やはり私の男装生活はまちがっている。   作:空葬

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確認してないので誤字あったらごめんなさい。
では、ドゾー


恐怖の肝試し

あたりが暗くなってきたころ、私達は仮装するための衣装がある部屋に集まっている。

理由は簡単、肝試しで小学生相手に見せつけるためだ。

驚かせる?小学生相手にそんなことできません。

 

 

「…大丈夫かな、留美ちゃん」

 

 

由比ヶ浜さんがそう呟くと同時にこの部屋の雰囲気が下がる。

確かに普通に考えるといい案など思いつかないだろう。

特に〈みんな仲良く〉を心掛けているならなおさら、ね。

 

 

「留美ちゃんがみんなと話すしかない、のかもな。そういう場所も受けてさ」

 

「それだと留美ちゃんが余計責められるだけだと思う…」

 

 

…これ以上話していても無駄だね。

私は手を挙げ、意見を言おうと口を開く。

 

 

「俺に考えがある」

 

「却下」

 

 

雪ノ下さんに即答された。

…せめて案だけでも聞いてよ

 

 

 

 

 

 

「よーし!次はこの班だ!」

 

 

小町と戸塚君が次に行く班を決め、留美ちゃんの入っている班を最後になるよう仕向ける。

留美ちゃんがやってくるまで特に気張ることもなく草の陰からばあと脅かす程度である。

ある程度の光はあるので、正直遊園地にあるお化け屋敷なんかよりも甘々である。

でも私の姿を見る度、驚く人が多いんだよね。

おかしいなぁ、男装しかしてないはずなんだけどなぁ。

 

 

「次はそこの班にしよっか!いってらっしゃい!」

 

 

それにしても小町張り切ってるなぁ。

こういうイベント好きだったっけ?

…今度のハロウィン一緒に仮装して出かけようかな。

そう思っていると由比ヶ浜さんが後ろから肩を叩いてきた

 

 

「ヒッキー、そろそろ留美ちゃん達の番だよ」

 

 

もうそんな時間かぁ、考え事してると時間が進むのって早いなぁ

由比ヶ浜の方を向き、お礼を言いながらその場を離れる

 

 

「センキュ、じゃあ言った通りに動いてくれ。俺もそっちに向かう」

 

「…ねぇ、本当にやるの?」

 

「今更だな、これ以上考えても案が出ないのは確かだろ。さっさと行くぞ」

 

「うん…」

 

 

気分が良くならないのは分かるけど…これは私がやった方が良いんだよ。

私なら…デメリットも低いしね。

 

 

 

 

 

 

 

「やっぱりそんなに怖くなかったね、皆の言う通りだったよ」

 

「だよねぇ、小学生レベルのお化けなんかじゃ驚くわけないよね」

 

「だよねー、なんていうか、おこちゃま過ぎというか」

 

「わかる!」

 

 

私がある場所で待っていると女子四人の声が聞こえる。

グループは五人構成の筈だが、一人の声が全く聞こえない。

しかし、覗き見るとしっかり女子が五人居た。そのうちの喋らない一人は、案の定留美ちゃんだった。

 

 

「あったあった、この札を持って帰ったら終わりだよね」

 

「うん、さっさと帰ろ。時間の無駄だよ」

 

「つまんなかったね~」

 

 

女子四人がお札を取ろうと祠に近づいた。

そのタイミングで私は周りにある灯りを消した。

 

 

「え?なに?停電?」

 

「こんなの聞いてないよ!?」

 

 

そうやって女子がうろたえているうちに私は周りに細工を加えてから灯りを点ける。

…さて、ここからが本番だね。

 

 

「あ、戻った。何だったんだろう?」

 

「先生たちが間違って消しちゃったんじゃないの?」

 

「まあ気にしなくていいんじゃない?はやくもど…あれ?」

 

 

作戦その一

 

 

「「「「ここ…どこ?」」」」

 

