ARIA †Rilanciare la Colore†   作:自分不器用ですから

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動画サイトで久しぶりにARIAをみたらなんか発掘してしまいました(´_ゝ`)
数年も前に書いた疎い文章なので期待はなさらず・・・今も変わらないか(゜レ゜)


第一話~その水先案内人との出会いに~

 

 

 

 

 

 

色・・・それは世界を現すモノ。

全ての世界に色がある。海は蒼、雲は白、木々は緑、その存在を示すのは色だ。

ならその色が無いとしたら?どうなってしまうのだろうか・・・僕はその色を受け入

れられない、だから世界にある本当の色が分からない・・いや分かりたくない。

それに踏み入ったら僕はまた過去の色を思い出さなくてはならなくなる。

だから僕の世界に「その色」は存在しない・・・見えなくしてしまったんだ。

 

・・・・・・・・・・・・・・。

 

「・・・・なく水の惑星・アクアへ到着いたします。お荷物お忘れの無いよう・・」

 

そこで僕の意識は覚醒した。気が付くと眼下には蒼に染まる街・観光都市ネオ・ヴェ

ネツィアが見えてくる。惑星改造によって生まれ変わり水の惑星と呼ばれる、アクア。

僕の名前はカイト・F・コローレ。地球(マンホーム)の美術学校で画家の研修生だ。

学校の先生から言われてこの星にやってきたのだが理由は自分の絵を取り戻すためで

ある事件以来、僕は描くすべての絵が安全で自分の「色」を出せていない絵ばかりだっ

たために数カ月の研修をここでする事になった。

 

「確かに風景としては素晴らしいよね・・でも・・僕じゃ何を描いても・・・」

 

いきなり後ろ向きな事を呟いてしまう。それを変えるためにここにやってきたというのに。

 

「やめよう。こんなんじゃまた・・」

 

ここへ出向く前の日にスケッチブックを新しく買った。前に使っていたスケッチブック

もまだ使えるけど心機一転、もう一度、最初からしてみようと気持ちからでも変えよう

とした・・・なのにまたこんな調子では先が自分で思いやられる。

そうこうしていると空港についた。船から降りて空港に入り、ゲートから街へ出る。

 

「うわぁ~・・・これがネオ・べネツィアなのか。噂には聞いてたけど綺麗な街並みだ」

 

一たび空港から降りて街を見てみるとかつて地球にあった実際の街並みを忠実に再現し

た建築形式や石畳の色合いなどもどれも地球とは全てが違う光景だった。

そして愛用のエアースケーターのパーツを専用に作った靴に装着し、前を見る。

これは空気圧を利用して少し宙に浮いて滑る事が出来る。これで水の上を少しくらいな

ら移動する事も出来るし、遅刻しそうな時にショートカットも出来たりするんだ。

 

「ここなら・・・少し変えられるかもしれないかな・・・。さて行ってみるか」

 

だが先生がやらかしていた。指定された宿に行ってみると予約が入っていないという。

急いで地球の先生に連絡をいれたのだが返事が「あ~!すまん、すまん!」だった。

そうだ・・そういえばあの先生は言う事は為になるんだけど性格がいい言い方をすれ

ば豪快、悪く言えば微妙に無頓着なところがあり、何故か憎めない人だった。が・・。

 

「先生・・・さすがにこれは恨みますよ・・・(泣)」

 

しかたがなく僕は泊まるための宿を探す事にしたのだが土地勘など無いし、指定され

た宿以外知るわけもない。いきなり手詰まりになってしまった。

こういう場合は地元の人に聞くのがいいかなと店の人に宿について話を聞いてみた。

 

「うん~。でも今は観光客が一番集まるカーニバルの最中だから宿はいっぱいかもね」

 

「うっ・・・そんな・・。わかりました、とりあえずこの宿など当たってみます」

 

ダメ元で宿の住所と道のりを書いて貰い、それを頼りに宿を周ってみる事にした。

・・・・・それから数時間経って。

 

「くそぉ・・疲れた。これがあるお陰でまだこれで済んだけど歩きじゃ死ぬな」

 

結局、全部の宿は全滅。どの部屋も満杯で入れなかった。

というか待てよ・・これって野宿しろって事か?金銭的なものはあるから食べる事に

関しては問題はないとしてもこっちは季節的に春前で冷えそうだ。

 

「本気であの先生、今度会ったら天罰決定だ・・・僕もさすがに許さん」

 

脳内に再生される我が恩師の顔を思い浮かべながら密かに僕はそう誓った。

 

