私は転生者です。
・・・・・突拍子もない事を言っているのは分かっておりますが、マスターとロマンさんは驚き過ぎです・・・が、それは正しい反応でしょう。サーヴァントなので証明する物がないのですから、信じた体で進めさせて頂きます。
ーーーーー私の生まれた最初の世界。つまり私のバックボーンとなる人生は、今よりも遥か昔。神々の息吹が色濃く存在する時代でございます。
そこで神の加護を受け、私は生まれ落ちた・・・らしいです。らしいというのはお恥ずかしながら、自我を持ってから死ぬまで見舞えた事がないので。
道端に寝かされていた私を拾い育てた、元神官の養父が言うには、どうやら預かり知らぬ所で御目にかけて下さっていた様子ですが。
・・・話が逸れました。それでその神が私の養父へある話をしました。御告げ、というやつです。
『国と国の境目に、赤子が1人いる。その赤子をこの国の次なる王の世話役とせよ』
次期王の側に仕える者として、神が養父に告げた赤子。それがええ、マシュさんの仰る通り私です。
どの様な真意があったのかは、未だに分かりかねます。しかしその言葉によって養父に拾われ、10を数える程になった時に次期王・・・いいえ、我が王の元へ仕える事になりました。
『よろしくお願いしますね』
・・・・・・・・・いえ、なんでもありません。出会った当時については少々割愛しますが、何故か幼少の王にひどく、御目にかけて頂くようになっておりまして。失礼な言い方をしますと雛が親鳥について行く、に近いものがあります。
そのお陰で国を治める様になった王の元で戦士、今で言う騎士として仕えました。余談ですがこの事を幼少から王は仰っていたので、私は騎士としての鍛練も行っていました。だからこそ現在セイバーとして存在できている部分もあるので、甲斐があったというものですねぇ。
その王ですが、唯一の友が出来たり、それはもう書物に記されるような冒険を、私や友の御方を連れて繰り広げられるわけでございますが、ある時の話です。
ーーー1人の神が王の元を訪れました。
そこからはもう急展開です。
神からの求婚が起こったり逆ギレがあったり、国の存亡を賭ける戦いをしたり、目まぐるしい日々の始まりでした。ああ、もちろん戦いは王の勝利でした。
しかしそれがいけなかった。
王の友である御方は、神々の怒りに触れて死んでしまったのです。私にも優しくして下さったあの方の事を、そうですね・・・当時は王の次に大切な人だと思っていました。あの方の死はとても悲しく・・・・・そうですね、少し神を憎く思う出来事でした。
ですが王の思いは私以上であり、お怒りは凄まじいものでした。それと共に死へ恐怖を抱かれたのやも、しれません。
私には分かりません。私は王の財ですが、王の御心は王のものですから。
不老不死を求め、王は旅に出ました。
私?勿論御供いたしました。あの方を1人にしたらどうなると思いますか!?現地の方とトラブル。神とトラブル。トラブル三昧!!なんでですか!?頭がゆるふわなんですか!?唯我独尊なんですか!?そうなんですよ!!ええ知ってました!!
・・・・・・・・・・。すみません。忘れて下さい。
それで私は死にました。
え、叫ぶ所でした?・・・ああ、そういう事ですか。
言葉が足りませんでしたねぇ。説明しますと実は、王の元へ訪れた神が他の神に頼んで私に呪いをかけたのです。こんな凡人が王の元へ居られるのに自分を拒否した。それが怒りに触れたから、と私は思っております。仕方ない話ですよねぇ。
ふふ、ありがとうございますマスター。私の為に怒ってくれて。
友の方が死んだ少し前、呪いをかけられた時から分かっていました。それでも付いて行きました。だって私は王のものですから。王の元で生き、王の為に動く。それしか私には出来ませんでしたから。義務ではありません。私が烏滸がましくも、王を慕っていたからでございます。
とても小さな命の話です。
「とまぁ、これが1度目の話でした」
「何処の女神も恐ろしいね!?かわいそ過ぎないか君!?」
「ははは・・・昔の話なので。何か質問はございますか?」
「・・・・・ふむ、では私からいいかね?君は呪いと一言で言ったが、どの様な呪いなんだ」
私を蝕んだ呪い。
それは世界に有るような、苦しいものではなかった。辛いものではなかった。傷を負うものではなかった。
ただ、悲しくはあった。
あの暗闇に居た時、王に、仲間に、民に、亡くなったあの方に、会えないのは悲しかった。
ああ、自分はあの国が本当に好きだったんだな。そう思った。あの呪いは、
「私を死へと向かわせ、二度と生まれ落ちる事のない呪い。孤独な死への呪いです」
「生まれ落ちることのない呪い・・・?で、でも眞理は最初に自分で転生者だって言ったよね?」
「・・・それなのですがどうやら、出来ないのはあくまでも『この世界』だけだったみたいなのです」
「IFの世界には出来る。という事かい?」
「むむ、発想はいいです」
しかしダ・ヴィンチちゃん?コーヒー淹れに行くとはどういう事でしょう?割りと真面目な話のつもりですが。くっ、天才は軽く話を聞いただけでも理解するというのかっ・・・!!
