百合短編集   作:煉音

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2話

 都市の繁華街というものは平日でもたくさんの人がいる。会社に行く人、遊びに来る人、買い物する人、よくわからない人、夕方ごろになると見える学生が本当に少数しかいない。

 

「これはどう?」

 

 青菜に連れられて入ったお店は少々名のあるブランド店、値段はまぁまぁ高いなと言った具合のミドル層の店だ。青菜はとっかえひっかえ私に服を見積もってくれていた。

 

「う~ん、私の趣味に合わないかな」

 

 青菜が現在手を出しているのはヒョウ柄のワンピース、何をどうみたら私にそれが合うと思ったのだろうか。もっと魅力的でナイスバディな女性向きな気がするけど。

 

「言われてみれば……あはは、なんだか緊張してるのかな」

 

 青菜は私を引っ張りだしたときから敬語を使わなくなった。対等に接してくれるのは嬉しい。たぶん彼女なりに私のことを気遣ってくれているのだろう。わざわざ重要なゼミの時間を欠いてまで私のことをこうやって連れ出してくれた。

 

「青菜はこれが似合う」

 

 彼女は生来の性格なのか真面目すぎる。だからいつも彼女の服装はどちらかといえば地味だ。毎回の服装は黒が多く、スカートも長く色気のかけらなんて全くない。むしろその恰好ならどこにでも出られますよっと言った感じ。

 

「そ、そうかな?」

 

 私が彼女に出したのは白が多分のワンピースと膝くらいまでのスカート、それとセットで羽織るための上着を一枚、うん、飲み会に出ても十分見られる服装だ。

 

「で、でもなんだか派手じゃない?」

 

 少し戸惑いガチに青菜はそう言う。

 

「青菜はちょっと地味すぎるんだよ」

 

「そうなのかな?」

 

「一回試着してみてよ」

 

 そう言って青菜を試着室に引っ張ってゆき無理やり押し込んだ。

 

ー数分後

 

「ど、どうかな?」

 

 試着室が開き、青菜が体を見せる。

 

「ほらちゃんと立って」

 

 青菜は少し恥ずかしそうに体をすぼめていたためしっかり立たせる。慣れないだろうけど彼女はとっても似合っている。

 

「うん、とっても似合ってるよ」

 

 そう言って笑いかけてあげる。そしたら彼女も嬉しそうに「ありがと」と言ってくれた。

 

ー2時間後

 

 結局買うことに決まったのは私がさっき青菜に選んだあげた服だけだった。

 

「ごめんね、私あんまりセンスないから……」

 

 2時間程度見まわしてそう落ち着いた。正直私もとても楽しかった。親友だと思える人の服を一緒に選べるのは久しぶりだったのだ。なんとなくだけどもっと彼女のことが知りたくなってくる。

 

「そ、それじゃお会計してくるね!」

 

 そう言って走って行こうとする青菜

 

「待って」

 

 そう言って私は青菜の腕を掴んで止める。

 

「ど、どうしたの?」

 

 せっかく青菜が私のために時間を割いてくれたんだ。軽いデートだと思え、彼女が気遣うためだけにお金を使わせるのは申し訳ない。やっぱりちょっと強がりだなと正直私自身思った。

 

「お金……私が出すから」

 

「で、でも私の服だし、それに今日は私が誘ったんだから悪いよ……」

 

「いいから」

 

 そう言って彼女から服を奪いとり、レジに向かう。

 

 レジでお会計をすれば1万近い値段だった。だけど普段はバイトもしてるから全然余裕がある。スッとデビッドカードを出して決済してもらった。

 

「……あ……ありがと……」

 

 言い慣れないのかものすごく戸惑ったあげく絞り出すように青菜はそう言った。きっと真面目な彼女だから他人に何かを買ってもらう習慣がないのだろう。なんだろう。すっごくなんか楽しい。

 

ー昼

 

 服を買った後は適当に見回りながらフードコートに来た。彼女は何回か来てるようでおすすめの店舗を紹介してくれた。世界展開してるチェーン店のうどん屋さんだ。

 

 青菜は意外なことにトロロが好きらしい。山芋派。私は普通の暖かいうどんを食べることにした。少しネギを盛り、天かすを少々って感じで盛り付けをし、天ぷらは鶏肉のやつ。一応揚げ卵も一つ。

