提督の副業 作:きんにく同盟
暑かった
太郎と瑞鶴
これは、太郎が未だ小学生だった頃…瑞鶴という艦娘がさっちゃんと呼ばれていた頃だ。
(さっちゃんだけど長いので瑞鶴と明記します)
太郎「僕ね〜正義のヒーローになりたいんだ!」
瑞鶴「無理よ!弱っかしなんだから」
太郎「なんだとう!」
瑞鶴「なによ!」
太郎「改兄さんは凄いんだぞ!人に戦わせるんだからな!!」
瑞鶴「馬鹿じゃないの?それって卑怯っていうのよ!」
典型的な幼馴染の会話にまた二人が加わる。それは互いの血縁者。
翔鶴「喧嘩は良くないわ…ねぇ、改さん…」
改「ん?感情的になってくれた方がアラが出てくるからいいんだけどね」ニコニコ
翔鶴「改さんったら!」赤面
瑞鶴「本当にお姉ちゃんたちってバカカップルだよね」ボソ
太郎「…うん」
兄さんのあの顔は…フジ姉(翔鶴)の事なんて興味ないな。おそらく名前も覚えてないだろう。
改「それより太郎・・・人聞きの悪い事を言うもんじゃないよ」
太郎「・・・ごめんね。今度は言わないようにするよ」
改「・・・・」
翔鶴「さあ!学校に遅れるわよ。改さんももう少しで中学生なんだから自覚を持ちましょう・・・」
改「それもそうだね」
瑞鶴「タロちゃんもしっかりしなさい!先生から目を付けられているんだからね」
太郎「ん・・・」
改「・・・・」
学校内
太郎は学校の悪い児童を集めて、昼休みにパソコン室にて規制を解いてエロ動画を観ていた。
A「ぐへへへ・・・」
B「なあ、太郎。授業ふけようぜ」
C「いいだろぉ」ナイフペロリ
太郎「いいか・・・本物の悪は見せてはいけないんだぜ。授業は見せかけでもちゃんと受けろ」
それに対して兄である改は
女子A「キャー!!改くん。本当に頭が良いね!」
B「運動神経もいいし」
C「素敵!」
教師「自慢の生徒だ!!」
改「僕としても先生と友達は唯一の自慢です」ニコニコ
似て非なる兄弟。
帰り道
改「太郎、久しぶりに僕と帰ろうか」
太郎「うん!兄さん」
そして、無言による静寂が流れる。
そんな中、初めに口を開いたのは改だった。
改「太郎・・・君、キャラ作ってるよね」
太郎「何のことだよ兄さん」
改「さっちゃん(瑞鶴)に言わなくていい事言ったしね」
太郎「今朝の事?あれは兄さんが凄いと思ったから言った事で!!」
改「それに最後、言わないと言ったね・・・あれじゃ事実だと思わせているんだよ」
太郎「そうなの?ごめんね兄さん。そんなつもりはなかったんだよ」
改「分かっているよ。何せ自慢の弟だからね」ニコニコ
二人の間に生暖かい風が吹く。
太郎は改を警戒し本性を隠すのに対し、改も決して隙を与えない。
だが、その関係もある日、唐突に崩れ去る。
授業中 太郎
教師「太郎!!君はそんなエロ画像ばかり見て・・・いい加減にしろ!!」
太郎「違いますよ!!ジャンプ作品のサンプルですってば」
教師「それはエロ画像だ!!それに漫画なんか読むと馬鹿になるぞ!!」
太郎「・・・・何故、エロ画像だって分かったんですか?」
教師「その一コマで分かった!!」
太郎「確かに!この漫画はお色気漫画です。先生、だけどこの一コマを見ただけで分かるなんて、超能力者でなければできませんよ・・・」
教師「口答えか!!」
太郎「いや・・・きちんとご愛読されている様だから安心しただけですよ」
悪A「おいおい・・・いけねえな!!」
B「教師なのにエロ画像かよ!」
C「キモイんだけど」
こう連続で言われたのでは、他の者も疑わない。人間とはこうも単純なのだ。
太郎「くくく」ニヤニヤ
瑞鶴「・・・・・」
昼休み 屋上
瑞鶴「タロちゃん!!あんなことは止めなさいって言ったでしょう!!」
太郎「生憎だけど、俺は事実だけを言ったんだ。ノンフィクションだぜ」
瑞鶴「そんな難しい言葉でごまかして・・!」近寄る
太郎「ひいぃぃぃ!!ぼ、暴力反対!!」
瑞鶴「先生に謝ってきなさい!!」
太郎「でも、時間も中途半端だし・・・」
瑞鶴「早く行きなさい!!」
太郎「はい!!」
廊下
太郎「まあ!!女に手を出す男なんてかっこ悪いからな!!」
瞬間、背後から近づく人影に振り返ると
改「屋上で楽しそうな話しているじゃないか太郎」ニコニコ
太郎「・・・・」
改「いやね・・・母さんに言おうってわけじゃないんだよ。ちょっと物は相談って言うだろ」
倉庫裏
太郎「バレちゃ仕方ないね。なんだい兄さん」
改はニコニコと表情を一切変えずに言った。
改「彼女の扱いに苦労しているそうじゃない」
太郎「兄さんには関係はないと思うんだけど」
改はあからさまに困った顔をして言う。
改「弟が心配なんだよ・・・もっと自由に育ってもらいたいんだ!!」
太郎「・・・・」
