08
ーーー15世紀、フランス。
それは14世紀から15世紀にかけて行われた、イギリスとの・・・のち百年戦争と呼ばれる戦いの真っ只中の時代である。両国は様々な問題から対立し、エドワード3世の宣戦布告から1世紀に渡る戦いが始まった。この戦いの際に流行ったとある病についても話したいですが、まあ今は置いておき。
当時のフランス側で危機的状況にあった際、活躍した女性がいる。フランス兵士達の士気をあげ、オルレアンを解放した後の聖人・・・その名は、
ジャンヌ・ダルク
「成る程。やはりラ・シャリテに向かうべきですか・・・Merci」
フランスにレイシフトしたのはいいのですが、何故か私だけ弾かれた。何故に。エミヤさんは弾かれてなかったような気がしますが、幸運値とは一体?電流のようなものが流れたと思ったら本当に突然マスターから離されてしまった。・・・とはいえマスターを守ってくれるという面で、私より安心できるエミヤさんが居ますので一先ず心配はいりませんが。
私が飛ばされた場所はティエール。山というのか丘とのいうのか、それなりに標高の高そうな所であった。お陰様でかなりのタイムロスをしてしまい、先程状況が理解出来たばかりだ。恨みますよロマンさん。
ーーー街に下りて話を聞いてみたが、『ジャンヌ・ダルクが蘇った』と皆さん口を揃えて仰った。なんでもジャンヌ・ダルクはつい最近処刑されたらしいが・・・となると今は1431年なのでしょう。確かジャンヌの処刑と休戦条約は同じ年でしたね。マスター達と連絡が取れない今はラ・シャリテに向かい、より情報を集める他ありません。
そう思いラ・シャリテに向かっていたのだが・・・前方から少しずつ近づいて来るサーヴァントらしき気配が2つ。然程速いわけではないのはライダークラス以外だからか、はたまた2人だからか?まだ1人だったら絞り込めたのだが。
「とにかく、このままでは確実に当たりますね・・・出来れば交戦は控えたいのですが」
マスターの居ないままの交戦は、いくらカルデアからも供給が行われているとはいえ行いたくはありませんしね。何も成さぬまま死ぬのはごめんですし、不測の事態は想定しておかねばなりませんよ?近くにあったの建物の影に隠れたまま、刀の鍔に手を掛ける。
大きく息を吸って、吐く。また吸う。軽く踵で地を叩くと、私はーーー
ジャンヌとラ・シャリテに向かったマスターは、ジャンヌ・オルタの率いるバーサーク達と対峙していた。
エミヤとジャンヌが前線へと立ち、マシュはほんの少しだけ後ろでマスターを気にかけながら戦っているが、戦況は思わしくない。エミヤは2対の刀を振るいながら小さく舌打ちしつつも、退路を見出だそうとしていた。
目の前の端整な顔をした男とも女ともとれるバーサークは、敏捷を生かしてエミヤの視界から外れるような動きでサーベルを振りかざし、絶え間なく攻撃を続ける。それを投影した武器で往なすような動きをしてはいるが、実際のところは力強い攻撃を流しているだけだ。それは、離脱することの出来ないマスターへの影響を押さえようとしているに過ぎない。
そしてその付近で闘うマシュとジャンヌは、2人のバーサークの攻撃に苦戦を強いられていた。マスターが礼装により瞬間的な攻撃力の向上を図ったが、バーサークを追い詰めるには程遠いものであり、それを避けたバーサーク・・・ヴラド三世は杭を持ち直し振るう。マシュは盾で守り切るが、自分達の体力ばかりが削られている状況に焦り始めていた。しかし彼女もこれ以上、押される訳にはいかない。後ろには守るべきマスターがいるのだ。
霊基へかかる制約から、いつかの様に動く事が出来ない状況でマスターをどう守るべきか。エミヤがそう考えていた中、ジャンヌ・オルタのバーサークを退かせる様な発言と、後ろの3騎を交代に出そうとする動きにジャンヌが叫んだ。
「ここは私が食い止めます!」
「ジャンヌ!止めるんだ!!」
「・・・心配ならば私も残ろう。マシュ、マスターを守って戦線を離脱するんだ。いいな?」
「さあ、行ってください!!」
駆け出そうとする姿とそれを嘲笑う姿。そんな2人のジャンヌの間を、硝子の薔薇が通り抜けた。
驚くサーヴァント達を、ジャンヌ・オルタを見据えて瓦礫の中から、1人の少女が現れた。ふわりと微笑みを湛えながらも今のフランスの有り様を嘆き、正義の味方として闘える事への喜びを示した少女。
その姿にバーサーク・セイバーは息を呑んだ。狂気で身を焼こうとも忘れる筈もない少女の姿に、狂気も相まって
「彼女は、私が守るべき王家の白百合。ヴェルサイユの華、マリー・アントワネット」
その言葉を聞いたマリーは嬉しそうに笑みを深め、透き通る様な声で己の力を行使した。そして最後に凛とした表情で再び告げる。
「その名がある限り、わたしはわたしの役割を演じます。そしてわたしは、貴女の心を体ごと手に入れるわ!・・・・・・どうだったかしら?」
「大変愛らしい演説でしたよ、mademoiselle?」
微笑みを含む様な声に、マスター達は目を見張る。そこに居るのは、マリーの手を恭しく取るのは、マスターが召喚したたった1人のセイバー。
「眞理!!」
彼女である。
大変遅くなりました。フランスってやっぱり序盤からサーヴァントが多いですね。
感想ありがとうございました!
通知とかないので、直ぐに気がつけない可能性が高いです。なので読んでもコメント欄で直接返事はしませんが、後書きでは触れると思います。
という訳ですが、前話のゲームそんなに古かったですかね?時の流れを感じます・・・ジャンはいいキャラですから好きですよ。主人公の前世について語れる機会を組み込みたいとは思ってはいます。
繰り返しではありますが、感想ありがとうございました。これからもよろしくお願いします。