ARIA †Rilanciare la Colore† 作:自分不器用ですから
「ARIAカンパニーの彩色パリーナの設計図を考えてほしい?」
「はひっ!」
その日、僕は灯里ちゃんが頼みたい事があるというので広場で街合わせて喫茶店
でお茶をしながら一体、どういった内容なのかを聞いていた。
「というかパリーナって何なの?」
「パリーナというのはですね、ゴンドラを繋ぎとめる役目があるんですけれどそ
の他にもこれを何本も集めたプリコラには番号がふられていて自分の位置を知
る目印にもなるんですよ~!」
「あぁ~・・・そういえばアリシアに夜の散歩に連れて行ってもらった時に見た
事あるな。物凄いデカい木の杭の集まりがそこかしこにあったよ」
この他にも店や個人の家には彩色パリーナという色やデザインが一つ一つ異なる
パリーナが立てられているのだとか。
しかしそこで灯里ちゃんはARIAカンパニーにはそれが無い事に気が付いた。
「アリシアさんに聞いてみたら入社した当時から無かったから気にした事もなか
ったらしくて。そしたらわたしにそれのデザインを描いてみないかって」
「(アリシア・・・少しは疑問に持った方がいいんじゃないの・・・?)」
僕はそんな事を心に想いながらも灯里ちゃんの話に耳を傾ける。
「出来れば本業のカイトさんにも手伝ってもらいたいんです。駄目・・ですか?」
いえ・・そんな目で見られて駄目といえる男はいないと思うんですが・・・。な
んか灯里ちゃんって無防備過ぎるというか、心臓に悪い事たまにするからな。
「わかった、僕も出来るだけ手伝うよ。メインは灯里ちゃんが決めなきゃ駄目だよ?」
「はひっ♪ありがとうございます~!」
こうして僕は灯里ちゃんと一緒にARIAカンパニーの彩色パリーナのデザイン
を考える事になったわけなんだけれどこういった物は初めてなので僕はまず街に
あるいろいろな彩色パリーナを見て回る事にした。
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「こうしてみるとこのパリーナというのも奥が深いんだな」
あれから数日、街の至る所にある彩色パリーナを見て回ったけれどただ彩色をし
ていただけではなくてその場所を象徴する文様だったり、色であったり、または
それに施す装飾によってメッセージを込めていたりだとか絵柄などはシンプルな
モノが多いにせよ、奥深さも求められるデザインが必要なようだ。
「なかなか難しい事になってきたな・・・ARIAカンパニーか~・・・・」
(お兄さん、どうしたの?何か嫌な事あった?お顔が暗いよ?)
すると僕の中に1人の少女の声が響く。
「(大丈夫だよ、ラズリンティス。考え事してたいだけだから)」
あれ以来、僕と蒼のフロマ基『ラズリンティス』は深層世界で会話をする事が出
来るようになっていた。ラズリンティスはギリシャ語で和名を『瑠璃色』、青色
を表す言葉では最も高い意味を表すウルトラマインの別名でもある。
(よかった・・・頑張ってね、お兄さん?)
