月らしい。……一応勘違いしないで欲しいが、別に今現在恋愛関係で悩んでいて書いている訳では無い。そも恐らく私が生きているうちにそのようなことで悩む機会なんて来ないだろうし……こう考えてみると、他の皆はそこのところどうなのだろうか。好きな人がいるかどうかストレートに尋ねたらどうせ「いない」の一言でみんな済んでしまいそうだろうが。

 

 私が極東支部に配属されてから約半年が経った今日、これまでに記述していた神機の新武装がようやく実戦に導入されるようになったらしい。破砕に特化したブーストハンマー、貫通に特化したチャージスピア、範囲攻撃に特化したヴァリアントサイズ……名称から察せられるようにそのどれもが剣ではなく槌に槍、鎌の形状の刀身である。果たしてそれらの武装を刀身と称しても良いものか……いや、バスターブレードでもハンマーっぽい種類が幾つかあったから良いのか。後は銃身で近接戦に特化させたショットガンの武装が追加されたくらいか。

 

 ユイを除いた第一部隊の面々は他の武器を下手に扱うと元々使っている武器の感覚を見失ってしまうことを恐れて変更しないと言っていた。元々様々な種類の神機の武装を扱おうとするのはこの極東支部では私とユイだけだそうで、私もこの後追加された武装を試してみるつもりだ。

 

 戦闘形態のバリエーションを豊富にしておいて損は無い。私の生存率は万が一でも億が一でも上げておきたい。そうすればもしもの時がそれだけ減る。素晴らしいことだ。

 

 そういえば最近、ノヴァの残滓がどうとかいうことをちらほらアナグラ内で皆が話しているが、何のことだろうか。結構重要なキーワードだったと思うのだけれど忘れてしまったか……? 厄介な話でなければいいのだが……出来ればもう人類の生命をかけて戦うなんていう明らかに自分では力不足な

案件に関わりたくないし。

 

 ああでも、第一部隊隊長の肩書きがまたそれを阻む気がする。先が辛いなぁ、と私は遠くを見ながら思った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 エリックさんがエリックさんの妹……エリナさんを廃寺に連れて行きたいと自分に申し出てきたので連れていった。何でも廃寺はアラガミに殺された人達が安心して眠れるように祈りを捧げられる場所であり、エリナさんの友人が最近亡くなってしまったのでぜひ連れていってほしいとせがまれたのだとか。

 

 私は普通に承諾したのだが、エリナさんが嫌なものを見るような顔をしていたのが傷付いた。顔をひきつらせて、「え、こいつに頼むの」みたいな顔。子供にそんな表情をされた私の精神は結構傷んだもので、討伐対象のクアトリガが放つミサイルを掴んだり捕食したりして奴の口へとぶち込む作業で紛らわした。それでも足りなかったので近くの小型アラガミを殴りつけたりした。やっと解消したかと思ったら後ろで見ていたエリックさんとかに「相変わらず華麗でワイルドだね」と言われた。それは貶しているのでしょうか、褒めているのでしょうか。

 

 廃寺周辺のアラガミを残滅した後にエリックさんとエリナさんと共に私も合掌した。例え面識がない人でも、人が死ぬというのはそれだけで辛いものだ。悪人などの場合は私は爽快な気持ちになりはするが……その家族達は悲しむかもしれないのだから。

 

 あ、任務の後にエリナさんに「良い人ね!」と笑顔で言われたのが癒しでした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 榊支部長からお月見をやろうという提案が出た。何でも、本来の意味とは違うが月に……正確にはシオに向けて何かしらお礼を形にして送りたいのだそうだ。

 

 ノヴァによる終末捕食を月へと丸ごと移転し、人類を救ってくれたアラガミの少女……そして、私達の仲間であるシオ。月に何の生命体もいなければ、彼女はあの惑星で一人暮らしているのだろうか。

 

 叶うならばもう一度……とは言わず、しばらくは一緒にまた過ごしたいものだ。ソーマさんもきっとそれを望んでいるだろうし。私もまだ現存している全てのアラガミの肉の食べ方を教えて貰っていないし。

 

 そうそう、最初の頃食べることが出来なかったオウガテイルの肉だが、火属性の神機でインパルスエッジ(放射)を放って焼いたらちゃんとたべられるようになった。オウガテイルに限らずヴァジュラやウロヴォロス、ボルグ・カムランなんかもいけた。やはりアラガミにはアラガミをという言葉は正しかったようだ。

