やはり私の男装生活はまちがっている。   作:空葬

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オリジナルの話ですね
では、ドゾー


よくやる妹

熱を測ると38.2°だった

熱はそこまで高くないが恐らく熱がある上に精神的に無理したからだと小町は言ってた

小町に今日は一日中ベッドで寝ときなさいと言われ現在ベッドの上である

本当に情けない。人間的に最低なことをして勝手に泣いてさらにぶっ倒れるなんて…

とにかく疲れた。寝よう

 

 

 

 

 

『ねぇ、比企谷ちゃん』

 

 

懐かしい声だ

懐かしいけど、今は聞きたくない声だ

 

 

『君のせいなんだよ?』

 

 

彼のこの言葉を聞くたびに胸が締め付けられる感覚が襲う

 

 

『なんで?なんであんなことしたの?』

 

 

ごめん!謝って許されないと思ってると思ってるけどそれでも…ごめんなさい!

 

 

『比企谷ちゃんのせいで僕は』

 

 

やめてよ!お願いだからこれ以上私を壊すのはやめて!

 

 

『学校での居場所をなくしたんだよ?』

 

 

そう言って頭によぎるのは花瓶が置かれている机とそれを悲しそうな目で見る彼

それを周りのみんなは笑って見ている

この状況を作ったのは…私

全部私が悪いんだ

私が何もしなければ彼は、平和な日々を…暴力のない学校生活を送れたのに…

 

全部…私が悪い

おねがい…誰か私を罰してよ

 

 

 

 

 

「…ん」

 

 

起きると窓から光が差さなくなっていた

この部屋は東側寄りにあるので太陽が差さなくなったということは昼を過ぎたということを表していた

 

 

「…また」

 

 

頬を触ると濡れていた

最近あまり見ないようになったと思ったら…連日で見るとは思ってもいなかった

…ダメだ、風邪をひいてるせいかこのまま何もしないでいると自己嫌悪でまた泣きそうだ

 

 

「ちょうどいいし昼ご飯食べよう」

 

 

熱は薬を飲んだおかげで今はあまりだるい感じはしないし、泣いたおかげか気持ちが少しスッキリしている

私はベッドから出てリビングに向かう

段差に気をつけながら階段を下り、リビングに入ると机の上に紙が置かれているのが目に入った

どうやら小町が書き置きしていったようで可愛く文字が書かれていた

 

 

【冷蔵庫の中にお粥入れてあるからゆっくり食べてね。由比ヶ浜さんの事は調子が戻ってからでいいからちゃんと聞かせてよね!お姉ちゃんの身体をさり気なく心配するなんて小町的にポイント高い! p.s.倒れた時心配したんだから!お詫びに今度なんか買ってよね!】

 

 

本当によくできた妹だと思う

学校行く前にお粥作ってくれるなんて…お姉ちゃん感謝の言葉しか出ないよ

それに心の気遣いまでできる…小町が妹でよかった

小町へのご褒美を考えつつ冷蔵庫を開ける

そこにはお粥の入った鍋が入っていた

 

 

「ん、取りづらいところに置いて」

 

 

もしかして台を使って入れた?

私は小町よりは身長高いのだがあくまでも3cmくらいの話なので台などを使われるともう届かない

こんなところで仕返ししないでと思いながら台を持ってきて鍋をとった

…もう少し高かったら男装する時も苦労しないのに

 

 

 

鍋の中のお粥を食べた後(残しちゃったけど)特に眠たくもならなかったのでソファの上でボーッとしていた

何かを考えると由比ヶ浜のことやあの夢ばっか頭の中よぎってしまうのでできる限りなにも考えずに座っていた

するとチャイムの音が家の中を響いた

小町が帰ってきたのかな?と思い扉に向かう

 

 

「小町おかえ…」

 

「や、やあ。比企谷さん」

 

 

扉の前には戸塚がいた

あれ?既視感があるよ?

しかも人が全く同じ…同じ言葉を言ってようかな?

 

 

「や、やあ戸塚。どうしたんだこんなところで」

 

「そこまで再現しなくてもいいよ…。休んでたからプリントを届けるように平塚先生に言われたんだよ」

 

 

あぁ、なるほど

別に男子テニス部休んでまで来なくていいのに、本当にあなたは責任感強くて優しいよ

…なんで私の周りそんな人ばっかなのでしょう?

 

 

「ありがとね、じゃあ」

 

「あれ?戸塚さんじゃないですか?」

 

 

声が聞こえた方を向くと小町が笑顔で立っていた

あの顔は語っている。いいことが起きないと…

 

 

「あ、小町ちゃん!ヤッホー!」

 

「戸塚さんヤッホーです!お兄ちゃんのお見舞いに来てくれたんですか?ありがとうございます!」

 

「いやいや、友達として当然のことだから気にしなくていいよ」

 

 

戸塚は手を自分の体の前でブンブン振っている

それにしても友達か…私には勿体なさすぎるよ

 

 

「せっかく来たんですし中に入ったらどうですか?歓迎しますよ!」

 

 

え?入れちゃうの?

 

 

「え?それはちょっと」

 

 

ほら戸塚も困ってるし、ダメじゃないの?

 

 

「由比ヶ浜さんの事、知りたくないですか?」

 

「お邪魔します」

 

 

…え?戸塚もその事を聞くの?




はい、15話目でございます
ここまで書いたのはいいけど次回何を書こうかまだ特に考えてない事実がそこに(白目)
ま、まあなんとかします!

ちょっとしたアンケートがありますので活動報告か私のTwitterを見ていただくとありがたいです
では、ここまで
次回の16話でお会いしましょう
サラバダ〜ノシ

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