 

出口と祠を隠し、別の場所だと錯覚させる。

祠は作り物なので、普通に動かすことが出来るし、出口は…隠してはいないが作り物の草で出口への道を塞いだだけである。

だが、他にも塞いだ道があるのでどこが出口かは一目ではわからないだろう。

 

そして…作戦その二

 

 

「なあ、お前ら。何してんの?」

 

「え?だれ?お兄ちゃん」

 

「俺か?俺は…まあここの住人とでも思ってくれ」

 

 

私が小学生に話し掛ける。

ここまでの小学生の反応を見る限り、私を覚えてる人は居ないようなので丁度よかった。

これは知らない人がやらないと失敗の可能性があるからね。

…で、作戦その三。

 

 

「お前らの事はどうでもいいんだが…何人かここに残ってくれないか?」

 

「え?」

 

「少しやりたいことがあってな…そうだな、三人は残ってくれないか?」

 

「は?お兄さん何言ってんの?」

 

 

まあ、なにも言わずにそんなことを言うと意味が分からないよね。

しかもだらしない格好のせいかなめられてるし…

ま、こっからが大事なんだけどね

 

 

「まあ、なんだ。モルモットがなくなったからその補充かな?」

 

 

そういいながら私が取り出したのは包丁。

…赤い液体付きの

最初は四人共不思議な顔をしていたが、次第に顔を青くしながら騒ぎ出す。

 

 

「静かにしてくれないか?実験続きで気が立ってるんだ」

 

 

私がそういうと四人はおとなしくなった。

頭が痛い…さっさと終わらせたい。

 

 

「まあ、置いて行ってくれたら残り二人は出口まで案内してやるよ。さっさと選べよ」

 

 

その言葉と同時に留美ちゃんを除く女子たちが話し始める

まあ、大方誰が残るか仲間割れをし始めてるんだろうなぁ。

特撮やプリキュア等だったら私が残るから皆は逃げてなど言う人が一人くらい入るのだが…さすが現実、一人もいないや。

そんな時、留美ちゃんがこっちに近づいてこう言った。

 

 

「…私一人で許してくれない?お兄さん」

 

 

OK作戦通り!

留美ちゃんのこの行動は他のグループの肝試しの間にメールで伝えていた。

後はうまく丸く収めるだけ。

 

 

「へぇ、残ってくれるんだ…、しかも自分から進んで。へぇ」

 

「うん、それよりお兄さん」

 

「ん?どうした?」

 

 

留美ちゃんはカメラを目の前に出し、伝えたとおりに行動を起こしてくれた

 

 

「写真、いかが?」

 

 

その瞬間、目の前が真っ白になった。

 

 

 

 

 

 

正直、私にはいじめの解消法なんてわからない。

むしろ無いと思っているぐらいだ。

それを分かっていても、この作戦がうまくいくように願う私が居た。

どうか、これがきっかけでいじめが消えますように、と。

そう願いながら、私は痛む左手を抑えながら合宿場所に戻った。




はい、28話目なのです。
最後投げやりになってしまいました(;・∀・)
投稿遅刻してたので急いで書いてしまったせいですね、ごめんなさい。

オリジナル要素として解決方法を変えてみたのですが…過激すぎですね(汗)
慣れないことはやるべきではないと改めて実感しました(´・ω・`)

どうでもいい補足かもしれませんが、前回の最後、留美ちゃんにメモ握らせたの覚えている方いますでしょうか?
あれは花菜さんの連絡先ですね。
今回メールしたというのは、留美ちゃんがメモで連絡先を知り、その後肝試し中にメールを送り、今回の作戦を知った、という感じです。
ややこしかったらごめんなさい<(_ _)>

はい、こんかいはここまで!
最後になりましたが、読んでいただきありがとうございました。
次こそ、次こそ余裕をもって投稿したい!
では、サラバダ~ノシ

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