 

 味の方はまあまあなものが多いが、シユウの肉が比較的美味だった。あの羽や足の引き詰まった肉の弾力が良い感じで、味も鳥に近かった。もしシオにもう一度会えるのであれば、今度は今まで食べてきたアラガミの中で一番何が美味しいかを言い合いたいものだ。

 

 効率的な解剖方法を教えてくれたシオのおかげで私は丸々一ヶ月間外にいようが生活できるようになったし、それも踏まえて私もシオに感謝の念を送りたいと思いその提案に賛同した。

 

 月見……初めてやるが、楽しみだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 配属百八十一日目

 

 

 私の神機の使い方がおかしいと榊博士とリッカさんから言われた。正確には、一体どういう機能をしているんだ、だったか。

 

 全く何のことかさっぱりな私が尋ねると、どうやら彼らが言っているのは私の神機の捕喰形態についてらしい。それでも私は首を捻った。何かおかしい点でもあるのだろうか、と。頭を抑えていた二人は今日私の任務を記録したといえビデオを見せ、どういうことなのか説明して欲しいと言われたので私はそれに応じることにした。

 

 映し出された私と、私の相棒ビオラ――折角なので私が名付けた神機の名前――そして討伐対象の一体だったヴァジュラ。対面するや否や私の神機が捕喰形態になり、黒い口が七つに分かれてそれぞれがアラガミへと殺到しその肉体を喰いちぎる。肉を多く削ぎ取られたヴァジュラがバランスを崩し、そこに一本に纏まったそれがアラガミの身体へと噛みつく。それは体を噛み千切らずに決して離すことのない絶妙な力加減を見せ、私はそれを利用してヴァジュラを持ち上げ地面に何度も何度も叩きつけた。超巨大級と言えるほどの個体でなければ自由自在にぶん回せるこの技はよく愛用しているなぁ、とビデオを見て改めて思う。

 

 叩きつけてるうちにゴキン、とヴァジュラの首の骨が折れて死んだのを確認し、きちんと素材を回収して二体目の捜索へと向かう。その際、再び捕喰形態に変形させてそれを壁へとめり込ませて牙で固定、瞬時に収縮。限界まで伸びたゴムが元の形に戻るような感覚と速度を出しながら、ちょうど良いタイミングで神機を壁から切り離し再び違う壁へと噛みつかせ……この動作を繰り返して二頭目のヴァジュラを発見する。この技に慣れるのには苦労した、何度壁にぶつかったことか。

 

 二頭目のヴァジュラが私の接近に気づいたと同時に、空中で神機を捕喰形態に移行させて二つに別れた口が限界まで伸びヴァジュラの首へと噛みつく。最初のヴァジュラと同じくしっかりと固定されたそれが縮んだ瞬間、先程の技と同様に私の身体は一気にヴァジュラの顔面へと接近。瞬時に切り替えた刀身が深々とアラガミの顔へと突き刺さった。悲鳴をあげさせることなく即座に放たれたインパルスエッジ……首から上がなくなったヴァジュラは力なく倒れた。この擬似縮地は小型アラガミには使いにくいが、逆に大型のアラガミにはかなり効果的だ。それに捕喰形態でロックもしてあるから外しにくいし。難点はカウンターを受けやすいところだろうか。

 

 そして三分間のビデオは終わったが、やはり私のビオラの一体どこがおかしいのかがわからない。捕喰形態だって皆ああいうものではないのだろうか。確かにバリエーションが増えたのは最近だが神機もゴッドイーターと同じく成長、進化するものだろうし。

 

 普通のゴッドイーターだったらあれぐらい……いや、あれ以上に捕食形態を使いこなすはずだ。そう考えると私はまだまだだなと痛感する。

 

 そういったことを伝えると、榊博士は机に突っ伏してリッカさんは遠い目をしていた。……二人共疲れているのだろうか? お大事に、と言っておいたが果たして二人は聞いてくれていたのかな……?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 捕食形態のことについて第一部隊の面々に伝えると皆がみんな私に冷ややかな視線を向けてきた。「またこいつは……」みたいな。……私は何か悪いことをしたのだろうか……? 悲しい。

