バカとテストと召喚獣~バカの婚約者はグラビアアイドル~   作:オーズ・ジャニケル3

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さてさて、吉井明久のその後は…←


第九問

 家族マンションの扉の前に立ち、左腕でノブを回す。

 実は僕は左効きで、まあ、どうでもいいことなんだけどね!とりあえず今日の材料は…水、塩……ふう、漫画やゲームを売れば何とかなるかなあ。

 

「秀吉…今頃どうしてるんだろう」

 

 Aクラス戦ミーティング時に僕の言ったあの一言で何人かのクラスメイトが侵された。秀吉もその一人な訳で――

 

『――僕は、吉井明久は…約束のために自分を…変えます!!だから、明日…日本史の点数を三桁にしてやる!』

 

 …うわぁ、今考えれば凄く恥ずかしいこと言っちゃったなあ…。

 でも、あれで何人かはやる気になってくれたんだ…このまま行ってFクラスをまともな人材に…

 

「て、雄二や島田さん達は駄目だよなあ…笑ってたし」

 

 …まあ、いいか…僕は本気なんだ。きっと僕の真剣な瞳を見てくれたみんなは…今頃…

 これで結果が出たら雄二達も納得するしか無いよね。

 

「…姫ちゃんも納得してくれたし、よしまずは明日に向けて頑張るかな!」

 

 姫ちゃんとの関係は婚約は破棄したけど、姫ちゃんを守れるよう、二人に協力してもらって婚約者としてみんなに認めさせた。ただし、世間に公表はしないし…あくまでも仮というオマケ付きだ。

 それは、彼女が嫌いだからじゃなく、今の僕じゃ駄目だからだ。

 …努力をしてグラビアアイドルになって、今を生きている姫ちゃんと何もせず、泥棒をしたあげく売り払った観察処分者の僕が彼女の婚約者となれば、姫ちゃんの信頼が落ちる。

 …それに僕は…姫ちゃんに守ってもらう訳にはいかないんだ。…今度は僕が、僕が…彼女を守って…そしていつか本当の約束を思い出して、…はあ、今は考えるのはよそう。

 

 

「…今は…僕が覚えている約束を果たすために頑張らないと」

 

 部屋に入りドアを閉める。靴を脱いで上がろうとした時に茶色いブーツが見えた。

 しかも女性もの…。

 まさかなとは思いながら靴を脱いでリビングの扉を開く。

 …あれは、姉さんは帰って来る筈無いし、きっと目の錯覚だろう。

 

 

「ふえ?」

「え」

 

 …………………。

 

 いやいや待て、落ち着くんだ吉井明久。

 今の現状を整理しよう。

 

 ――入ってそうそうに女の子のブーツがあった。

 僕はあれを目の錯覚だと考えながら扉を開いた…。

 目の前にはエプロンを身につけた姫ちゃんが調理場に…。

 ポニーテール…ゲフンゲフン。

 

 そう、姫ちゃんが、仕事へ行ってた筈の姫ちゃんが…料理を作りながらこっちを凝視している。

 

「…あの、姫ちゃん?」

「………!ふあ!?…あ、あの、…えと、勝手に上がってごめんなさい!」

「え、いや、…嬉しいですはい」

「ふえ?」

「ああああああああ、違う!!…えと、どうして入れたの?」

「あ、う、…えと…あのぅ」

 

 たどたどしくしているけど料理を作る手は止まっていない。 はて…僕、鍵を閉めたかな?いやでも、鍵は持ってるし…。

 

「…あ、ぁの…実は、その…か、鍵を…」

「へ?」

「ふあ!?ごめんなさいごめんなさい」

「待つんだ姫ちゃん!僕はまだ何も言ってないし謝られる理由が…」

 

 というか姫ちゃんを見ているだけで理性が削られる…。

 姫ちゃんの格好は純白のタンガリーシャツに薄い青のロングスカートだけど…脚が…透けて…

 

「あのぅ…明久…くん?」

「……だ、だいほうぶ…(ドクドク)」

「?……えと、さっきの答えですが…その、合い鍵を明久くんくれましたし…」

「あ」

 

 思い出して一秒も経たない内に僕は彼女へ全力で土下座をした。

 いきなり何失敗してるんだ僕は!!

