バカとテストと召喚獣~バカの婚約者はグラビアアイドル~ 作:オーズ・ジャニケル3
彼女を照らすのはサンサンと輝く赤い太陽。その光は浜辺に立つ彼女をこれでもかと言う程美しくしている。
「いいね~。今度はちょっと体を仰向けに……そうそう!」
シャッター音の嵐……。周りにはカメラマンや沢山のスポンサーやファンが集まっている。
今日は公開撮影とサイン会が開かれており、彼女はいつもより倍の笑みを見せながら、浜辺に寝そべりカメラに向かって微笑む。
ファンの視線は彼女の魅惑な体や足、手、瞳など様々な箇所へ飛び交い、サインをいまかいまかと待ち望んでいる者も居た。
青いビキニに身を包む彼女はすっと空を見上げ小さく呟いた。
「約束…」
黒いサングラスを外し太陽を眩しげに見上げる。
大きなくりりっとした可愛らしい瞳に何が見えているのだろう……。太陽なのか……青空なのか……。
「今すぐ、会いたいな……」
切ないように笑いながら、少女は再びカメラへと振り向く。
今は……、仕事を楽しもう。少女は人々に満面の笑みで手を振りながらポーズを取る。
(体も性格も……少しは……近づけたかな……)
売れっ子グラビアアイドルの公開撮影はおよそ二時間にも及んだ……。
その時間に彼女は一度たりとも笑みを崩すことは無かったのだった。
「……転入ですか?」
「そう。……宮ちゃんも高校生なんだし折角だから……」
「……で、でも……私…高校のことよく分からない……ですし、何処が良いか……」
時期も既に入学シーズンに突入する。 受験は愚か、高校生として一年を過ごしたことのない彼女は唸るが、事務所の女性マネージャーは一枚のパンフレットをデスクへと置いた。
「……、ふみ……、月学園?」
「ええ。……私達の事務所はスポンサーでもあるんだけど……振り分け試験があってね――」
話しを聞きながら彼女は文月学園のパンフレットを持ち上げじっと眺める。
と、視線がある一点に向かい……、気づけば……
「……、高月さん。……私……ここに、します……!」
「え?」
高月は立ち上がった少女を見上げ呆然とした。
大人しい彼女が……優しい瞳をしていた彼女が……強い意思を持って私を見ている。ならば……マネージャーとして、やることはただ一つ。
「分かったわ。でも、これから忙しくなるわよ?」
「……ふえ?……撮影以外何かあるんですか?」
「ええ。高校の放課後には番組の収録もあるのよ」
「え?へ?……え!?む、むむむむ無理ですよ!わ、私、」
「……大丈夫よ。誰よりも努力をしているあなたなら……きっと大丈夫」
彼女の写真集は売れに売れ……、ついには番組デビューまで果たした……。
高校生活をさせたいのは彼女なりの気遣いなのだろう。
仕事に詰まっている時こそ、リフレッシュが必要なのだから。
「……ぅう……わ、分かりました……」
「それじゃあ私は手配してくるわ。……宮ちゃん、違う世界を見ることも大事よ?」
「………」
違う世界……。其処には彼は居るのだろうか?