「ってそんな事してる場合じゃない。宿をどうするかだ、他に何かいい方法は・・」

 

ふと気が付いた。僕の隣にいつの間にか女の子が座っている。

 

「・・・・・・」

 

「君は・・・?」

 

見た目的にまだ10歳いくかいかないかくらいかな?なんか不思議な瞳をしている。

ただの小さい女の子・・のはずなのに妙に引き込まれる気がする。

 

「お兄ちゃん、お絵かきするの?」

 

「えっ?」

 

その子が僕の持っている荷物にあるスケッチブックを指差して聞いてくる。

そして気が付いたんだけど彼女もスケッチブックとクレヨンを持っていた。

 

「あぁ、だったら一緒にお絵かきするかい?」

 

「うん、する」

 

こんな時はとりあえず落ち着いた方がいい。女の子もお絵かきしたいっていうんだか

らちょっと気分転換も必要だよね。

だけど女の子はこっちを向いてじぃ~と僕の顔を見てクレヨンで絵を描き始める。

 

「(もしかして僕を描いてるのかな?僕もこの子を描いてみよう)」

 

そして僕も彼女の方を向いてお互いに相手の似顔絵を描くことになった。

 

「(すごく綺麗な肌だな・・透明感というか・・色あいは・・エクルベイジュか)」

 

一番、目についたのはその瞳の色。

 

「(へぇ~、ピジョンブラッドか。珍しい・・えっ・・ピジョンブラッド・・?)」

 

僕は言い知れぬ違和感に襲われる。何故、僕は「その色」を認識したんだ?

なんでそれがピジョンブラッドだと目で認識してる?なんで「その色」が見えてる?

 

「お兄ちゃん、駄目だよ・・・とっても綺麗な色なんだよ。その色は・・・」

 

「き・・君は・・・」

 

「思い出して・・そして・・染めて・・世界を・・・わたし達に・・取戻し・て」

 

何なんだ・・?この子は何で「その色」の事を知ってる?何を言っているんだ?

 

「・・あの」

 

「っ!」

 

そのとき、誰かに肩を叩かれて我に返る。すると目の前にいた少女が消えていた。

 

「・・・・・今のは・・・」

 

「あの大丈夫ですか?顔色がすぐれないようですけど?」

 

「あ・・あぁ、大丈夫です、ご心配をおかけし・・・・」

 

振り返った僕の目に見えてきたのはまず陽の光に輝く黄昏の金色(トワイライト・ゴールド)だった。

 

「どうかされましたか?さっきからずっと絵を描いていたようですけど」

 

そこにいたのはボリュームのある金色の髪を三つ編みに束ね、白をベースにして蒼

でラインや文様が掛かれた服を着ている女性で自分と同い年くらいな気がする。

 

「え・・ええ。さっきまで女の子と絵描きをしてて・・帰ってしまったみたいですけど」

 

とりあえずさっきの事は伏せておこう。言っても信じて貰えるような事じゃない。

だがここで気付いたのはこの人の制服。確かこの街で観光をやってる水先案内人(ウンディーネ)

だったと思い出す、この人なら宿泊施設の情報とかを知っているかもしれない。

 

「あの実は・・・」

 

それから事の顛末と宿についての情報を聞く。一応、回った宿のリストも見せる。

 

「この宿がダメとなるともうないわね・・・。カーニバルはしばらくあるからそれを

 考えるとしばらくは泊まれそうにないと思うわ」

 

「う・・そんな」

 

これは本格的に野宿決定な事になりそうだ。しかたがないせめて毛布くらい買おう。

などとこれからの事について本格的に考えていたらその女性が話しかけてくる。

 

「でしたらうちの事務所なんですがカーニバルの期間中だけお泊りになりますか?」

 

「えっ!?本当ですか!」

 

女性の話によると彼女はこの街にある水先案内人の会社の1つ【ARIAカンパニー】

で働いている人のようで今現在は後輩が住んでいる事務所兼住まいだというのだがそ

れでも良ければカーニバルが終わり、宿に空きが出るまで泊めてくれるという。

 

「それだとその後輩の方が困るんじゃ・・・?」

 

「大丈夫よ、灯里ちゃんなら歓迎してくれると思うわ、うふふ♪」

 

なんというか・・・天使がいるならこの人のような女性なんだろうなと思う。芸術とし

て天使や架空の存在を見た事はあるが現実にこんな人がいるのかと思っていた。

 

「わたしはアリシア・フローレンス。あなたは?」

 

「僕はカイト・F・コローレといいます。美術学校の1年生です」

 

「うふふ、よろしくね」

 

「こちらこそ」

 

握手を交わした僕はアリシアさんのゴンドラに乗せてもらえる事になった。確かこの

人って水の三大妖精って言われるくらい凄い水先案内人だったと思う。

予約もいっぱいでなかなか取れないらしいがこれはある意味でラッキーかな?