それだけ言うと彼女はまた僕の深層世界へと消えていった。
「ラズリンティスからも応援されたし、頑張っていきますか~!」
僕は朝食を済ませるともう一度、ARIAカンパニーを見に会社へと戻った。
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「ただいま~・・・って誰もいない」
帰ってきたものの誰もいないので1人でARIAカンパニーを色々な角度から
見ながらデザインの糸口になるものを探してみる事にした。
「ちょっと痛んでいるところもあるけど綺麗にされてるよな~?毎日、灯里ち
ゃんにアリシアが掃除してるし、構造もしっかりされてるな」
建築物を以前書いた時に少し建築学も噛んだので少しは理解出来る処がある。
「ここも考えてみるとアリシアがペア時代から使ってるんだよな。それが後輩
の灯里ちゃんに引き継がれて・・・歴史を感じる部屋でもあるよね」
ふと見てみると奥の部屋の扉が開いていてそこから話し声が聞こえてきた。
「灯里ちゃん?」
「ああ!カイトさん、見てください。これ昔の会社の写真ですよ~!」
「どれどれ?」
アルバムには色々な写真が載っていてその中の一枚にウェーブかかったロング
へアーに例えるなら聖母のような慈悲の笑みを浮べている女性と何とも若々し
いアリア社長が映っている写真がアルバムに挟まれていた。
「これは・・・・?」
「これもしかしてグランマ!アリア社長も若~い!」
灯里ちゃんからでた『グランマ』という言葉が不思議に思っていると説明して
くれた。グランマというのはARIAカンパニーの創設者で最高齢引退、30
年間トッププリマという偉大な記録から『伝説の大妖精』『グランドマザー』
と呼ばれ今でも目標とされる人らしい。
「へぇ~・・・そんな人がいたんだ。んっ、これは・・・・」
アルバムの最後のページに何か紙が挟まっていてそれを開いてみてみた。
「これって・・・・パリーナの画ですか?」
「そうみたいだね。それにこれの日付、丁度、グランマがここを建てて少したっ
たくらいの年代だからかなり前のモノだよ」
その紙にはパリーナのラフスケッチが書かれていた。少しではあるが色も塗られ
ていたけれどほとんど未完成のまま放置されているような感じだった。
「これって昔にパリーナを作ろうとしてたって事ですよね?」
「だろうね。でも原案まで出来てたのに何で作られなかったのかな?」
「アリア社長、何か知ってませんか?」
「ぷいにゅ~い」
さすがにそこまでは分からないという感じのアリア社長。まぁ、この頃だったら
まだ社長だって子供くらいの歳だろうから覚えているはずもないか。
だけれどこのデザインというのはある意味では僕にとって糸口になりそうでもあ
るので偶然でもこの発見は助かるものだった。
「僕、図書館にいってくるよ。デザインの文様とか、ちょっと調べたいんだ。そ
れとこのデッサン、借りていっていいかな?」
「はひっ!わたしもいろいろと考えてみます~」
「うん」
僕はデッサンをしまって一度、図書館へ向かう事にした。
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「と来てみたはいいものの・・・結局はろくなアイディアが浮かばなかった」
デザインを元に文献や、この星の文化から生まれた文様などを調べながらAR
IAカンパニーを象徴するようなパリーナデザインを考えていたのだが少しだ
けぼんやりとしたイメージが浮ぶ程度ではっきりとは定まらなかった。
「ARIAカンパニーのイメージ・・・白塗りで海と空に囲まれて・・・・」
だが考えに集中し過ぎて前から人が来たのに気が付かなかった。
「きゃっ!?」
「うわっ!?・・・ってすいません、大丈夫ですか!」
ぶつかったのは40代くらいの女性で当たった拍子にスケッチブックや参考資
料などをぶちまけてしまい、急いで拾い集める。
「す、すいません。前をしっかり見ていなくて・・・・!」
「あらあら、わたしも手伝うから。落ち着いてね・・・・これって・・・・」
その人が貸してもらったパリーナのデッサン図を見た女性が驚いたような声を
上げて震えた手でそのデッサン図を拾い上げた。
「これは・・・・なんて懐かしいのかしら」
「えっ!それを知ってるんですか?」
「もちろんよ。これはわたしが現役時代に描いたものだから。まだ残ってたのね」
「現役時代ってもしかしてあなたはARIAカンパニーの創設世代の方なんで
