バカとテストと召喚獣~バカの婚約者はグラビアアイドル~   作:オーズ・ジャニケル3

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第十三問

 まさか脚が折れたなんて言えない。

 僕は汗ばむ額を拭いながらステージへと上がって行く。いっ…くぅう…流石にやばいかな…はは…。多分…あの時、秀吉が戦っている時の関節技が原因かもしれ…いっつ…涙出そう。

 

「ハロー吉井君♪」

「う、熟島さん…」

 

 ステージに上がって来たのは、淡い赤い髪のスタイル抜群のグラビアアイドル、熟島千里さんだ…。熟島さんは胸を協調しながら手を振る。…残念だけど…僕は大きいより柔らかい方が好みだ!

 

「ふーん…そう言えば~さっき姫の胸触っ「さ!始めようか!」あーん…いけずぅ」

「…いけずはそう意味じゃないから」

「じゃあ、アタシの胸触って?」

「断る」

「や~ん…いけ「それが言いたいだけだよね!?」…ふふ」

 

 小悪魔スマイルを見せなながら舌を出す熟島さん。全く、怒る気が無くなる………はっ!?邪悪な気配!

 

「……(ふいっ)」

「気のせいか…っい!?」

「吉井君!?」

 

 姫ちゃんから何か感じたような気がして首を傾げていると、不意に腕がねじ曲がるような痛みが走った。

 体中に痺れが走り、激痛が脚にまで及ぶ。

 

「いっつぁあ……」

「アキ!熟島さんに何しようとしてたの!」

「え…いや、僕は…ただ…うっ…!?」

「嘘です!だってずっとニヤニヤしてたじゃないですか!」

 

 違うんだけどな…。あれはニヤニヤしてたんじゃなくて…熟島さんにからかわれて苦笑いしてたというか……まぁ、二人にはそう見えるんだからそうなんだろうな…。ちょっと悲しいや。

 

「姫路さん!島田さん!何やってるの!」

「止めないで!ウチ達はただアキにお仕置きをしているだけよ!」

「アタシには理由がさっぱりなんだけど……」

 

 あ…やば…ちょっと冷や汗が…。

 チカチカと目の前に火花が走るように不意に目眩が襲うが、痛みで気絶すら許されない。

 二人は何か恨みがあるのだろうか?

 

「やめろ島田!それ以上は流石にやべえぞ!」

「離しなさい坂本!」

「落ち着くのじゃ!」

「離して下さい木下君!」

 

 二人に引き剥がされてもなお抵抗する姫路さんと美波。

 解放され、跪く僕に熟島さんと恣意さん、怯えていた姫ちゃんにAクラスの人までもが駆け寄って来る。

 

「大丈夫吉井君!?」

「ありがとう、木下さん……う、うん…なんとか…ね」

「…吉井………その様子じゃ棄権した方が良い」

「霧島さん…。でも……」

 

 …こんな所で…

 

「あ、明久くん…は、早く保健室に…(パシッ)…え…」

 

 差し出された姫ちゃんの綺麗な手のひらを軽く弾いた。そうだ、負ける訳には行かない!この試合のために…今日のために僕は…

 

「やれる!!だから…続けて下さい先生!」

「しかし…」

「やらせて下さい!!」

「「「…!」」」

 

 

 怒気を含んだ声で無理やり黙らせる。

 脚を引きずりながらステージの前まで歩き、無理やり体に力を入れた。

 

「さあ、勝負を再開だ」

「吉井…君…」

 

「再開、しろよ!!」

 

「…っ…。先生…」

「分かりました…」

 

 

 

 ――どうして…

 

 私は震える手のひらを逆手で握りしめ、唇を結ぶ。

 涙を拭い、ステージを見上げると…明久くんと千里ちゃんの前に魔法陣が現れていた。 …明久くんは続ける気なんだ…。 …止められない…。私じゃ…

 

 

   ☆☆☆☆

 

 

 

「「召獣召喚!」」

 

 魔法陣から出現する召喚獣はお互いをディフォルメしている。

 僕の召喚獣は相変わらずの改造学ランに木刀という不良装備で、熟島さんは黄色い水着に腕、脚にアーマーという極めて露出が高い装備だ。

 召喚獣だから萌えないけど…なんか単純すぎるような…。

 