 

 そうだよ、姫ちゃん引っ越し先まだ見つかった無かったからって…教室に帰る前にお願いされて・・・二つ返事で合い鍵渡したんだった。

 いや、姫ちゃんが住むのは全く構わないけど…これって同棲?だよね…。

 

「すみませんでした!!蹴るなり殺すなり好きにして下さい!」

「あう!?そ、そんなことしないよ、ああ明久くん!?地面に頭を打ちつけたら怪我しちゃうよ!」

 姫ちゃんに止められ額からは血が流れ落ちる。ぬう、自分に許せないんだけど…姫ちゃんが許してくれたんだし…仕方ない。

 

「えと、仕事は終わったの?」

「うん。…今日は珍しくフリーだったから。…それに」

 

 姫ちゃんは皿を並べ、準備し終えた後にエプロンの紐を解きながらそっとテーブルを眺める。

 

「それに、…仮じゃなくて、…明久くんに認めてもらえるように頑張らないとって…」

「………」

「あわわ、えと…その……あのぅ」

 

 ………………。

 

 

 ……まずい…。

 

 

 …心の中のストッパーが外れかけてるぅうう!!

 

 いや、だって…あんなに恥ずかしそうな顔をしてまであんなこと言うんだよ!?

 しかも、仕事を早く切り上げたのは…僕の為だし…可愛いってレベルじゃない!駄目だ吉井明久!越えてはならない一線なんだ!姫ちゃんはグラビアアイドルだぞ!?

「明久くん?」

「……あ、ははは…と、とりあえず…着替えてくるよ」

「?…は、あ…」

 

 こみ上げる欲求を押さえつけ、急いで自分の部屋へと駆け込んだ。

 危ない……きょとんと首を傾げられでもしたら…アウトだった。

 

 

 

 

  ☆☆☆

 

 

 

 

 姉さんの部屋が開いているので姫ちゃんは姉さんの部屋を使って貰うことになった。

 他に開いている部屋はあったけど姫ちゃんは何故か其処でいいと言った。…姉さんの部屋に居ても逆に眠れないのに…まあ、物は殆ど無いけど…。

 姫ちゃんが作った夕食を食べ終え、僕はリビングでソファーに座って日本史の教科書に向かっていた。というか姫ちゃん…家事、仕事、勉学も完璧って…最強じゃないかな…。

 

(……明日は絶対に…結果を出さないと)

 

 約束をしたからには必ず点数科目を三桁にしないといけない。

 五人対五人。どうせ雄二のことだから明日のメンバーは、秀吉、僕(生贄)、ムッツリーニ、姫ちゃん、そして…雄二になるだろう。だからこそ、チャンスだ。

 …姫ちゃんを出す理由は…まあ、分からなくもないけど…操作に慣れてないのに大丈夫だろうか?

 

「…ふむ。…聖徳太子は冠位十二階と――」

 

 ――むにゅ

 

「小野小どわっ!?」

 

 ペンを持っていた左腕に柔らかな感触が当たり慌てて体をのぞけた。

 誰かは分かっているせいなのか余計に顔から熱が引かない。

 

「…べ、勉強…ですか?」

「う、うん。明日は雄二が言ってたとおりAクラスとの試験召喚戦争だから…」

「……そうなん、ですか…」

 

 姫ちゃんの格好は夕食時と変わって露出がある…薄い桃色のワンピース形の寝間着だ。なんというか目の行き場に困る。

 

「あの、…見てていい、ですか?」

「え?あ、うん。全然大丈夫」

 

 ぱあっと明るくなる小動…姫ちゃん。うん、昔と変わらず大人しいのに可愛いよねホント。

 といっても、このまま姫ちゃんの良い匂いで集中出来ないのはまずいのでそっと見えないように離れる。

 

「………」←姫ちゃんが寄って来た

 

「………」←また離れる僕

 

「………」←姫ちゃんが寄って来た

 

「………」また離れる僕

 

「………」←姫ちゃんが寄って来た

 

「………」←離れる僕

 

「………」←姫ちゃんが寄って来た

 

「……っ」←離れるぼ「……うう」←姫ちゃんが半泣き

 

 

 さて、困ったぞ。

 

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