すか?そのパリーナのデザインを描いたのもあなた?」
「ええ、グランマにプリマに昇格した後辺りに作りましょうかって話になって
ね・・・あなたももしかしてARIAカンパニーに関係ある子なのかしら?」
とりあえず僕は今までのこの星に来るまでの経緯やこのデッサン図を持ってい
るのかも話すと何か懐かしむ様な目でその絵を見つめて話を切り出す。
「立ち話もなんでしょうから今からわたしの家でお茶なんていかがかしら?そ
こで昔話をちょっと聞いて貰いたいわ」
「・・・・・!はい、ぜひ」
僕はその言葉に甘えてARIAカンパニーの創設メンバーだった元水先案内人だ
った人『クリス・マーガレット』さんの自宅に行かせてもらう事にした。
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「はい、どうぞ。特製の生クリームのせコーヒーゼリーよ~?」
「あっ、どうも」
手渡されたコーヒーゼリーを一口食べてみるととても上品な生クリームの滑らか
さと口どけの良さが際立って料理好きな僕でも感嘆の声を漏らした。
尚且つ、ゼリー自体もいい珈琲を使用しているのか、風味との相性もバッチリだ。
「それにしてもこんなものがまだ残ってたなんて。懐かしいわね~・・・・」
それから昔のARIAカンパニーの話をしてくれた。
「会社が出来てわたしが第一期の新入社員で最初は2人で始めたの」
最初の頃は客足もあまり無かったがグランマ、本名を『天地 秋乃』さんの人気
もあってか、次第に忙しくなり、クリスさんもプリマ昇格後、新しい新入社員や
忙しさが姫屋よりないにしろ忙しくなったらしい。
「これはプリマに昇格して少し経った辺りにグランマからうちもパリーナを立て
ましょうかと話があってそれでわたしがデザインを描いていたんだけれどさっ
き言った通りに忙しさに流されていつの間にか忘れてしまったのよ」
「そうだったんですか」
「今になって何故、これを?」
「実は今、ARIAカンパニーでシングルをしている子がパリーナを創る事にな
って僕もデザインを考える事になったんですが偶然、見つけてこれを参考資料
にしているんですがなかなかイメージが湧かなくて」
何故か、もう少しのところまできている気がするのに鮮明さが増してこない。
「それはあなたがまだARIAカンパニーという場所をイメージで追い過ぎてい
るからじゃないかしらね」
「イメージで追い過ぎてる・・・ですか?」
「パリーナをゼロから作ろうとしてイメージばかりで急ぎ過ぎているから本来の
姿が見えないのかもしれないわよ?ARIAカンパニーはゼロじゃないわ、わ
たしやその後輩達が積み重ねてきた歴史がある」
そういって懐かしむ目で視線を向けた先を見てみるとそこにはグランマにクリス
さんに引退する少し前に入社した後輩と取っている写真があった。
「イメージじゃなくてそこにあるARIAカンパニーを見つめれば意外と簡単に
鮮明に見えなかったあなたのイメージが現実のモノに固まるんじゃないかしら」
建物だけじゃなく、そこにいた人、そして今いる者、ARIAカンパニーの全て
を見てみる事でパリーナに具現化するデザインが出来るのではないかとクリスさ
んは提案してくる。確かにイメージだけで考えようとしていた節はあった。
「あの時のわたしも今思うととても勿体ない事をしてたように思えるわね~。と
ても楽しくて満ち足りた素敵な日々だったのにあっという間に過ぎていってし
まってそんな当たり前だった時間の愛おしさに後々気付いて・・・」
そんな当たり前な日々、小さい事なのかもしれないけれどその1つ1つを楽しん
でいられたら・・・前にアリシアが言っていた言葉を想い出した。
今の僕はとても充実した日々を送っている。前の自分では考えられないくらいに
世界が輝いて見えるし、この星にきて出来た仲間やであった人達のお陰で信じら
れないくらいに笑えていた。でも取り逃している楽しさがあったかもしれない。
「でもこのデザイン図を見たら思い出すわ~。あの頃の本当に些細だけど幸せな
ARIAカンパニーで過ごした時間を・・・昨日の事のように浮かんでくる」
本当に簡単なデザインを描いただけの一枚の紙でもクリスさんにとっては昔の自
分と出会うことが出来るモノなんだな~と思ったのだが僕は思った。
これから作るパリーナもいつか歳をとった僕が見たとき、今の悩みながら歩いき