「吉井君…アタシ、Aクラスを勝たせたいから…手を抜かないよ?」

「…当然。…それに体だって…っ」

「………吉井君」

 

 くそっ…こんなんじゃあ熟島さんの本気が見れないじゃないか…。

 体に鞭を打って無理やり姿勢を正し笑ってみせる。

 遅れて、ディスプレイに点数が表示された。

 

 

      熟島千里 Aクラス

      日本史  342

 

 

『『くぁあ…やっぱり高い!』』

『『…そしてこの角度から…見える!』』

『どけ…!熟島たんの下着は俺のだ!』

『馬鹿言うな!俺こそ見るに相応しい!』

『太もも…はあはあ』

 

 …やっぱりクラスの三分の二は腐っている。

 真面目に驚く奴らが居れば、純粋に熟島さんの下着に食い付く馬鹿達も居る。男としてその気持ちは分かるけど、今はそんな空気じゃないでしょ…。

 

「やっぱり辞めない吉井君?…その体じゃ…」

「…ふう…。…分かったよ…熟島さんが本気を出さないなら…」

 

 

 

          吉井明久 Fクラス

          日本史  420

 

 

「…え…」

「本気を出させてあげるよ」

『よ…』

『『『四百ぅうう!!?』』』

『あ、あの吉井が…』

『マジカヨ…本当に三桁行きやがった』

 

 外野に耳を傾けてる程、僕には余裕は無い。ただ、目を見開いて呆然としているのが見える。

 秀吉があんなに頑張ってるんだ…言い出しっぺの僕がこの点数なのは普通だと言える…。というかこんくらい出さなきゃ…駄目なんだ!

 

「う…く…」

「明久…」

 

 霞む視界…目蓋が閉じるのを堪えながらポカーンと突っ立っている雄二にニヤリと笑ってみせる。

 …正直…僕だってここまでなんて思ってなかったし、体が震えてる…、けど、あの娘が居たから…。

 

「…さあ、行くよ…」

「く…」

 

 身構える熟島さん召喚獣…なるほど、どうやら…

 

「きゃ!!」

「そこだ!」

 

 真正面から突っ込み、熟島さんが拳を突き出すのを軽く避けて脇に叩きつける。

 怯んだ間にアーマーに木刀を数回殴るように振り下ろし、右肩のアーマーがパッキリと砕ける。

 

「千里!?」

「くう…」

「やっぱりね。熟島さん、召喚獣の扱いが慣れてないんだね」

「…っ」

 

 構えがぎこちないない上に単調な攻撃、それでも姫路さんクラスなんだろうけど…相手が悪かったようだ。

 熟島さんも気づいたようで苦笑いをしている。

 

「隙あり!」

「おっと、甘い!」

「!!、あう…」

「とっさに反射したのは良かったけど、避けられることを想定してなっかたね」

 

 召喚獣を下がらせる所を見逃さず蹴りを入れる。が、流石にオーバーだった為に両腕をクロスさせ衝撃が柔らかくなった。

 うーん、あまり長がびかせたら癖とか気づかれるな…。

「「いけえ吉井!!」」

「アキ!」

「明久君!」

 

 全く…みんな都合が良いんだから。

 A、Fともに後ろから声援が飛んでくる。ん?熟島さんの召喚獣が居ない…やば!!

 

「もらった!!」

「―――!」

 

 フィードバックにより伝わる痛みを堪え、腹にめり込むガントレットを掴みとび蹴りを相手の召喚獣の顔面に繰り出し、壁に衝突していく。

 目眩が酷くなり視界がかすむ。く、見えない…。

 

「はあ、はあ…」

「う、やっぱり強いね吉井君」

 

 何だろう、熟島さんの声が

             

 

          ……遠い。

 

「吉井君?」

 

 

          見えない…。

 

          何も、何も…。  

 

 

 

          「(――ドサッ)」

 

 

「吉井君!?」

「「明久!?」」

 

「あ…あ…、いや、

 

       …明久くーーーーん!!!!」

 

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