やはり私の男装生活はまちがっている。   作:空葬

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シリアスが顔を出しました。
では、ドゾー


苛立ちの原因

11時に集いの広場に言われた通り行くと雪ノ下さん達と100人近い小学生が集まって騒いでいた。

元気すぎるよぉ、もう少し落ち着いて。

と思っていると徐々に静かになっていく。

全員の視線の先には時計をじっと見ている先生が居た。

え?この年になってあのセリフを聞くことになるの?

 

 

「はい、みんなが静かになるまで三分かかりました」

 

 

あう…このセリフあまりいい思い出無いんだよね。

横を見ると戸塚君が苦笑い、小町があぁ…と嫌な顔をしている姿が見えた。

このセリフは遠足や修学旅行などの前の決まり文句みたいなもので、これとおまけで先生の説教がハッピーセットになってついてくるから嫌だ。

確かに静かにならない奴も悪いんだけど…うん、なんか嫌だ。

 

 

「…ように、この林間学校は気を引き締めて行動するように」

 

 

説教が終わり、全員の方が下りたところで今日の予定を先生が説明し始める。

一日目はオリエンテーリングがメインの予定となっていた。

ウォークラリーと言った方がいいのかな?

それが終わると昼食に自作カレー作りのメニューが添えられている。

んー、~ウォークラリー、季節のカレーを添えて~的な感じだね。

その後は自由時間で何しても良いといったスケジュールだった。

 

 

「では最後に、みなさんのお手伝いをしてくれる、お兄さんとお姉さんを紹介します。まず挨拶をしましょう。よろしくおねがいします」

 

「「「よろしくおねがいします!」」」

 

 

小学校の生徒ここに居る全員(?)が先生の声を合図に私たちに向かって挨拶をしてくれた。

その声と同時に先生から一番近くに居た葉山にマイクを渡される。

葉山君は小学生分かりやすいように一歩前に出て

 

 

「これから三日間、みんなのお手伝いをします。何かあったらいつでも僕たちに言ってください。この林間学校で素敵な思い出をたくさん作っていってくださいね。よろしくお願いします」

 

 

と考えていたかのような台詞を小学生に言った。

慣れてらっしゃるなぁ…、私と違って。

小学生から黄色い声と拍手をもらいながら葉山君は元いた場所へと下がった。

それを確認すると平塚先生がこっちに寄ってきて小学生より早くゴールに向かうよう言われたので、荷物を持って私達はキャンプ場となっている場所に向かった。

 

 

 

 

 

 

 

中部辺りで私達は小学生の様子を見ていた。

たまに迷っている小学生に対してヒントをあげたり、応援してあげたりと理想のお兄ちゃん、お姉ちゃん像を立てていた。

…のは葉山や三浦などのトップカーストの人達だけで雪ノ下さん、私、小町と戸塚君の四人はその後ろで普通に話していた。

 

 

「そういえばお兄ちゃん、いつの間にこんなに知り合いを作っていたの?しかも男の子を三人も」

 

「ん?ああ、同じクラスメイトなだけで特に関わりは無いぞ?戸塚以外は」

 

「…あなたってクラスメイトに覚えられていたのね」

 

「トップカースト様は記憶能力がよろしいようでな。おかげで一度覚えたことは忘れないらしい。特に呼び方とか」

 

「貴方の事を覚えるくらいだから相当記憶を持て余してるのでしょうね。ヒキタニ君?」

 

「おうとりあえずその呼び方をやめろ。要らん思い出がよみがえる」

 

 

本当になんでなんだろうね。一番最初にしっかり自己紹介したはずなのになぁ。

戸塚君は慌てて私をかばうように声を出す。

 

 

「大丈夫だよ!僕は間違えないから…ね?」

 

 

…なんていい子なんだ、戸塚君。

思わず感動してしまい戸塚君の手を取る。

 

 

「戸塚…」

 

「比企谷君…」

 

 

私と戸塚君は手を絡め、近くで見つめあう形になった。

後ろで海老名さん(だっけ?)が鼻血を吹いて何かを叫びながら倒れていった。

小町は小町でおお!と言いながら携帯電話で撮りまくっていた。

少しの間見つめあうと由比ヶ浜さんが割って入って来た。

 

 

「ダメ!そっちに進んじゃダメだよヒッキー!!」

 

「…すまん、つい行動に出てしまった」

 

「ううん、別に気にしてないよ」

 

 

戸塚君から許しの言葉をいただき、改めて平常心に戻る。

その時、近くを通りかかった小学生のグループが気になった。

…いや、どっちかっていうと後ろをついていく女の子が気になってしまった。

 

 

「……」

 

 

雪ノ下も気付いたようでため息をつく。

私はその現状を見てやっぱりいつの時代になっても変わらないんだなぁと少し失望していた。

傍から見ると特に問題がないグループに見えるが、一度経験した人や勘のいい人ならすぐにわかる。

後ろをついて行ってる女の子がハブられている、いじめられていると。

前を行くグループは後ろをちらちら見ており、時折小さく歪んだ笑顔を作っていた。

 

 

「……クソが」

 

 

思わずつぶやいてしまった。

いじめのグループを見てなのか、はたまた現状何もできない自分に対してなのか。

自分のことなのに分からなかった。




はい、24話目でございます。
なんか中途半端なところで止めてしまいましたね…。
最近アイデアが思いつかず、頭に浮かんだものを適当に書いてるからでしょうか?
やっぱりストーリー構成はあらかじめ作っておいた方がいいと身に染みてわかりますね。

書き直しの件なんですが今日から反映し始めようかと思います。
一話一話順にやっていくんで少し時間かかるかもしれませんが…。
これで内容がよりよくなったらいいなぁ。

では今回はここまで!
最後まで見ていただきありがとうございました!
次回25話でお会いしましょう。
サラバダ~ノシ




ルミルミキタァァ!!

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