始めた自分や出来た楽しい想い出とであるようになるのだろうかと。
「(ありのままのARIAカンパニー・・・なんだかわかった気がする)」
なんとなくだけれど自分の中には引掛りがとれたような、靄が晴れてきた。
「クリスさん、出来上がったらパリーナを見に来てください」
「ええ、ぜひ行かせてもらうわ」
そこで固い握手を交わした僕はARIAカンパニーに戻った。
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「えっ!グランマが来てたの?」
「はい、カイトさんの話もしたら今度会ってみたいって言ってましたよ~♪あ
っ、それとこれ!グランマが持ってきてくれたとうきびです~!」
丁度よく茹でてくれていたらしく綺麗な黄色に茹で上がったともろこしが出て
きてそれを熱々のところでいただいたのだがとても甘くて美味しかった。
「カイトさん、なんだかわたし少しデザインの事が分った気がします」
「実は僕もね。なんとなくだけど道筋が見えてきた気がするんだ」
そういって顔を見合わせて笑みを見せ合うと声をそろえて言った。
「「頑張ってARIAカンパニーのパリーナ作ろう~!」」
こうしてそれから僕と灯里ちゃんの2人で一緒にパリーナのデザインに取り掛った。
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「海の色は蒼い色・・・風の音は白い色・・・わたしも大好きな色をこの絵を描
いた人も好きだったんだろうな~ってわたし想うんです」
これを聞いた僕は今日会ったクリスさんの話をした。
「えっ!これを描いた方に会えたんですか、カイトさん!」
「うん。昔の話だとか、いろんなことを聞いてきた。後はイメージだけを追い過
ぎてた事にも気づかせてもらって僕と灯里ちゃんが今実際に見てるARIAカ
ンパニーを具現化させたらって言われてデザインが固まったんだ」
そういうと僕は灯里ちゃんの意見も取り入れながらデザインを進めていく。そし
て最後にパリーナに描く模様になったのだが僕の中ではすでに決まっていた。
見つめたのは灯里ちゃんが来ているARIAカンパニーの制服の模様だった。
「色はシンプルでいい。灯里ちゃんの感じた青と白、それに僕が感じたARIA
カンパニーの象徴的な模様にアレンジも加えて・・・・」
こうして僕と灯里ちゃんはパリーナのデザインを描き終える事が出来たのだった。
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「どうかな、アリシア?」
「とても素敵だと思うわ、完成が楽しみ♪」
「はひっ、頑張りましょうね、アリア社長!」
「ぷいっちゅ~い!」
もちろん!っと言っているようで机の下から顔をだし賛同する社長。さてこれか
らが本番だ、頑張らないと!
「オーラーイ、オーラーイ」
まずはパリーナの元となる大きな丸太をウッディーさんに運び込んでもらい早速
取り掛る。灯里ちゃんがメインで線図を引き、僕は指示しながら補助に周ってア
リア社長はペンや定規などの道具交換を頼んだ。
「おぉ~、やってる、やってる」
しばらくして藍華ちゃんとアリスちゃんもやってきた。
「何かお手伝いしましょうか?」
「猫の手も借りたいくらいでしょー?」
しかしここで手伝ってくれている”猫の手”が主張する。
「ぷ~い!」
「ありがとう、でももうちょっと頑張ってみたいから」
「んじゃ、気合入れてがんばんなさいよ~!」
「でっかい楽しみにしてますから、カイトさん」
「うん、わかった。いいパリーナにしてみせるよ!」
2人を見送って僕と灯里ちゃんは作業に一艘、没頭した。
そして線図を描き終えて今度は着色作業に入る。絵にも言えることだがこの作業
のぬり方1つで見た目が大きく左右されるので重要な段階でもある。
「ふぅ~・・・・」
汗をぬぐう灯里ちゃん。あっ、おでこにペンキが・・・・。
「ぷっ、ぷっぷぷいぷいぷいぷい♪」
おや?アリア社長も気付いたかな、それはさすがに笑・・って、おい。
「はひっ!?もしかしてわたし顔にペンキついてますかー!?」
そこで灯里ちゃんも気付いたようだ笑っているアリア社長の状態を。さっきペン
キの蓋を開けようとしていたのだがどうやら勢い余って自分の顔に蓋の縁部分が
ついたらしく、顔には綺麗な青丸が出来ていた。
「「アリア社長・・・・(汗」」
こんな事もあったが作業も終盤に入ってきた。