 

 青菜はトロロの乗ったうどんと鶏肉の天ぷらを二つ。思ったより肉食なのかな。

 

『いただきまーす』

 

 二人でそう言って食事をする。青菜を上目遣いに確認しながら食べていると、トロロとうどんを絡めて食べる青菜はなんだか幸せそうだ。親友って私は言うけど、正直一緒に食事したのは学校でお昼だけだった。絡むって言ってもSNSで会話したりオーキャン一緒に行ったりとそれくらいだけで、プライベートで絡むほどじゃなかったのだ。私の親友の基準がどうやらかなり低いようだ。

 

 青菜は嬉しそうに食べながら私に話かけてきた。

 

「大ちゃん、今日はありがとね……私が連れてきたのに」

 

 少し申し訳なさそうに顔をうつむかせる青菜、でも結構私も楽しめてると思う。全然昨日のことなんか忘れていたくらい午前は楽しかった。

 

「青菜、私とっても楽しいよ?青菜が思ってるほどうまくいってないことなんてないよ。むしろこんなに楽しくしてくれて本当にありがと」

 

 そう言ってニッコリと笑ってあげた。だけど逆に気を使われていると思ったのかちょっとうつむいてしまう。彼女の悪いところは前からそうだったが、ネガティブな性格であまり良くされることを良く思わないみたいだ。でも前ならちょっとイライラの対象になったそれもなんだか今は青菜の一面として捉えることができる。

 

「青菜、顔を上げてほしいな。私本当に今楽しくて仕方ないのだからもっと楽しませてほしいな」

 

 そういうと青菜はゆっくりと顔をあげてくれた。もう一度笑顔を作って彼女を見る。なんだろ、おかしいな。口には出してみたけど正直本当に楽しい。

 

 青菜もわかってくれたようで「良かった」って言ってくれた。

 

ー夕方

 

 そのあとも青菜とショッピングを楽しみ、青菜とは初めてプリクラを撮ったりした。青菜は初めてだったみたいで少し固くなってたけど3枚目の時にうまくほぐれてくれたみたいで柔らかい笑顔でニッコリ笑ってくれた。

 

 少し電化製品なども見ながら今後の大学生活でもしパソコンを買おうって時のためって感じでパソコンの選び方やテレビの見方も教えてもらった。やっぱり青菜はとっても物知りだ。とくに電化製品などには強い知識がある。教えてもらってもたぶん忘れちゃうけど、また聞けばいい。

 

 青菜には内緒だけど途中の買い物でマグカップを買った。別れる前に渡してお礼をしようと思うのだ。

 

 日も暮れ始めたころ帰る予定に変わったところで、青菜ともう少し一日でも長くいたいって思ってしまった。このとき私もわかった気がする。私は青菜に惹かれてるんだと確信した。昨日の直前だからきっと一時の迷いだって思いに思ってもおかしなくらいに青菜のことが気になって仕方ない。青菜は真面目だから気を遣ってるだけなのに、もしこんな気持ち、打ち明けたら私きっと嫌われる。そう結論が出た瞬間ものすごく苦しくなった。胸がギュウギュウと締め付けられるような気持ち。

 

「大ちゃん?」

 

 青菜に呼ばれハッとして振り向く、心配そうに私を見る目、そんな目で見ないで……戻れなくなってしまう。

 

「な、なに?」

 

 焦ってそう聞き返す。青菜はさらに心配そうにしながら言う。

 

「なんだかしんどそうだけど、大丈夫?」

 

「そ、そう?」

 

 そう言ってる私も汗が頬を伝っていくのを感じた。

 

”右側のドアが開きます。ご注意ください”

 

「ご、ごめんね。……私ちょっと用事思い出しちゃった」

 

 急に出た言葉に自分でも驚きながら、青菜にグッとマグカップの箱が入った袋を押し付け、バッと振り返って電車を出た。

 

”ドアが閉まりますご注意ください”

 

 涙が出てきて視界がぶれる中、電車から這い出る。その瞬間ドアが閉まり、私は走りだしていた。胸が苦しい。吐き出したい。

 

「はぁ……はぁ……」

 

 スニーカーを履いていてよかったと思った。元陸上部ってこともあって足が絡まることもなく走る。階段を駆け下り、駅を出て道路に出た。木の陰にしゃがみ込み深呼吸をする。

 

「これでいいの……これでいい」

 

 またいつものように学校であのときはーって言い訳して今の気持ちを落ち着けないとだめだ。青菜のこと好きだなんて言えない。きっと今は昨日の直前だからおかしくなってるだけなんだ。絶対そうなんだ。

 

ー数分後

 

 どうにか落ち着きを取り戻して再度電車に乗って帰った。自分の部屋の前に着き、ポケットから鍵を出そうと探る。あれ?鍵がない……?

