バカとテストと召喚獣~バカの婚約者はグラビアアイドル~ 作:オーズ・ジャニケル3
吉井が…アキが倒れた…。
予想もしていなかったことにウチと瑞希は顔から血が引いていくのが分かった。
倒れたアキに先生やみんなが駆けつける…。ウチ達もと脚を進めようとした…。
出来なかった…。
今、ウチと瑞希がアキに近寄ったら…きっと…
「明久くんっ、明久くんっ!」
「落ち着け園宮!ムッツリーニ、秀吉!とにかく保健室へ運ぶぞ!」
アキが担架に乗せられ運ばれて行く。
ウチと瑞希は、泣き崩れ恣意さんや嬉島さんに抱えられる園宮さんを見た。
まるでその姿は……狂っているように見えた…。
園宮さんは…アキの婚約者…。 アキから聞いた話しによれば…ずっと昔からの…
「瑞希…」
「はい…」
ウチ達は、ウチ達は…アキを傷つけたことで…一人のか弱い女の子を苛めていたんだ…。
胸が酷く痛んで、これまでアキにしてきたことが蘇る。
思えば、…ウチはいつからアキを傷つけたのか…よくわからない…。
ただ、…ウチ達は…
『『吉井が憎いだろ?…遠慮はいらないんだよ…あいつは女の子の敵だ…』』
ウチは…
『好きなんだろう?なら無理やり振り向かせるしかないんだよ』
…………っ
「…島田さん?」
「…………ウチは…っ………ウチは…」
「………あぁああああっ!」
涙がこぼれ落ちると同時に瑞希が声を上げて泣き叫んだ。
隣に居た木下さんや恣意さん達…園宮さんもウチ達に駆け寄って来る。
「ごめんなさいっ…園宮さ、ん…ウチ、ウチ…」
「私は……っ大バカですっ、」
「…島田さん…姫路…さん」
「………アキっ、ごめん…ごめん」
許されない…。
ウチ達はアキの悲鳴を無視してずっと愚行を繰り返していた…。
だけど…
だけど…
ウチ達は謝らずには居られなくて…園宮さんから大事な人を奪いかけて……
「……うぁっひぐ……ごめんな、さ…い」
「……うっ、……」
「…姫路さ…ん…島田、さん」
愚行……。
アキがAクラス戦前に言ったあの言葉は……ウチや瑞希に大きな変化を与えていた…。
園宮さんが婚約者と知った時点で…勝ち目は無かった。思い返してみれば…ウチ達は…アキを支えれる存在では無かったのだから…。
笑ってはいたけれど…心は反発していた。本当は…本当はウチはアキ達と並んで行けるような存在になりたかった。
あいつと並んで歩けるようになりたいって……。その時、瑞希も同じ気持ち何だって…
園宮さんを見た時、それが蘇った…。園宮さんはアキを愛しげにずっと見ている…。 ウチにもそんな時代があった…。誰かを一途に愛して…誰かと一途に添い遂げようって。
アキは…、帰国して来たウチに…誰とも話せなかったウチに…馬鹿だけど…それでも…一番に話しかけてくれた…友達。
ウチの日本での最初の友達…で親友だった…。
でも、
『そろそろ切れて来たか。…じゃ、もう一回…今度は仲良く…闇に墜ちろ』
思い出した…。
全てはあの日から…。
ああ、…神様…ウチ達にもし、もう一度チャンスがあれば…
願わくば…ウチ達は……アキと…
吉井明久と…もう一度絆を取り戻したい。
――人間は弱い。
――心の一点を突くだけコロリと変わる。
――そして腐っていく…
――だからか、勘違いしていた心を弄るのはもっと楽しい…。挙げ句の果てに朽ちていき、人間として終わる。
――ついでに殺してくれないかなと思っていたけど…案の定奴は倒れた
――今まで色んな女を揺さぶって腐らせて来たが…Fクラスだけあってか…腐りようが今まで一番面白い
――もしかしたら薬の量を間違えたかも…ふふっ
――死んだらどうしようかな…。墓を掘って…骨を盗んだら…ずっとずっと私の物だよね
――…………
――その前に…
――まずは、邪魔な子猫から消さなきゃ
ああ、大好き…大好きだよ…
――愛しの明久君
質が悪い黒幕登場です。島田、姫路に関しては被害者の一人……さーて、今のうちに島田と姫路の相手を考えよっと