「(青・・・それは、海と空の色 ARIAカンパニーが出来た時から変わらな
い色、これからもずっと)」
「(パリーナをARIAカンパニーとするならそれを彩る色はこの場所を表して
いる色だ、ならその色は海と空の青、そして風や雲の白、これだ)」
こうして僕達の作業は夕方まで続いた。
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「あらあら、まぁ~♪」
「あっ、おかえなさい」
「おかえり、アリシア」
「完成したのね、素晴らしい出来だわ」
出来たパリーナは頭を球体にそして白をベースに青でARIAカンパニーの制服
の模様を描いたシンプルな彩色パリーナに仕上げた。
「そうだ、今日はここでディナーにしようよ。パリーナ完成を祝ってさ」
というより元からそのつもりで出来上がってから夕飯もすでに準備していた。
「はひっ♪」「そうしましょう♪」「ぷい~!」
そしてアリシアのゴンドラに3人と社長で座り、アリシアがグランマから貰った
とうきびで作ったコーンポタージュをふるまってくれた。
素材本来の甘さとほんのりとした温かさが疲れた体には丁度よかった。
「うぅ~、幸せの味~♪」
「あらあら♪」
「恥ずかしいセリフ禁止!」
「ええ~」
「あらあら、うふふ♪」
「1人でよく頑張ったわね、灯里ちゃん」
これに灯里ちゃんが首を振る。
「1人じゃなかったですよ。このデザインを描いた先輩がずっとそばにいてくれ
た気がしました、もうここにはいない名前も知らない先輩。それにカイトさん
だっていましたから」
「僕だけじゃないよ、実際にこれを描いた人の助言もあってこれが出来たんだ」
しばらくパリーナを見つめていたアリシアが考えに耽りながら話始める。
「いつかわたしも引退して・・・一人前になった灯里ちゃんがわたしの知らない
後輩とこのパリーナを見上げる日が来る」
「わたしはその時、どんな風に変わってるのかな。なんだかちょっぴり怖いです」
アリシアが笑いながら語りかける。
「大丈夫よ」
「そうでしょうか」
「パリーナを作っている間、先輩を近くに感じていたんでしょう?水先案内人を
引退してもその時のデザイン画はその時の彼女がそのままそこにいて灯里ちゃ
んに語りかけてくれる・・・同じ事よ?」
アリシアの言わんとしている事は僕にもわかった。
「そうだね、この彩色パリーナはARIAカンパニーにあり続ける。灯里ちゃん
がここを去った後もね。このパリーナは君がここにいた確かな証になるんだ」
彼女の後輩、そしてそのまた後輩にもこの彩色パリーナは自分の先輩【水無 灯
里】が作ったモノなんだって彼女を知らない未来の後輩であってもこの瞬間の彼
女に触れる事が、感じる事が出来る。今なら僕はそう思えた。
「そうね・・・このパリーナは今の灯里ちゃん自身、そのものよ」
そして灯里ちゃんは彩色パリーナを見つめながら感慨深げにつぶやいた。
「今のわたし自身・・・そのもの・・・」
吹き抜ける風を感じながら僕はふとこんな事を口走っていた。
「っていう事はさ、ずっとずっと先、僕やアリシア達が離れ離れになってもこの
彩色パリーナに会いに来れば今日の僕達に会えるって事だよね?」
そんな事を言った僕の顔を灯里ちゃんとアリシアがはっとしたように見つめる。
「あっ」
「はっ」
「まぁ」
「はんっ」
「ど、どうしたの、2人と―----」
「凄いわ、カイト!」
「凄いです、カイトさん!」
そう言って2人は彩色パリーナを見上げて目を輝かせる。
「本当に・・すごい・・・」
なんだか感動してもらえたみたいだけれど確かにそうかもしれない。僕がいずれ
この星を去ったとしてもこの彩色パリーナの存在は確かにこのARIAカンパニ
ーで【カイト・F・コローレ】がいた確かな証になる。
遠い、遠い日にこの場所で大切な人達と過ごした大切な時間、そんな時間にまた
未来で会えると思うと何故だか楽しみが増えてしまったようなそんな気がする。
「「ふふっ・・ふふふっ・・ははっ・・・ははっ、ははっ♪」」
何故だかそれから笑い出してしまった僕だったけどこの瞬間も素敵な事なんだ
ろうなと忘れない様に想い出の1ページにちゃんとしまい込んだのだった。
次回、ARIA the STORY†Rilanciare la Colore†
第11話 そのポッコロの日に・・・・
「はい、僕からの気持ちです、薔薇の姫君様?」
「す、すわっ!恥ずかしい台詞禁止だ!」