バカとテストと召喚獣~バカの婚約者はグラビアアイドル~   作:オーズ・ジャニケル3

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秀吉は秀吉ではない(意味深)←


第十一問

 二人を抑えようと言葉で言い争った挙げ句の果て、姫路さんと美波は拳を振り上げた時に恣意さんに捕まってしまった。その時ウィンクをしてくれたから助けてくれたんだろう……。

 いや、内容的には色々とアウト。FFF団は愚かAクラスの男子の何人かが舞い上がってドン引きされてたし…。

 恣意さんはちょっとぼけっとした人だと思ったけど以外に頼りになるし、優しいよね……いや、あれは流石に認めれないけれども、認めれないけれどさ!

 

「…ぷぅ。…明久くんは…私の…夫だもん」

「姫ちゃん。そういうことは今は辞めようね?Aクラスに広まったら社会的に終わりだから!」

 

 背中に隠れ、ぷくうと頬を膨らます姫ちゃん。焼き餅妬かせちゃったかなと思うと可愛くて仕方ない。…え、だって可愛いのは事実だし。

 

「明久。お前もお前で周りの空気察しろ」

 

 雄二が呆れながら肩をつつき、姫ちゃんが即座に反応した。いや、姫ちゃん…雄二は男だから!そんなゴリラに嫉妬しても何も得るものは無いから…ああ!可愛いなちくしょう!!

 

「明久。今園宮に何かしたらお前、本当に終わるぞ」

「ハハハハハ…ヤダナ~ナンノコトダヨ~」

「片言の時点でバレバレだ馬鹿っ!!」

 

 ぐぅう!?おのれ雄二…完璧な僕のポーカーフェイスを見破ってくるなんて…!

 姫ちゃん、とりあえず君は嫉妬するの辞めようか、みんなが歯をギリギリさせてるし…。

 

「…………始めて良いかしら?」

 すみません木下さん。存分に姉弟対決して下さい…う゛ぁあいっ!姫ちゃんはとりあえず離れるんだ!

 

 思い切って背中に張り付いていた姫ちゃんを剥ぎ取り、距離を離すと慌てて小走りで寄って来た。何だこの小動物!?

 

「………ぐすっ」

「あ、わわわ…ごめん!ごめん姫ちゃん!」

「…………っ」

「ああああ!?な、泣かないで…よしよし」

 

 ついつい苛めたくなりそうな泣き顔ですがりつく姫ちゃんを抱き止め、ステージへと振り返る。いや、もう諦めた。距離を置くと姫ちゃん泣いちゃうし、…もう襲われても姫ちゃんが悪いってことで。いや、襲わないけども!!

 

「……あれ?みんなどうして泣いてるのさ」

 

 FFF団や秀吉のファンらしき生徒のみんなは全員地団駄を踏み、血のような涙を流していた。

 怖っ…特に手間に要るあのAクラス男子なんて壁に頭を打ちつけてるし…。

 

『吉井!お前は平気なのか!?』

『木下が…木下が秀吉じゃ無くなったんだぞ!?』

「何言ってるのか意味分からない。それに、僕は秀吉卒業したし…」

 

 ステージに居る優子さんと比例し、秀吉は男らしさを放ち、優子さんが綺麗ならば秀吉は美しいが相当だろう…。正し、格好いいの美しさだ。

 昨日の間に一体何が…。

 

「明久よ。ワシも分かったのじゃ…女性扱いされるならば…男性に見られるよう努力すればよいと」

「秀吉…」

「ワシも…心の何処かで異性から好かれたいと思っていたじゃろうて…。…ワシも…一人の男性として生きたいのじゃ」

「それ以上は言わなくていいよ秀吉」

 

 秀吉はいつも女性に見られていた。僕と同じで心の何処かでは、本心は…崩れかけていた…。僕だって…知らない内に彼を傷つけていたんだろう…。

 でも、秀吉が本当に嫌だと思うなら何か行動に出る筈なんだ。そう、今日見える秀吉は髪が耳辺りまでカットされ男性よりの髪型になっている…それだけで、彼の決意が良く分かるんだ。

 

「…格好いいじゃん秀吉…僕も、髪型変えてみようかな」

「じゃがまだまだじゃ…。ワシはもっと男らしくならぬと駄目なのじゃ」

 

 だからと言うように僕から視線を木下さんへと変えて、強い眼差しではっきりと告げた。

 

「姉上を倒し、馬鹿で無いことを証明する!」

「…秀吉…言うようになったじゃない。けど、アタシだって勝たせるつもりはないわ…アタシを倒して男として認めて貰おうなんて甘いわ」

「認めて貰わなくて良い。じゃが…ワシは木下秀吉。姉上と同じでは無い…一人の男性じゃ!」

 

 うわ…不覚にもキュンと来た…。

 今の秀吉は、荒野に立つ若き侍って所かな。可愛いじゃなくて、格好いいが似合うよ秀吉…。

 

『『『違う!秀吉は…秀吉はああああ!』』』

『……(ギリギリ)』

『『こんなの夢だあああああ!』』

 

 はい、あの連中は無視無視。ムッツリーニだけは親友として後でしばく。

 

「あ、あの…木下さ、んは…女装して、たんですか?」

「あはは…違うよ。あれは…昨日までの秀吉だよ」

「ふえ?」

 

 恣意さんの男の娘って言葉や行動も変えるきっかけだったんだろう。恣意さんは秀吉を異性と見ないで…女性として見ていたようなものだし…多分…

 ファーストキスを異性好きじゃない人に奪われた屈辱は相当だったんだろう。

 

「では、一試合目始めます。教科はFクラスに選択権ありということですので古典です」

「ふ~ん、古典ね…」

「覚悟するが良い姉上。ワシの得意科目じゃ」

 

「「試験召喚(サモン)!」」

 

 召喚キーワードをスタートに二人の前に魔法陣が出現し、召喚者をデフォルメしたぬいぐるサイズの木下さんと秀吉の召喚獣が装備を持ち煙から現れる。

 ………、姫ちゃん…可愛いのは分かるけど、腕に抱きついたままはやめてください。

 てか、秀吉の召喚獣外見変わってるし…、男侍…だね。

 

『『『ちくしょううううう!!』』』

『召喚獣が最後の希望だと思ってたのに!』

 

 いや、諦めろよ…。

 流石に雄二もFクラスの馬鹿さが恥ずかしいのか顔を隠していた。

 

         

              木下優子 Aクラス

               古典  352

 

                   VS

 

              木下秀吉 Fクラス  

               古典  256

 

 

 …秀吉…。

 その点数に周りが静まり返った。木下さんは…多分だけど、姉弟だから勉強を風景を見ていたんだろうから…笑っている。

 秀吉は元々僕よりも勉強出来てたけど、これは凄い…。

 そうか、秀吉も…今回は本気なんだ。

 

「…ふうん。努力したのね秀吉」

「Aクラスに勝つには努力をせねば意味がなくての……試験召喚戦争を通して、それが身に染みたのじゃ」

「そう…。召喚戦争が逆にあんたの勉強意欲を上げたのね…」

「行くぞ姉上。ワシは…この勝負必ず勝つのじゃ!」

 

 秀吉は瞳に闘士を燃やし、まるでバトル漫画の主人公みたいだ。

 …頑張れ…秀、…吉……。

 

「―――っ!?」

「明久くん?」

「あ、ああ…大丈夫だよ姫ちゃん」

 

 まただ…。視界がぼやけてる気がする…。

 ……、ま、気のせいだろうけど。

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