~東方記人録~ 第一記「博麗神社」   作:博麗 パール

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第1話

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暑い。夏は嫌いだ。

 

何故ここまで暑苦しいのに、俺は楽しくもない学校などに来なくてはならないのだろう。

 

内容の糸が掴めない授業。

 

息が詰まるほどむさ苦しい教室。

 

反吐が出そうになるくらいの冷たい視線

 

知り合いも友達もいない私に、この場所は何を求めるのか。

 

早退しよう・・・

 

早退なんて毎日のこと、俺はそう思いながら学校を後にした。

 

途中、俺は足を止めた。

 

毎日必ず手前を通る神社、博麗神社というらしい。

 

この神社の階段は長く、噂では五千段以上あると言われている。

 

「今日は早めに終われたし、行ってみるか」

 

そう言って足を踏み入れた。興味本位ではない。俺は真実が知りたいだけだった。

 

何故ここに入っていった両親が帰ってこないのか。ただそれだけ。

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覚えているのはここまでだ。

 

自分の名前が分からない。自分が何か分からない。

 

今俺は倒れている。

 

目の前に見えるのは木造で出来た神社の屋根だ。

 

体が重く、起き上がることができない。

 

「・・・!・・・?・・・・・・・!!」

 

誰かの話し声がする。俺以外にも神社に来てる奴がいたのか。

 

多少無理はしたが、何とか起き上がることが出来た。

 

階段の方から誰かが上がってきた。

 

そこには紅白のリボンを付けた巫女服の女性と白黒の帽子と服の女性がいた。

 

何かのコスプレだろうか。

 

・・・なぜ記憶がこんなにも曖昧なんだろうか。

 

「あら、気が付いたのね。」

 

紅白のリボンを付けた女性が話しかけてきた。

 

気が付いた・・・俺は気絶していたのだろうか。

 

「お前、そこの階段でぶっ倒れてたんだぜ。」

 

今度は白黒の帽子と服をした女性が笑いながら話しかけてきた。

 

倒れてた。意識が朦朧としていて何を言っているのか良く分からない。

 

「あ、あの・・・ここはどこでしょうか。」

 

「どこってあんた、ここは博麗神社よ。私の神社。」

 

私の・・・何言ってんだこの人。

 

博麗神社の持ち主はとうの昔に死んだんだぞ。

 

そうか、俺は幻覚を見てるのか。そうだ、そうに違いない。そうと分かれば・・・

 

「そうですか、俺まだ用事あるんで、ここらで帰らせていただきます。」

 

体を振り子のように振って立ち上がった。

 

「それじゃあ、お礼にお賽銭入れときますんで」

 

そう言って俺は手元にあった10円を賽銭箱に投げ入れ、階段に向かって歩き始めた。

 

「あ~、こっち側には今来ないほうがいいぜ。見たくないだろうし」

 

意味が分からない。

 

俺は今すぐ帰らないといけない。日が暮れてしまう。

 

何千段とあったあの階段をすぐ降りられるわけもないのだ。今すぐ降りないと・・・

 

そこで気付く。

 

何故このようなコスプレ少女二人がこのような神社にいるのか。

 

何故、何千段以上あった階段が数段程度まで減っているのか。

 

分からない、自分の状況は全く分からないが、少なくとも言えることは・・・

 

今俺のいるこの場所は、俺の元いた世界とは全くの別世界ということだ。

 

「嘘だろ・・・どうなってんだよ・・・」

 

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