やはり私の男装生活はまちがっている。   作:空葬

23 / 55
雪ノ下さん途中から空気化してるかも
では、ドゾー


仲戻しというプレゼント

月曜の授業が終わり、予定通り奉仕部に行く

誕生日プレゼントはしっかり持ってきているし、言う言葉ももうすでに考えている

万全の準備で奉仕部に到着

 

 

「…」

 

 

扉を開けようとして少しためらってしまう

これでいいのかな?本当に許されるのかな?

この前の夢を思い出してしまい、扉を開けるのが怖くなってしまった

一瞬帰ろうかと考えてしまったが、それでは意味がないと思い再び扉に手をかける

 

 

「…なにしてるの?」

 

 

後ろを振り向くと由比ヶ浜が少し冷めた目で見ていた

…もしかして見られてた?

え、なにそれ恥ずかしくない?

 

 

「は、早かったな。ほら、中に入るぞ」

 

「…うん」

 

 

由比ヶ浜は浮かない顔をして頷いた

少しその顔に不安を抱きながらも一緒に奉仕部に入る

 

 

「ようやく来たわね、由比ヶ浜さん」

 

 

部室の中にはすでに雪ノ下が待っていた

椅子はいつもと違う位置に配置されており、雪ノ下の前に一脚、少し離れた場所に一脚あった

離れたといっても上から見るとちょうど正三角形の一角に当たる位置なので距離はどの椅子に対してもほぼ同じだった

雪ノ下は由比ヶ浜を目の前の椅子に座るように促し、私は残りの椅子に座った

 

 

「今日来てもらったのは他でもないわ。あなたに言いたいことがあるから来てもらったの」

 

「あ、うん…。私のことなんて気にしなくてよかったのに」

 

「そういうわけにはいかないわ。直接言わないとダメなことだってあるでしょう?」

 

「いや、そうなんだけど…」

 

 

雪ノ下はこのままだと話が進まないと思ったのか無理やり話を続ける

 

 

「由比ヶ浜さん。何におびえてるか分からないけど、呼び出した理由を今から実行するわ」

 

 

雪ノ下は立ち上がり、由比ヶ浜に近づく

由比ヶ浜は少し涙で目が潤んでおり…その……こんなこと考えてはいけないのだろうけど…

少し危ない状況に見えるのは私だけでしょうか?

雪ノ下は後ろに回してた手を前に持っていき、手に持っている物を由比ヶ浜に見せつけた

 

 

「…へ?」

 

「誕生日おめでとう由比ヶ浜さん。これは私からのプレゼントよ」

 

 

由比ヶ浜は少しの間固まっていた

雪ノ下は由比ヶ浜を再起動させるように呼び掛ける

 

 

「由比ヶ浜さん?どうしたの?」

 

「え?今日呼んだ理由ってこういうこと?じゃ、じゃあ昨日ララポートにヒッキーと一緒に居たのも!?」

 

「え、ええ。昨日彼と小町さんと一緒に誕生日プレゼントを買いにいってたのよ」

 

「…そうなんだ、よかった~」

 

 

由比ヶ浜は安心したかのように肩をおろす

そして思い出したかのように目を輝かせる

 

 

「え、じゃあこのプレゼントってゆきのんが選んでくれたの?」

 

「ええ、あなたが最近料理にハマっているって言ってたから私からはエプロンを」

 

「ゆ、ゆきのん…」

 

 

感動したのか少しうるうるとした目で雪ノ下を見つめる

雪ノ下は少し恥ずかしくなったのか目をそらし

 

 

「その、あなたといた時間は悪くなかったから…感謝の気持ちとしてね」

 

「ゆ、ゆきの~ん!!」

 

 

あ、飛びついた

雪ノ下も暑苦しいと言いながらあまり拒否はしてないし…百合百合ですね

…そろそろ私も渡さないと

 

 

「由比ヶ浜、これ」

 

「え?ヒッキーもくれるの?」

 

 

由比ヶ浜は少し意外そうな顔をした

…ここからが大事な場所だ

 

 

「その、この前はあんな事言ってすまんかった。だけど…本当に気を使っているのならこれも捨てて貰って構わないし、これ以上関わらなくていいのも本当だ」

 

「だ、だからそんなんじゃ」

 

「だが」

 

 

由比ヶ浜が何かを言おうとしたところを私が制す

 

 

「気を使ってなくて本気であんなことをしていたなら、お前はバカだ」

 

「…え?」

 

 

由比ヶ浜は豆鉄砲を食らったかのような顔をした

まあそうだろうね。罵倒されるとは思ってなかっただろうからね

私は話を続ける

 

 

「俺みたいなボッチで自分のステータスにマイナスをつけるような男に何の考えも持たずに話しかけるバカは今までいろんな奴を見てきたがお前が初めてだよ」

 

「え?え?私貶されてるの?」

 

 

でも、と付け足し言葉をつなげる

 

 

「そんなバカと過ごしていても、悪くないと思っている俺が居たんだ」

 

「…ヒッキー」

 

 

少し心が苦しくなった

この先を言うのが怖くなった

「友達」

この言葉を信じるのが怖い自分が居た

だから…私はそれを避ける

 

 

「由比ヶ浜、もう一度お前を知り合いと名乗っていい関係に…戻らせてくれないか?」

 

 

由比ヶ浜はそれを聞くと少し苦笑いして

 

 

「そこで友達って言わないのがヒッキーぽいよね…」

 

「う…すまん」

 

「ううん、私もその言葉をヒッキーが嫌っているのは知ってるから」

 

 

別に嫌っては無いんだけど…

由比ヶ浜は深呼吸するとこっちに笑顔を向けた

 

 

「こっちこそ!改めてよろしく、ヒッキー!」

 

 

 

 

 

 

 

 

「そういえば、どうやって私の誕生日を知ったの?」

 

「私の前で携帯のパスワード開けたことがあったでしょう。それが誕生日という確証はなかったけどね」

 

「あー、なるほど」




はい、21話目でございます
やっと、やっとここまで来た感があります!
感動するようなシーンにしようと思ったのですが…ペースが速くて何を言ってるか自分でもわからなくなってくるという始末。
/(^o^)\ナンテコッタイ

予定していた通り、明日から少しの間本編を止めようと思います。
期間は分かりませんが、全部書き直した次の日に本編を再開しようかと思います。
詳しい話はTwitter、または活動報告にてお知らせしますのでお気軽に待っていただくと嬉しいですね。
@Karatomurai157←ツイッターのマイアカです

少し無駄な話をしましたが今回はここまで。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
では、サラバダ~ノシ

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。