 

「あれ?あれ?」

 

 もしかして落としたか……最悪だ。

 

「はぁ……」

 

 基本的に鍵は右ポケットにしかいれない。とりあえず近くの友達に声かけて泊めてもらって、大家さんに明日開けてもらうように説明しよう。

 

「お探しの物はこれですか?」

 

 急にそんな声が聞こえて振り向く、私よりも少し小さい身長の女の子が手に荷物をいくつかぶら下げて、小さな鍵をつまんでいた。

 

「あ、あお……な……」

 

 その顔を確認した瞬間、さっきの気持ちがまたわきだしてきた。

 

「急に下りたりして、ひどいじゃないですか大月さん」

 

 青菜はそう言いながらコツコツと私の目の前まで寄ってきた。

 

「ぃゃ……」

 

 小さく声が漏れ、その場から逃げ出したい症状にとらわれる。でもよくよく考えてみれば後ろは行き止まり、彼女を押し退けて行こうにも触れた瞬間私がどうなるかわからなくて怖い。

 

「話はじっくり中で聞かしてもらいますからね」

 

 そう言って青菜は私の手を取った。何とも言えない気持ちになってしまい、体が固まった。彼女の手は思ったよりも冷たかった。

 

ー家

 

 青菜に引っ張られるがままに自分の家の中に入れられ、正座させられた。

 

「……」

 

「大月さん?急に下りた理由聞いていいですか?」

 

 そんなこと言えるわけがない。どうやらさっき私が電車から無理に這い出るときに鍵を落としたらしい。それで追いかけるに追いかけれなかったてことを言われた。そして青菜は私が帰ってくるまでずっと外で待っていたようだ。

 

「そ、その……だから用事が……」

 

「今日時間確認以外に携帯を触らなかったのに、用事なんて急にできるわけないですよね?朝から予定確認も一緒にしましたし。しかもあの駅は大学や家からも離れています。私が知っているかぎりあの駅が最寄りの同期は知りません。では聞きます、用事ってなんですか?」

 

 冷静に淡々とまくしたてる青菜に気押されして俯いてしまう。まさか鍵を落として青菜が家の前で待っているなんて予想もしてなかった。今度学校で聞かれたらうまく言い訳を考えておくつもりだったのに。

 

「……」

 

 私は青菜のことが好きなんだ。でも、青菜にそんなこと打ち明けられるわけない。女の子に恋をしてしまうなんて同性からみたら一様に変だし気持ちが悪い。

 

「黙ってれば私が諦めて帰るとお思いですか?ちゃんとわけを説明してください」

 

 そう言って青菜は不意に立ち上がると私の隣に来た。嫌……来ないで。

 

「……」

 

 ギュッと口をつぐみ押し黙る。

 

 スッと青菜は私の隣に腰を下ろし、肩を掴まれた。こっちに向きなさいという合図だ。

 

 目の前に好きな人がいて密室でお隣さん両方とも実家帰郷中という状況、相手が彼氏ならすでにエッチの一回や二回終わってるのに、私は彼氏に分かれられた反動で一時の気の迷いだってごまかしながら好きな人を目の前に気持ちを抑えてる。

 

 胸が苦しく締め付けられ、息が詰まる。なんでこんなに苦しいのだろう。我慢するってこんなに苦しいものだったのかな。

 

「ひぐっ……ごめ……ごめんなさい……」

 

 ギュッと目をつぶれば自分の頬を涙がつたうのがわかる。ウルウルとした視界の中少し目を開けると、青菜は少し驚いた顔で焦りながら言う。

 

「え?あ、ご、ごめんなさい大月さん、泣かすつもりはなく……ただ気になって気になって……も、もう大丈夫ですから、な、泣かないでください」

 