 

 

 

 話は変わるが、ノヴァの残滓? というものの沈静化のためにソーマさんが働いているのだが、ラボに篭ってろくな睡眠を取っていないようだ。自分の親、つまりは自分の責任だからと結構思い悩んでいるみたい。やっていることは立派だが、自分の身を大切にして欲しいと言うと「お前が言うな」と返された。私は自分自身の為に他人を活用しているから言えると思うのだが……作業に集中したいそうで半ば強制的に追い出された。解せぬ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 先程コウタと共に行った任務で異常な偏食場に襲われた……らしい。私としてはあまり実感が湧かなかったのだが、コウタが言うには身体が重くなったと感じたのだそうだ。そのまま攻撃を受けたらいつもよりも手痛いダメージを受けたことになったかもしれないとも言っていた。

 

 任務中ヒバリさんもそれらしきものを確認したと言っていたし……一時的なものであればよいのだが。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 配属百八十二日目

 

 昨日記した偏食場だが、どうやらタツミさん達第二部隊も似たようなものに襲われたらしい。オラクルが勝手に減少していったのだとか……それでカノンさんが「空を飛べませんでしたー」と涙目になっていたものだから慰めていたらユイが不満げな顔でこちらを見ていたのに気がついた。どうかしたのかと尋ねると拗ねたかのように素っ気ない態度を取られたので少し悲しかった。……ま、まあ第一部隊の皆によく思われてないことはよく分かっているし、うん。

 

 その後私とコウタに加えてアリサ、ユイと共に任務に望んだら第二部隊の人達の情報通りの偏食場に襲われた。飛行最中でバースト状態にもなっていなかった為に空中でガス欠を起こし危うく地面と激しいキスをしそうになったが、捕喰ワイヤー(捕喰形態を束ねたあれ)を使いそのままアラガミを攻撃しながら降下することで難を逃れた。

 

 ちなみに敵にサリエル種がいたのでボッコボコにした。如何せん、妖精種の鱗粉が未だにトラウマとなっているのでそのせいで敵がサリエル種、もしくはそれらと類似する類の場合執拗に攻撃するようになってしまった。これについてはみんなからの指摘もしっかりと受け止めている。

 

 これまで生きてきた性別を急に転換させられる恐怖が分かるだろうか。あのあるものがなくなってないものがある気持ち悪さが分かるだろうか。分からない? だったらお前に鱗粉をかけてやろうか。……冗談です、あんな経験は私一人で十分です。

 

 後に聞いたリッカさんの話によると、偏食場が発生した時間帯にのみ神機のオラクルリソースがごっそりと減り、重くなるように感じるらしい。何とかしてこの異常な偏食場を抑えたいものだ……飛べないし。カノンさん……と最近ユイも加わったブラストの飛行訓練が出来なくなってしまう。まあ、大抵こういうものは新手のアラガミがやりそうなことではあるが。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 榊支部長に呼ばれた為支部長に向かうと、隣にいた疲れた様子のソーマさんから極東に第二のノヴァが発生した可能性が高いことを告げられた。新しいアラガミが出るとは思ってはいたが、まさかノヴァとは……。

 

 ソーマさんはアーク計画以降ノヴァの残滓を回収して沈静化を図っていたようだが、その一部が保管施設を喰い破って外に出てしまいアラガミと化してしまったのだそうだ。幸いまともなアラガミとなってまだ間もないので成体になる幼生の状態で駆除すれば何の問題もないらしい。

 

 かなり責任を感じているようだったソーマさんに私は軽く言葉をかけるものの、俺のせいだとか俺の責任だとかで一向に自分を責め続けていた。見ていてちょっと辛かった。

 

 …………第二のノヴァ、ね。簡単に倒せれば良いが。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 現在は夜中だと言うのに、嫌な夢を見た。どこかの施設で子供達に囲まれて「落ちこぼれ」とか「弱虫」とか、罵倒を言われ続ける夢だ。現実的すぎて的確に心をえぐられた、何この虐め。夢にまで私の精神はすり減らされなければならないのだろうか。

 

 まあ、どれもそれも受け入れる他ないのだが。私はどれにおいても決して誰かよりも優れることは無いのは事実であるし。

 

