やはり私の男装生活はまちがっている。   作:空葬

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テストが近くて急いで勉強しています。
ドゾー


お見舞いの予備

会議室内には今もなお、紙に文字を書きなぐる音とパソコンのキーボードで打ち込む音が絶えることが無かった。

だが、私にはその音がいつもより少なく感じられた。

…無理するなと言ったはずなのに雪ノ下さんが無理をして体を壊したのだ。

私は由比ヶ浜さんにお見舞い行くよう言った後、今日の作業を黙々と続けていた。

由比ヶ浜さんに一緒に行くよう誘われたのだが、それを断り私はいつもの倍以上の活動をしていた。

私の分、居ない人の分、雪ノ下さんの分、分からない人へのアドバイスと手伝い…

正直、頭がさっきから痛い。誰か助けて。

…なんてことも言えず私はPC用メガネをかけながら作業を続ける。

 

 

「比企谷君、大丈夫?」

 

 

呼ばれた方を向くと、城廻先輩がこちらを見ていた。

先輩の腕にはジュースが入ったビニール袋がある。

どうやら外への用事を終わらすと同時に委員への差し入れを買って来たらしい。気が利くなぁ。

 

 

「…比企谷君って、メガネ似合うんだね」

 

「何の話ですか…とにかくお疲れ様です」

 

「うんお疲れ。あ、これ比企谷君の分ね」

 

 

そう言いながら城廻先輩は紅茶花伝を手渡してきた。

水分だ!栄養だ!これで勝つる!

…なんて言えたらなんて楽な仕事なのだろう。

 

 

「そうじゃなかった、比企谷君大丈夫なの?」

 

「まあ、別に問題は無いですよ。いつも早く終わってたのが最後まで残ってしまう量になっただけですし」

 

「そう?ならいいけど…」

 

 

そういいながら先輩は他の子の所へと歩いて行った。

…明日が休みで本当に良かった。

そう思いながら私は目の前にある書類を仕上げていく。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「あ”~、疲れた」

 

 

案の定私は最後の最後まで残り、今日の課題を終わらせた。

目の前がチカチカしてる…あはは、お星さまがいっぱいだぁ。

冗談はさておき、私は今自宅ではなく、ある場所へと向かっている。

今日、体を壊した雪ノ下さんの所へと向かっていた。

正直お見舞いの品を渡して帰ろうかと思ったが、由比ヶ浜さん情報により少し中に入らせてもらおうかと思う。

 

 

『ヒッキー、ゆきのん風邪が治って元気そうだったよ!(#^^#)

でも私が行くまでパソコンを弄ってたみたい(;´・ω・)

私が帰った後またやってるかもだからヒッキー良ければ止めてくれない?(;・∀・)

力不足でごめん!<(_ _)> あとはよろしく!(`・ω・´)ゞ』

 

 

…あのバカ真面目様は家でも休憩することなく作業してたみたい。

そのせいで悪化するなんて笑える話ではないので止めに行く、というわけです。

でも…私一人で行っても門前払いされる可能性があるので

 

 

「雪ノ下さんの家…僕初めてだよ!」

 

 

スペシャルゲスト、部活帰りで時間が丁度良かった戸塚君に来ていただきました。

お見舞いに行かないかと誘ったところ、むしろ行きたいと言ってくれたので連れてきました。

まあ、これで入らせてもらえる…と思う。

由比ヶ浜さんに手伝ってもらい、戸塚君がお見舞いに行くことを雪ノ下さんに伝えてもらいました。

だから戸塚君がいきなり行っても怪しまれること無し!

ふふふ、完璧です!(穴だらけ)

 

 

「そういえば比企谷さん、大丈夫なの?さっきから少しだけふらふらしてるように見えるけど」

 

「あ、うん。今日が少し大変だっただけで別に問題は無いよ。明日休みだしね」

 

「無理しないでね?また倒れる、なんてことしないでね」

 

 

戸塚君は少し怒りながらそう言った。

あの時はいろいろお世話になりました。

まあ、私もしんどくなるのやだし、これ以上働くつもりもないので

 

 

「うん、ありがとう。今日帰ってからじっくり休むよ」

 

 

そう言った


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