私と茉莉はあの夜、一線を越えた。親友という枠を外れ、恋人という枠に収まった。したこともなかった会話も行為もたくさんした。私は恋愛経験がなかったこともあって、人を抱きしめたりする行為にとっても不慣れだったけど、茉莉曰く、男の人より安心するかな。らしい。
そんなこともあって、私は茉莉と恋人になった。そして、今、あの時見れなかった夜景を見るためにまた遊園地に来てます。
「やっぱり人多いねー」
「うん。でも予約はとれたしさ。ゆっくりしてこ?」
「結菜、ほら」
茉莉はそう言って右手を差し出してくる。その手に一度うんと頷いて、左手を絡ませると、自然とお互いに指を絡めてギュッと固く握った。少し顔が熱くなるのを感じる。
「さ、行こうか」
「うん」
ー夜
時刻は10時、閉園時間のギリギリだが、観覧車に乗ることができた。一応予約はギリギリまでやっていて、閉園とは言っても観覧車は結構長いこと動いていたりする。そんな時間に乗れたのはとてもよかった。
前には言っていなかったが、実はこの観覧車の特徴はまだあるのだ。実は観覧車のボックス一つ一つの天井が全て窓張りになっており、空を一望することができるのだ。もちろん、昼間は直射日光で熱いから閉めて遮光も可能だ。そんなことどうでもいいか。
都市圏にいると夜でも明るいところは明るいだろう。しかし、これといって都市圏でもないところは、夜が遅くなると明かりが減って、街並みを見るおいしさは薄くなってしまう。じゃあ、何を見るか、分かると思うが空だ。田舎の特権と言えば、そう空だ。周囲に明かりの少ない田畑のど真ん中で空を見上げればとてもきれいな星々が見える。しかも今回は周りに少し光があると言えど、かなり空に近づいたところでそれを見れるのだ。こんなロマンチックが他にあるだろうか?いや、ない。
「ねぇ、茉莉、空、とってもきれいだよ」
「あ、ほんとだ」
大小はあれど、限りなく眩しいくらいにたくさんの星が見える。私はあまり科学は好きではないけれど、なんでかってことくらいはわかる。
「でも、結菜の方が綺麗だよ」
「な、恥ずかしいこと言わないでよ」
「本当のことだからいいじゃん」
「反応に困るよ」
「照れるといいよ」
「照れない」
「もう照れてるよ」
「うるさい」
「可愛いな結菜は」
「むぅー……」
「ごめんってば、ほら、キスしてあげるから許して?」
「ん。そんな甘い女じゃないもん」
「期待してるくせに」
「な、そんなんじゃないってん……」
『……』
「好きだよ」
「私も」
そんなこんなもあって、私の人生にも春が来ました。困難はたくさんあるだろうけど、乗り切っていこう。