 そんなことは、自分が昔から重々承知していることだ。……昔? 昔とは、どれくらい前のことだろう。自然と筆が進んだがそれほど過去のことはあまり覚えていないのに。

 

 ……何だか寝る前に暗いことを書いてしまったので、逆に楽しいことを考えて眠るとしよう。そう、例えば月見のことでも考えておけばいい。その過程に、明日は良い日でありますように。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 配属百八十四日目

 

 昨日丸々一日私は眠ってしまっていたようだ。どれだけ揺すっても起きないらしく捕喰形態まで使おうかと思っていたとまでユイが言っていた。死にはしないけど多分痛いと思うのでやめてほしい。あと涙目+上目遣いとかもやめてほしい。精神に悪い(良い意味で)。

 

 他の第一部隊の人達にも結構心配された。コウタやアリサには身体中をぺたぺた触られたりした。くすぐったかった。ユイには抱きつかれた。精神と社会的に死ぬかと思った……あと女性の身体って意外と柔らか

 やめよう、これ以上書くと私が戻れなくなる。

 

 さて。医療班の人によると過労で倒れたとのことらしいが……そんなに自分は働いていただろうか。確かに丸一ヶ月任務に没頭していた時期はあったが、それでも一度も倒れなかったし。スタミナなら人並みには自信がある。なので自分が過労だなんて信じられなかったが……他に理由はなさそうだしそうなのだろうと信じることにした。

 

 隊長である私が不在の中、第一部隊の皆はノヴァの幼生と接触、そして撃破……する前に一瞬の隙を突かれて逃がしてしまったらしい。私がいれば逃がさなかった、なんてことは思わない。私よりも優れた皆が逃してしまったのだ、そこに仮に私がいたとしてもきっと取り逃してしまうに決まっている。だからそんなに謝らないでほしい、と私は皆に伝えたのだが皆してまだ表情が固かった。

 

 ……そもそも私が何故かしら休んでしまったのが悪いと思うのだけとなぁ……なんで皆が責任を感じているのだろうか。もしかして私のせいだということを案に示しているのだろうか。実際その通りだけれど、うん、本当にすみません。

 

 

 第二のノヴァについての情報だが、戦闘ログを見たリッカさんの話によるとかなり面倒な相手らしい。極東支部を覆っている装甲壁……私達の生活を守る対アラガミ用の壁は様々な偏食因子を練り込ませることによってアラガミ達に『食べたくない』と思わせるものだそうで、それに酷似した体質を様々なアラガミを取り込んだらしい第二のノヴァが持っているのだそうだ。食べたくないと思わせるのは、アラガミを基盤にした神機だって例外ではない。戦闘していたユイも歯ごたえがおかしかったと言っていたし。

 

 第一部隊の皆でも倒しきれない耐久性。しかもそれが、幼生の状態で持っているのだ。成体になったらと思うと嫌な予感しかしない。

 

 遠くに出かけているサクヤさんとリンドウさんがいれば話は別かもしれないが……リンドウさんのは神機というよりは彼自身の身体みたいなものだし。

 

 今うだうだ言っていても仕方がない。今自分に出来ることは、ノヴァを一刻も早く発見して討伐すること。普通のゴッドイーターでも少しばかりキツイかもしれないが、きっと倒せるはずだ。普通に、倒せない敵なんていないのだから。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 配属百八十五日目

 

 

 ノヴァによる被害がかなり拡大しているそうだ。更に奴のせいでかアラガミもよく活性化しており、皆がみんな困ったような疲れたような顔をしていた。任務をこなしながら捜索を続けているものの手がかりと言えるようなものはなく、アナグラ内がピリピリし始めている。

 

 ソーマさんが言うには偏食場によって検知は出来るものの、いざ現場に向かうとそこに姿はない。まるで追跡がバレているようだ、と。レーダー機能でも搭載しているのだろうか、第二のノヴァは。様々な偏食因子を取り込んでいるせいでそれらが奇跡的な融合でもしてそのような機能が出来てしまう可能性は……なきにしもあらず、か。アラガミは何をやるか分かったもんじゃない。

 