 きつく歯を食いしばり、今の気持ちを我慢する。たった一日デートしただけなのに……どうしてこんなにおかしなくらい狂ったような恋をしているのだろう。

 

「お、落ち着くまで待ちますから、大月さん、ほら、深呼吸深呼吸」

 

 明らかに大焦りな青菜は私を落ち着けようとそう提案する。確かにそうだな。きっと今はおかしいんだ。深呼吸すればちょっとは変わるはずだ。

 

ー数分後

 

 青菜に無意識に抱き着き、胸に顔をうずめさせてもらっている。胸が破裂しそうなくらいドキドキと鼓動を高鳴らせ、もっと先を望もうとしている。だからとにかくゆっくりゆっくり深呼吸をし気持ちを落ち着けようと努力している。だけど息を吸い込むたびに青菜の匂いをいっぺんに吸い込んでしまい、むしろ逆効果、でもこうしないともう我慢もできない。狂ってしまいそうな理性を彼女の存在が近いところにあることを体に理解させどうにか正常を保つような状態、でもたぶんもう私は狂いきってるのかもしれない。

 

「お、落ち着きました?」

 

「少し……」

 

「も、もう問い詰めたりしませんから……ちょっとお話だけしませんか?」

 

「……青菜」

 

「は、はい」

 

「ごめん」

 

「え?……ひゃっ!?」

 

 座ったまま抱き着いていたのを私が前に体重をかけ、青菜を押し倒す。カーペットの上だから頭を打っても大丈夫だ。私はもう我慢できない。青菜に覆いかぶさるようにして抱きしめる。彼女の腕ごと抱き留め、抵抗できないようにする。彼女の首元に顔をよせ、小さく匂いを嗅ぐ。青菜の甘い匂いがする。

 

「お、大月さんやめ……て……」

 

「青菜ごめんね、おかしいよね。拒否してもいいから、そしたらもう何もしないから……」

 

 私は最低な人間だ。青菜は高校の時からどちらかといえば孤立気味の立場で、大学ではゼミとかで良い友達は増えたけど、きっと私ほど深い付き合いの友達はいない。つまり、青菜にとっての親友はきっと私と数人しかいない。そんな自己中な考えをもとに、私は青菜に親友と呼べる友達の一人を斬らせる選択をさせる。私が手を出してしまったんだ。もう二度と元の関係に戻るなんて無理だ。襲われた相手ともう一度仲良くなんて普通に考えてバカだ。

 

 青菜は私を拒めば私という親友を失う。拒まなければ体関係を持った一人として友達とは別の枠に収まる。青菜は生来の真面目気質だから、曖昧なセフレみたいな関係は大嫌いなはずだ。あるなら0か1かどっちか。

 

「……」

 

 青菜は困惑した表情で横を向いてしまう。抱きしめるのを開放して青菜の顔の横で両手をつく、答えがほしかった。

 

「大月さんは……私とそうゆうことしたいの……ですよね……」

 

 青菜は小さくそうつぶやくように聞く。もうここまでしてしまったら全部吐き出してしまおう。私は青菜にひどいことをした。もう後戻りはできない。できないならやれるところまでやって今の気持ちに終わりをつけよう。

 

「私は青菜のことが好きになった。苦しくて息苦しくて、不安で怖くて、嫌われるかもしれないって自分の気持ちを抑えて、たった一日付き合っただけなのに青菜とのやりとりが楽しくて気づいたら青菜ともっと一緒にいたいって思うようになって……でもお互い女だから絶対嫌われるって思ったら失いたくない気持ちともっと深い関係になりたいって気持ちが対立しちゃって……でも青菜と一緒にいたらもっともっと知りたくて興味ばかり湧いてきて……気づいたら青菜と少しでも距離を置いて落ち着かないとって考えっちゃって……」

 

 青菜は昨日と変わらず無言で私の話を聞いてくれた。全部吐き出し終えたとき大粒の涙が大量に目からこぼれた。青菜の服を濡らし、びっしょりと大きなあとを残す。

 

「ごめんね」

 

 最後の一言を言い終えたと同時に私は抑えられなくなった。体はまるで常人とは思えない状態、青菜への言葉を語っている間も絶え間なく青菜の体を求め、その身にマークでもつけるように下半身が濡れた。きっと青菜も気づいていた。

 

