バカとテストと召喚獣~バカの婚約者はグラビアアイドル~   作:オーズ・ジャニケル3

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展開が早いですが気にしない←


第二問

「おはよー」

「おう明久。今日は随分と早いな」

「それって僕が何時もは遅いってことだよね!?」

 

 反論しながら扉を閉めると、赤髪の馬鹿にして悪友の坂本雄二は鼻で笑った。

 Bクラス戦が終わり、いよいよAクラスだけとなった僕らFクラスの試験召喚戦争…。

 根本君の卑怯な行為はあったけど、姫路さんに無事便箋を返せて良かったと思えば結果オーライって奴だ。

 此処まで来たんだ…絶対Aクラスに勝って設備を手に入れるんだ!って勢いづいてたのに台無しだよ畜生!!確かに…昨日、二日前………週の始めから遅刻してるけど…たったそれだけだよ!

 

「十分アウトだろ。…今日は雨が降るかもな」

「貴様を殺す!」

 

 この馬鹿にはとりあえず釘バットでスイングして…その後に…って…

 

「あのさ雄二…なんか異様にざわざわしてない?」

「気づいたか。どうやら転入生が来るらしいぞ」

「転入生?まだ始まって間もないのに?」

「まあ、試験召喚戦争で活躍してくれりゃあ誰だっていいんだがな」

 

 そういうと再び畳に寝転がる。雄二らしいと言えばらしいけど…転入生か…。

 

 

『約束だよ明久くん?…離れていても…お互いに頑張るって…』

 

 

 …いや、まさかね。

 

 脳裏に現れた女の子をかき消してから卓袱台へと座り、鞄を開き、勉強道具を卓上に並べた。約束したんだし僕も頑張らないとね!

 とりあえず日本史から重点的に始めるとするかな。

 

「アキが勉強なんて雨が降るんじゃない?」

「明久君…何かあったんですか?」

 

 …僕が勉強=雨が降るのは確定なの!?というか僕が勉強して可笑しいの!?

 後ろを振り向くとさっきまで覗き込んでいた二人の少女が心配そうな顔をしていた。始めて二秒で集中力切れたよ!

 

「美波、姫路さん…僕は至って普通だからね?」

「嘘よ!いつもは勉強しないアキが今日に限っておかしいわよ」

 

 そう言って吊り目を細くする島田美波。む、美波だって勉強意識薄いし胸だって薄

 

「…ウチの胸が何?」

「すみませんでした」

 

 てか何で心読めるの!?

 何か悲しい気配を感じ、土下座をしていた体を起こし美波の隣を見ると哀れむような顔にふわっと薄い桃色の髪を揺らしながら姫路瑞希さんが見下ろしていた。

 な、何だろう…何故だか体がギシギシする。

 

「明久君…」

「何かな…姫路さん」

「私に出来ることなら…協力しますよ?」

「ああもう!!何でそんな解釈されるのさ!」

 

 ぬぬぬ…とことん馬鹿にされてる気がするんだけど…。

 

「皆さん席に座って下さい」

 

 唸っていると扉が開かれ、担任である福原先生が入って来る。姫路さんや美波達は肩に手を置いてから自分の場所へと戻って…って…肩に手を置くのは必要ないんじゃないかな…。

 

「おはようございます。えー今日は……転入生がFクラスに入ります」

『『イヤッホーーウ!!』』

『『キタアアア!』』

『神様ありがとう!』

 

 …あちこちから歓喜の声が響き渡る。姫路さん、美波、秀吉しか女子は居ないんだし嬉しい筈が無いんだろうけど…

 

『先生!女の子ですか!?』

 

 須川君が勢いに乗ったまま尋ねる。

 歓喜した所で転入生が男子だったらこのフィーバーは葬式ムードに早変わりするだろうな…。改めてFクラスが恐ろしい場所だって認識させられるよ。

 

『『(ゴクリ)』』

『女女女女女女!』

 

 息を呑み先生の返事を待つ僕ら。てかさっきから女しか呟いて無い人誰!?めちゃくちゃ怖いよ!『はい。転入生は女の子です』

 

 ――シン……

 

 

 

『『『うぉおおキタアアア!』』』

『参ったな!Aクラスの女子に加え、転入生からもモテモテかよ!』

『何言ってんだ。俺は全女子からモテモテだぜ!』

『女神様ありがとうありがとうありがとう!』

『明日から俺の人生もバラ色かー!』

 

 より一層むさ苦しい大合唱や歓喜が響き渡り、僕や雄二達は耳を塞いだ。

 転入生は嬉しいけどむさ苦しい大合唱は自己紹介の苦い記憶が蘇ってきて…うぇええ気持ち悪い。

 

「皆さん落ち着いて下さい。早速入って貰いましょう」

『『YES!myangel!』』

 

「…エンジェルって‥意味分かって言ってるのかな」

「そうだよね。Fクラスのエンジェルは秀吉だけだもんね」

「待つのじゃ明久よ!?聞き捨てならぬことを言わなかったかの!?」

 

 食い付いてくる美少女のような男子のような美少女は木下秀吉だ。事実だし…秀吉は秀吉じゃないか。

 昨日だってポニーテールで僕の心を揺さぶってさ…誘ってるようにしか見えないよ!

 

「…お主とは一度じっくりと話さなければならないかの…」

「?」

 

 秀吉がぶつぶつと呟いている内に教室が静まり返った。僕も急いで視線を合わせると古いドアがガラリと開かれ、まず見えたのは白い肌にすらっとしたモデルのような美脚…。

 

「か、かなりレベル高いんじゃないムッツリーニ?」

「……(ポタポタ)」

「ムッツリィイーニ!?」

 

 ムッツリーニこと土屋康太は既に鼻から鼻血を零している。くそ…ムッツリーニを足だけで殺るなんて…想像以上に期待してしまいそうだ!

 

「とにかくムッツリーニを急いで蘇生させ……」

『『おい…まさか』』

『嘘だろ…彼女ってあのグラビアアイドルの…』

 

 輸血パックを取り出した瞬間、扉から転入生が現れ、みんなが声を上げる中、僕は呆然としてしまった。

 な…んで…まさか…そんな…

 

「…あの…ええと…そ、園宮姫です!よろしくお願いしま…しゅ」

『『噛んだ顔も可愛いぃいいい!!』』

『『姫様ぁあああああ!』』

「…ひゃあっ!?」

 

 …ああ…、あのおどおどした性格…間違いない。

 幼い時とは違い、クリームに近い色の膝裏から見える長い髪、成長した背丈…何よりも昔は前髪で隠れていた青くサファイア色の瞳がはっきりと見える…。

 園宮姫…姫ちゃん…!思わず唾を飲み込んでしまい震えている彼女に目が行く。

 

「自己紹介ありがとうございます。席はご自由ですよ」

「は…ひぃ…あ、ありがとうございます…そ、それじゃあ…」

 

「「あ」」

 

 席を探してキョロキョロしている姫ちゃんと目が合ってしまい、つかの間の沈黙が流れた…。

 

「…あ、明久…くん?」

「姫ちゃん…」

 

 突然の幼馴染みとの再会に僕はどうすることも出来ず、ただ彼女のサファイア色の瞳を見つめていた。

 

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