 

「でもその絵、とても綺麗ね」

 

「綺麗っていってもまだラフスケッチを修正したくらいですから絵としてはまだ」

 

「でもあなたの絵は温かさを感じるわ。その女の子もとても穏やかな顔をしてるし」

 

「温かい・・・ですか?」

 

そんな風に言われたのは初めてで僕は自分の絵をもう一度、見てみる。

何でだろう自分でも分からない。確かにこの絵は僕が今まで描いてきた絵とは違って

絵がちゃんと「生きていた」んだ、いつもの僕の絵は「描かれている」と言われてた。

 

「何であの子の絵が生きているんだろ・・何が違ったんだ、あの時の僕は・・?」

 

「カイトくん?」

 

「ああ、すいません。久々にいいのが描けたのかなって思って」

 

「あらあら、うふふ♪」

 

何故、だかアリシアさんって癒し・・だよなぁ~。人気があるのも分かる気がする。

 

「ぷいにゅ~」

 

「・・・・・」

 

今気づいたのだがゴンドラに猫・・?みたいな生き物が乗っていて頭にはアリシア

さんが被っている物と同じ帽子をかぶっているのだが何なんだ、この子は?

 

「その猫はアリア社長っていうのよ。ARIAカンパニーの社長なの」

 

「しゃ・・社長!?猫がですか!?」

 

話によれば各水先案内人の会社にはその会社を象徴する猫を社長にする風習がある。

その猫の条件は蒼い瞳らしく、確かにアリア社長の瞳は透き通る蒼だった。

 

「ぷい、ぷ、ぷいにゃ~!ぷい~」

 

「えっ?自分の絵を描いてくれ?別に構わないけど。それじゃそこに座ってね」

 

「あらあら~。もしかしてアリア社長の言ってる事が分るの?」

 

「いえ、何となくジェスチャーとニュアンス的なもので・・そうかな?と」

 

自分でもよく分からないんだけどアリア社長がそう言ってると思ったんだ。

 

「ぷいにゅ~!」

 

どうやら早く描いてくれと言っているらしい。モデルを待たせちゃ駄目だよね?

 

「わかりました、今描きますからね。アリア社長」

 

「うふふ、よかったですね、アリア社長?」

 

「ぷい、ぷいにゅ~」

 

あれだね、アリア社長も和みだね。なんというか、お腹のもちもちポンポン的な意味で。

 

「見えてきたわ、あれがARIAカンパニーよ」

 

それは海の上に建てられた一軒家で白を基調に塗られている綺麗な家だった。

すると中から人が出てきた。アリシアさんと同じ制服を着てるから彼女が後輩かな?

 

「アリシアさ~ん!おかえりなさ~い!」

 

「あらあら、ただいま、灯里ちゃん」

 

「ぷいにゅ~!」

 

ゴンドラが海に伸びる階段の前で止まり、僕が降りようとするとその少女が手を差出す。

 

「お手をどうぞ。ようこそ、ARIAカンパニーへ♪」

 

「あ・・うん、ありがとう」

 

何というか天真爛漫って言葉が似合う子だなと思う。前髪サイドを伸ばしてそれを結

んだ長い綺麗なエーテル色の髪をしている女の子だった。

 

「この子がわたしの後輩で水無 灯里ちゃん。こちらは・・・」

 

そういってアリシアさんが灯里ちゃんに事情を説明してこれからしばらくお世話にな

る事も説明してくれた。

 

「はひっ!よろしくお願いします、カイトさん!」

 

「ああ、よろしく、灯里ちゃん!」

 

その手を取って僕はARIAカンパニーに降り立った。

この日から僕の水の惑星・アクアで始まる摩訶不思議で様々な世界の色と出会ってい

くネオ・ヴェネツィアでのやさしい時間が始まっていくことになるのだった・・・。

 

 

 

 

 





次回、ARIA the STORY†Rilanciare la Colore†

     第2話 その瞬く星々に・・・、お楽しみに。

「自分で自分をおしまいにしない限りきっと本当に遅いことなんてないんです」
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