 青菜の返事など待たずに私は青菜の唇を奪った。彼女は反射的に私の腕をつかみ、服にしわがつくくらいにギュッと握るだけで抵抗はしなかった。舌で唇を舐め、無理やり唇の間から舌を入れる。味なんか気にすることができないくらいに、青菜とキスしていることに私は興奮を覚えた。

 

 他人に唇を舐められる感触はきっと何とも言えない気持ち悪さがあるだろう。青菜は明らかにわかるくらいに身を震わせビクビクとしていた。舌を入れた瞬間「ん」と小さく声を漏らし、少し顔をそらしかけたが私がしっかり抑えて逃がさない。アニメや漫画みたいに声ばっかり漏らすのかと想像はしていたけど、実際そんなことはないみたいで、青菜は舌を入れた後は急な動きをしたとき以外声は出さなかった。

 

 青菜の歯茎を舐め、できるかぎり舌を入れたとき青菜の舌とぶつかり、そのままの勢いで舌を絡めようと頑張った。初めてのキスだけどこんなに気持ちいいんだと思った。

 

 結構長いこと舌を絡ませて唾液を吐き出し、また舌を絡めてを繰り返した。そろそろ次に行こうかなって思って、青菜から唇を開放すると私と青菜の間に唾液の線がかかる。青菜はボーッとした表情になっていてすっごく色っぽくなってる。それに興奮した私は青菜の服のボタンを外す。

 

「ぇ?……ぁゃぁ……」

 

 微妙な声を出しながら青菜は私の手を掴んで抵抗しようとするが、ボタンに手をかけながらまたキスをすると、力が抜けたかのように抵抗に込める力が弱くなった。服を乱し、なぜか前止めのブラも外してしまう。

 

 ブラから覗いた青菜の胸はまだまだ発展途上らしく、たぶんAもないかな。そんな小さな胸を私は舌で舐め上げた。ひときわ大きく青菜は体を震わせギュッと目をつぶる。

 

「くすぐったい?」

 

 なんでこんなこと聞いたんだろうと正直思ったけど、少しそんなふうに見えたのかもしれない。

 

 コクコクと青菜は頷く。さっきとは違い顔を真っ赤にした青菜は目をギュッとつぶり私の行いに耐えるようにしている。ごめんね青菜、私結構性欲の強い人間だから、一回や二回じゃ、あなたを開放できそうにない。

 

ー2時間後

 

「はぁ……はぁ……」

 

「青菜……大丈夫?」

 

 私と青菜はベッドの上で身を交わらせた。青菜はされるだけの態度だったけど、だんだんと私にもちょっとずつしてくれるようになってくれた。

 

 元彼の携帯履歴にあった大人のおもちゃなんてものがたまたまベッド下の箱から出てきたからそれを使って私も青菜も処女を失った。最初は痛かったけど、だんだんと気づいたら快感に変わるのさえ明確に覚えた。最後はお互い秘所から少し血が出てたけど、もう歯止めの効かなくなった私と青菜は無我夢中で貝合わせをして果てた。それがついさっきの出来事。欲求の満たされた私は強力な疲労と満足感で眠気が来てたけど、それを抑えながら冷めた頭で思考を働かせて青菜を気遣う。

 

 処女を奪う前にもちろんいいかどうかは聞いた。青菜はきっと正常じゃなかっただろうけど、いいよと言われた。少し戸惑いもあったけど、私は結局青菜より自分の欲求に素直だった。

 

「うん……」

 

 青菜は小さくそう返してくれた。今にも寝てしまいそうな疲れた顔だ。

 

「今頃だけど青菜、私はあなたを愛してもいいですか?」

 

 そう尋ねる。体だけの関係なんて誰だって作ることができる。私がほしいのは青菜の心だ。先に体を欲してしまったけど、青菜の全てがほしいのが今の私だ。

 

「……知由、責任とって大事にしてね」

 

 青菜は少し目元に涙をためながらそう言った。私が壊してしまった友人関係、絶対に青菜を幸せにしてみせよう。たくさん壁はあるだろうけど、私は愛する人のためならどこまででもやれる。自信を持て、前を見て、前向きに考えろ、いつもの自分に戻れ。自己中だけど、青菜を想う気持ちに嘘はない。

 

「青菜、愛してる」

 

 またその小さな唇を私は奪ったのだった。

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