あらすじでBL表記の話をしましたが、クロスオーバー先の1つがBLゲームでもある事に失念しておりました。嫌悪感を感じましたら、こちらの不手際で申し訳ないですがブラウザバックをお願いします。重ね重ね申し訳ないです。
最後にお気に入り登録、評価をして下さった方々、ありがとうございます!至らぬ所もありますが、これからもよろしくお願いします。
「それで、私のマスターは貴方で合っているのですよね?」
紺のセーラー服にブーツを身に付けた少女。
白のフードコートからは、生を受けてから一度も陽の下に晒されぬままだったかの様に、白い髪や肌が覗かせていた。顔にかかったフードから瞳は見えず、表情も伺えず、穏やかな声でしか感情の揺れは読み取れない。
ーーーーー英霊とは英雄達の功績が巨大な信仰を生み出し、彼等を守護者にしたものだ。名前を知らぬキャスターも恐らくは生前に偉大な功績、武勇を後世へ残した筈だ。だが目の前に立つ少女はどうだろう。白魚のような手や穏やかな声からは、名だたる英雄には感じられず、再び問いを掛けられたマスターを含めて誰もが沈黙する。所長に至っては、なんとも言い難い顔をしている。
しかし、忘れてはいけない。
彼女の腰には一本の刀が差されている。それは確かに彼女が只者ではない証なのだ。
「うん、そうだよ!よろしくね!!貴方の名前聞いてもいいかな?」
「名前、ですか・・・・・そうですね。
・・・・・どうやら肉体の造りは問題なさそうですね。身体に違和感を感じないところから考えると、なので性能的な面は分かりませんが。幾度の転生を終えて再び虚無へ帰るかと思えば、まさか私に座があるなんて思わないでしょう・・・しかも座へ行ったと思えば、体感にして10分足らずで召喚とはなんという仕打ちですか?これが俗に言うUターン帰省ですか?
いやしかし、座に数分とは言え送られたお陰で仔細は把握できました。きっと。これで座を介さずに召喚されていたら、サーヴァントのことすら分からなかったでしょうからオソロシヤ・・・・・。
目の前のマスターや不思議な気配のサーヴァントにキャスター、それに徒人・・・ではないがこの状況では最も徒人に近いものーー恐らく魔術師ーーが1人。中々大変そうだ。
そう考えていると、魔術師が此方を睨み付けるように見つめていた。
「如何致しましたか?魔術師殿」
「貴方、ふざけているのかしら。貴方のそれは真名じゃないように聞こえたのだけど。それにそんな名前の英霊は知らないわ」
『所長!?相手はサーヴァントですよ!?』
「・・・おや、遠見の魔術師とやらですかね?ははは、心配ご無用。真を述べる相手に怒るなど、ありえませんよ。まず、前者については謝罪を。何せ適正クラスが多く、1クラス内に幾つもの姿が有るためどれを名乗るべきか迷ったもので」
「適正クラス?」
「はい。サーヴァントの逸話によっては、複数ある方もいます。・・・私の中に居る方ももしかしたらそうなのかもしれません」
「そして後者についてですが・・・これについては複雑且つ、壮大な事情があるので後ででも構いませんか?この災害後のような事態を収束してからでも遅くないでしょうから」
「私やマシュは良いけど・・・」
「オレも別に気にしねぇよ」
「・・・分かったわ。カルデアに帰ったら聞かせてもらうことにするわ」
「温情に感謝します。取り敢えずはとある『もの』に選ばれた、『王』と呼ばれる存在だとだけ思って頂ければ。後は歩きながら話ませんか?」
ーーー新しい人生は、早々からハードモードですねぇ。
マスターから事情を聞いてみたが、どうやら人類史の危機らしい。唯一のマスターとしての生き残りとは、強運なのか悪運なのか。マシュさんは間違いなく幸運ですが、このマシュさんの中に居る気配は一体何者なのか検討が付きにくい。・・・・・まあそれは関係ないでしょうから置いておきましょう。研究者としての知的好奇心がかなり擽られていますが。
それより、大聖杯を目指すのはいいのですが、アーチャークラスとは相性が悪いんですよ。キャスター殿に丸投げしてもいいでしょうか。
瓦礫の山を抜けた先、洞窟内を歩きながらぼんやりと考えていたが、キャスター殿に聞いた方が早い気がしてきました。ステータスはまだ見ぬアーチャー殿の方が高そうなので、対策を練らねばならぬと、キャスター殿の横へと並んだ。
「キャスター殿、アーチャー殿はどの様なサーヴァントなのてしょうか」
「どうと言われてもな困るんだが。あのヤロウはアーチャーらしからぬアーチャーだからな。ま、ヤツの守ってるセイバーの宝具なら分かるぜ」
「それは私や先輩も気になります。一体どんな宝具なのですか」
「ああ、それはな・・・おまえさん達の時代でも有名であろう、王を選定する岩の剣のふた振り目。その名は」
「
「っ?!マスター!!御前を失礼!!」
咄嗟にマスターを抱えて離れると、離れたその場に幾つもの矢が刺さっていた。矢の飛んできた場所を見ると、サーヴァントが立っている。
・・・マスターを狙って来た筈だが、あれでは意味がない。相当な力を持つサーヴァントならば声を掛けるなど、対応するには十分な要因になるというのに。こちらを侮っているのか、或いは・・・
「ああ?言ってるそばから信奉者が登場しやがった。相変わらず聖剣使いを護ってんのか、テメエ」
「信奉者になった覚えはないがね。つまらん来客を追い返す程度の仕事はするさ」
「アーチャー殿は門番と言ったところですか・・・?ウサギ達といい勝負です」
あの方達とは少々違いますが、堅苦しい口調が思い起こさせますよ。とてもね。あの方達の場合は上司が上司なのですが、アーチャー殿はどうなんでしょう。
赤い衣を纏った褐色の青年は眉を寄せながら、こちらをひたと見据える。その瞳を見つめながら、自分の懐にそっと手を伸ばした。
「ま、何から守ってるかは知らねえが、終わらないゲームなんて退屈だろう?そう思わねえか、シンリ」
「確かに永遠が確定されたもの程、しんどいものはありませんから。キャスター殿の因縁ですが、決着をつけた方がいいでしょうね」
「・・・・・君はセイバークラスか。ここで退場願うわけだが、その男に同調すると碌なことはないと言っておこう」
さて、サーヴァントになって初陣。暴れてやりますかね。