とまあ、冗談はさて置き。
「恐らくはIFであっても無理です。IFにもあの女神様はいらっしゃるでしょうから。私が転生したのは文字通りの異世界で、文化に環境、ルール、それらが少しずつ違いま」
「ちょ、ちょっと待ってくれ!!女神も気になるがつまり君は、本当に異世界へと生まれ直したのかい!?」
「ええそうです。夢物語のように全く異なる世界へでございます。とは言え、進んでいる事もございましたが大して文化に違いは無いかと。今の姿も1度目の時のものですし」
危険度で言えば、最初の世界が1番平和だった気がしますね。ああ私の癒し、十束さん・・・私を観察するのを趣味にしないで下さい。
「私は1度目、日本に生まれました。普通の家庭で普通に育ち、研究者となりドレスデン石盤と呼ばれる石盤について研究していました」
ドレスデン石盤。
謎の力を持ち、王を喚ぶ。そこからは逃れられない。あの石盤に喚ばれて私も王になったが、研究者の身としては然して気にする事ではなかった気もしましたねぇ。なにせ喜びの方が大きかったですし。アディ・・・ヴァイスマンの役に立ちますから。
愛しき友人、ヴァイスマン。
彼の夢に自分が役立つと、あの時は喜んでいた。でも戦いによって、その夢は夢のまま。ヴァイスマンは不変の、不老不死の王になった。私は同調の王であったのが災いなのかなんなのか、影響を受けただけでなく彼の臣下に、彼と同じ不老不死になった。
「その石盤が、国の王を選ぶのですか?」
「マシュさんが思っているのとは違います。莫大な力を持っているだけで、王は国ではない。この石盤に選ばれる人間は8人。色になぞり第一王権者の白銀の王、第二王権者の黄金の王、更に順に赤、青、緑、灰色、無色・・・このそれぞれに集まる構成員のクランズマンは所謂、臣下です」
「眞理さん、1つ足りませんが」
「敢えてですよ。私は王権者番号のない王、白の王。友人・・・ヴァイスマンは0か1と言いましたが」
王権にはそれぞれ象徴があり、私達は不変と同調でした。これのお陰でこの姿で出来る事の範囲がよく分からない。なにせ10代から80代までこの姿ですよ?
思わず呟いたらロマンさんが顔をひきつらせたのを、私は忘れない。許さぬ。
「しかし他の転生だった場合ーー特に2回目や3回目だった時ーーは宝具すら分からないレベルでごさいましょう。その分、今は分かりやすいですからまだ良いです!マフィアや処刑人なんて理解不能です!」
「お、おぉ。清々しい笑顔だ・・・」
「宝具は冬木で見なかったね。どんなの?」
「ダモクレスの剣」
「ダモクレス?」
「はい。今はこの話をしても分からないでしょうから簡単に話すと、王権者達の頭上に輝く剣。力の象徴・・・・・・・とこんな所ですか。今話しておくべきはこの程度です。御静聴ありがとうございました」
これ以上はあまり良い気分になる話でもないので、勝手ながらキリをつける事にした。マスター達の反応は実に面白く、ついつい蛇足を加えたり長く話してしまいましたね。あとはきちんとマスターが理解して、聞きたくなったと感じたらで遅くないはず。宝具は突出した攻撃型ではないので、説明が難しいですし。
「続きはウェブで!とかないので聞きたくなったら何時でもお聞き下さいね」
「うん。ありがとう眞理」
「いえいえ。こちらこそ自分勝手な話し方で申し訳ありません。最後に何か聞きたい事は?」
「うーん・・・聞きたい事、聞きたい事・・・」
「僕から良いかい?」
「はて、なんでしょうロマンさん」
「君の仕えてた王の名前は?」
やはり気になりますかね。ふふふ、驚くかと思って溜めていたのですよ。
あと、言うと嫌なフラグが立つと勘が告げているのもありました・・・。
「仕えてた王の名は、ギルガメッシュ様と申します」
・・・・・アーチャー殿、コーヒー噴かないで下さい。
フラグだろそれ!!!
「なんで口調が微妙に違ったの?」
「マスターにはやっぱり敬意をと考えてなんですが、この姿の記憶が濃いので違和感があって・・・最初や説明のは王の側に控えていた時のですよ」
※追記
恐ろしい勘違いをしていた(震え)
何を見ていたんだ?????直して助言の通りに足しました。TSについて教えて下さった方々、ありがとうございました・・・間違った知識を頭に入れる所だった・・・・・前の追記は消しました。