やはり私の男装生活はまちがっている。   作:空葬

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遅れてごめんなさい!
自分でなに書いてるかわからない状態で書きなぐってしまいました。
では、ドゾー


修学旅行前日の夜

あの日からやる気が出るわけもなく、毎日気を使う毎日を過ごすだけになっていた。

家に帰り、ご飯を食べ、お風呂に入り、寝る。

毎日その繰り返し…それでも、いい案というものは出てこなかった。

 

 

「お姉ちゃん、はいこれ」

 

「ん、ありがと」

 

 

そして、とうとう修学旅行前日の夜。

私は小町に手伝ってもらいながら荷物の整理をしている。

薬とサラシと、後は…一応ウォーク◯ン持って行こっと。

後は下着とか洗面道具とか大事なもの入れてっと。

よし、多分これでOK。

 

 

「お姉ちゃん、カメラ忘れてるよー」

 

「ん、ありがと」

 

カメラは正直持っていくか迷ったけど、まあ思い出として残すのもアリだろう。

 

 

『明日からまた一段と寒くなる見込みです。全国の天気を…』

 

「んー、これ以上寒くなっちゃったら冬凍え死んじゃうよ」

 

「私が先に凍死しそうね」

 

「お姉ちゃん寒がりだからねぇ」

 

 

妹の言葉に少しムッとしながら今日の晩御飯を机の上に並べる。

明日から少なくとも3日は小町一人で晩御飯を過ごすことになる。

その時に小町は何を思うのか。

手に取るようにわかる、なんてエスパーじゃあるまいしわかる訳がない。

でも…

 

 

「小町」

 

「ん?なーに?」

 

「今日一緒に寝よっか。なんか起きれなさそうでさ」

 

「…ふふふ。仕方ないなぁ」

 

 

 

 

 

 

 

お風呂から上がり、自分の部屋に入る。

明日の持ち物を一つの場所に固め、制服の上に充電中のスマホとカメラを置いておく。

他に持っていくもの無いかと探していると、あるものを見つけた。

 

 

《ふふ、誕生日おめでとう。これからもよろしくね》

 

 

戸塚君から貰った誕生日プレゼントのマフラーだ。

…明日からまた一段と冷え込むんだっけ?

本人の前で着用するの少し恥ずかしいけど…。

使わないで飾ったままよりはマシだよね。

 

 

「お姉ちゃんお風呂あがったよー!ってそのマフラーなに?」

 

 

…い、今首元寒かっただけだし。

別に早く着けてみたいなんて気持ちになってないし!

 

 

「ん、じゃあ一緒に寝よっか」

 

「了解であります!とう!」

 

 

小町は私のベッドにダイブした。

そして布団を広げ

 

 

「さああなた、いらっしゃい」

 

「いや誰?」

 

 

それに私のベッドだからね?

 

 

 

 

 

 

電気を消し、ベッドの近くにあるライトを点ける。

 

 

「やっぱりそれは欠かせない?」

 

「まだ、ね。真っ暗はまだまだ慣れないかなぁ」

 

 

苦笑いしながらベッドの中に入る。

うぅ〜。この暖かさ。やっぱりベッドはいいね〜。

この包まれてる感じ、楽できる姿勢にさせてくれる。

もう私ベッドと結婚しようかなぁ。

 

 

「じゃあおやすみ〜」

 

「おやすみ」

 

 

私達はそのまま目を閉じた。

 

 

 

 

時間はもうすでに1時、明日…というか今日?

今日朝早いのに眠れないでいた。

今から寝ても遅刻しそうだし…このまま起きておこうかなぁ。

 

 

「…お姉ちゃん、眠れないんだね」

 

「うん、何故かわからないけどね」

 

「楽しみなんでしょ〜。初めての京都、良いなぁ。」

 

「小町も高校生になったら多分行けるよ」

 

「うん。…今日さ、お姉ちゃんは修学旅行に行くんだよね」

 

「やっぱり寂しい?」

 

「うん…」

 

 

小町の顔には少し悲しさが混じっている。

やっぱり小町一人置いて出かけるのは少し気が引けてしまうなぁ。

 

 

「でも、それだけじゃ無いんだよね」

 

「??」

 

「お姉ちゃんを一人にするのが少し怖くてさ」

 

「…」

 

「お姉ちゃん一人にしちゃったら壊れそうで…無理しそうで…無茶しそうだから怖いんだ」

 

 

小町の顔が悲痛な顔へと変わっていっていた。

今までの前例があるからなにも言えない。

唯一出来ることは…その不安を和らげることかな。

 

 

「大丈夫、今回は修学旅行に行くだけだからそんなことないよ」

 

「夏休みの合宿…」

 

「うっ」

 

 

小町にジト目で見られる。

やめて!私の事そんな目で見ないで!

 

 

「…修学旅行、楽しんできてね。小町との約束だよ?」

 

「ふふ、お姉ちゃんに任せなさい」

 

「なにそれ」

 

 

ふぅ、笑顔になってくれたしもう大丈夫かな?

約束か…絶対に楽しまないとね。

 

 

 

 

「それにしてもお姉ちゃん、また大きくなった?」

 

「ん?あー、多分大きくなったと思う」

 

「ううう、遺伝子はほとんど同じはずなのに…」


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