改「だからさ・・・交換しない?僕のフジ姉さん(翔鶴)と君のさっちゃん(瑞鶴)」
太郎「・・・!」
太郎には甘い誘惑だった。
なにせ、彼の初恋そのものが姉の方だったからだ。
太郎は考える素振りを見せずに即決する。
太郎「良い条件だね・・・兄さん」
瞬間、改の顔に浮かんだ表情は落胆をわずかに含んでいた。
改「じゃあ、明日・・・僕とデートさせてよ。一発で堕としてくるから」
太郎「明日は塾の合宿じゃないの?」
改「いいんだよ。どうせ予習済みの内容なんだから。その代り、太郎も好きにしなよ」
瑞鶴「え・・・今日、駅前でデート・・・!」
太郎「うん」
瑞鶴「行く!!絶対行くからね!約束よ!!」
満面の笑みで喜ぶ瑞鶴
まさかデートの相手が兄さんとは・・・・
放課後
待ち合わせ場所に兄さんが立っている。
そこに時間通りやってきたのは
塾講師「お!!改。熱心だな!」
改「あ、先生。こんにちは」ニコニコ
向かいの道
瑞鶴「あ!!タロちゃん待った~!!」
太郎「さっちゃん!!今、着た所だよ」
向かい側にまで届く声で言う
そして、必然的に改と目が合う。兄さんの目は驚きで見開かれていた。
改「ところで・・・先生、今日はいつもと違って遅いですね」
塾講師「ああ・・・・改。先生な感動した」
改「え?」
塾講師「君の弟さんがな・・・・兄をよろしくと言ったんだ・・・」
数分前
塾講師「君は・・・改君の弟さんだね」
話した内容は兄が中学進級時に授業についていけるか心配だとふさぎ込んでいたという嘘と自分が落ち込んでいる所を見せない頑固者な兄の二つ。
その上、今日から塾の春季合宿が始まるのだが兄さんは不参加を申し出ていた。
塾講師「まさか・・・!不参加なのは、自分の弱さを見せたくなくて・・・・」
太郎「すみません・・・こんな話」
塾講師「とんでもないよ。ありがとう太郎君!!安心して・・・お兄さんは僕が責任を持って合宿に連れていくから・・・」
太郎「はい!!着替えとか料金はお母さんに言っておきますね」
塾講師「何から何までありがとう!」
太郎「いえ!自慢の兄さんですから」ニタァ
そして
改「そうか・・・・そうだったのか!」
感情を決して表に出さなかった改は初めて大声を出す。
太郎は合宿のタイミングを見計らってワザと隙を作ったのだ。
更に、昼休みにパソコン室に入り浸っていたのを僕に見せた・・・それは僕に履歴を見せる為
確かに、太郎はエロ画像でないサイトを開いていた。
それは、隣町の映画館の上映スケジュール。
てっきりフジ姉さんと行くのかと思ってたよ・・・履歴を見て満足してしまったのか・・・・
改「・・・・弟を舐めていたのか」
太郎(どうした・・・俺の勝ちだな!!安心しろ二人とも俺がもらい受ける!!)
改は塾講師そっちのけで震え始める。
改「ぐ・・・くく・・んんんん」フルフル
塾講師「おい・・・・改?」
改「んんんん・・・っふ、あははははははは!!!!」
急に笑いはじめ、周りの目を気にせずに、離れた太郎に向かって言う
改「やっぱり君は僕の弟だ!!本当に誇りに思うよ!!」
瑞鶴「ん?改さんの声がしない?」
太郎「気のせいだよ。映画館行く前に何か食べてく?奢るよ」
瑞鶴「え、本当!!さ~んきゅ 」
太郎は駅に背を向け、誰にも聞こえない声で言った。
太郎「いってらっしゃい・・・」
夜
瑞鶴「えへへ~今日は楽しかったよタロちゃん!」
太郎「そうだね。今度はフジ姉えも連れて行こ!」
瑞鶴「でも、しばらく塾の合宿で行けないよ・・・」
太郎「え!!そうだったの!?」
瑞鶴「あ!!誰にも言わないように言われてたんだった・・・・でもいいか!もう合宿中だしね」
なるほど・・・奴は最初から俺から全てを奪うつもりだったのか・・・。
まあ、それは此方も同じ。
太郎「ねえ、さっちゃん」
瑞鶴「なに?」
太郎「俺はやっぱりさっちゃんが好きだ。俺に暴力してくるさっちゃんも全部」
瑞鶴「え・・・え?」赤面
太郎「だからさ・・・・俺の彼女になってよ」
返事も聞かずに強引にキスをする。
太郎「・・・どう?」
瑞鶴「は、はひい・・・」呆然
太郎(堕ちたな)ニヤ
それから、改は冷静を取り戻して、日常を過ごしていた。
思えば、あれで人生におけるすべてのオクターブだと言っても過言でなかったかもしれない。
だが、ある日・・・中学生になった改は突如、家を出た。
両親も完全な放任主義だったから探しもしなかったが、家を出る前日に、俺の部屋に来た兄さんは確かにこう言った。
改「今度は全てを奪うからね・・・君は僕のライバルだよ」
ならば・・・俺は
太郎「絶対的な存在を創る。奪えるものならやってみろ・・・」
その決意が彼を苦しめるのだが・・・・まあ、これにて終了
集中できるかな?