 クアトリガというアラガミだってミサイルを体内で生成してきて発射してくるし……堕天種や禁忌種になると状態異常すら混ぜ込んでくる。もしかしたらノヴァの場合はそのうちレールガンすら生成するのではないだろうか。そうなったら確実に死ねる。そこまで壊れ性能じゃないことを祈ろう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 コウタからソーマさんについての軽い話を聞かされた。ここ最近研究所にソーマさんが頻繁に出入りしたことは私も知っていたのだが、コウタはその理由をソーマさん自ら教えて貰ったらしい。どうやら両親の昔の研究資料を漁っていたそうで、そのことを話していたソーマさんは少し楽しげだったそうな。しかしその矢先に彼らが遺したノヴァがこのような形で問題となってしまいきっとソーマさんはやりきれない気持ちでいるだろうな、と口にするコウタの表情はいつになく暗かった。

 

 アリサの時と同じくソーマをどう励ませば良いのか分からない。そんな、コウタの弱音を久方ぶりに聞いた。ダメだなとか力になってないとか更に言ってきたものだから、私は思わず声を荒らげてそれを否定した。

 

 コウタはこの第一部隊のムードメーカー……士気を上げてくれたり緊迫を緩和してくれる重要な役割を担っているのだ。担っているというよりかは、本人の性格が自然とそれを為していると言った方が正しいだろうが。コウタがいるおかげで私も第一部隊にきてから話しやすくなったし、彼は確実に私達の力となってくれている。

 

 こうしてソーマさんのことを心から気にかけているその優しさもコウタの持ち味だ。そんな自分を力不足と卑下するのは止めてほしい。勿論辛い時は抱えこまずに相談してほしいが、出来る限りコウタにはこれからも私達を和ませてほしいのだ。それがきっとコウタにしか出来ない時だってあるのだから。

 

 そんなことを伝えるとコウタは照れくさそうに頬をかいていた。はっ、と長々と発言したことに気づいた私は私は謝ったがコウタは普通に許してくれた。やはり彼は優しい。

 

 その流れで初恋ジュースを奢ったらコウタが吹き出してしまった。……レンさん以外に、未だ同志はいない

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 追記

 

 ノヴァの反応が廃寺の近くで発見されたらしい。出張の仕事から一足早く帰ってきたサクヤさんを加えて、未だ帰ってきていないリンドウさんを除いた第一部隊六人で第二のノヴァに挑む計画だ。

 

 資料を見せてもらって姿を確認したが、女のような顔面とヴァジュラに似た白い肉体を持っていた。プリティヴィマータと似ているが、第二のノヴァの顔は真っ赤だ。まるで怒っているみたいだなと思った。

 

 それにしても、丸一日眠った前日が珍しい夢を見た日であるというのは何か関係があるのだろうか。……いや。考えすぎか。

 

 明日は対第二のノヴァだ。ここで仕留められれば良いが……私の相棒が好き嫌いをしない性格であることを祈ろう。




捕喰形態での生戦闘は恐らく次回となります。
そして神機視点なのですが……話の都合上少なくともこのリザレクション編が終わってからになりそうです、申し訳ありません。ですがそのピースとして神機に名前をつけました。
本編でもそのうち話すと思いますが、先に神機についての解説を入れておきたいと思います。名前の由来は秘密ですが。
プレデタースタイル

チャージ:オロチ

一式が七つに分裂して七回分の捕喰ダメージとオラクルの回復をそれぞれに与えます。ただしアラガミバレットは捕喰一回分だけ、バーストゲージは50%です。

コンボ:パイソン

分裂し何重にも巻きながら頑丈なロープのようになったものでアラガミに噛みつきます。その際にダメージは与えられませんが捕まえている間動きを止めたり力があれば自由自在に持ち上げたり叩きつけることができます。放して元に戻るとアラガミバレットが一つ、バーストゲージが50%上がります。

ステップ:フック

直線上の壁、もしくはアラガミに牙を引っ掛けて高速で近づきます。アラガミの場合は近づいた後に通常の捕喰と同等の効果を得ます。連続入力が可能です。

エア:コンドル

アラガミに捕喰形態を発射して牙で対象を固定し、瞬時に距離を縮めると同時に刀身で切りかかる技です。途中でストップが効きません。更に捕喰効果も受けません。しかし威力は狂人のお墨付き。




以上です。本来であれば制御ユニットが必要なのだそうですが、進化していれば問題ないのではないかと思い不必要としました。問題ありありだと思いますがこのようにさせて頂きます。クイックは一応考えてますが今回は出せませんでした。




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