バカとテストと召喚獣~バカの婚約者はグラビアアイドル~ 作:オーズ・ジャニケル3
相変わらずサインを書く作業を続ける姫ちゃん。恐らく会社が即完売を見抜いてあの量を用意したんだろうけど、仕事を一度パスしたのが大きかったのか眼尻に涙を溜めて作業をこなす姿はちょっと可哀想だ。
でも、僕に手伝える事は何もないし、手首を縛られてちゃ身動きすら取れない。
目当ての聖典は姫ちゃんの横に置かれ、まさに無力だ。
「はう~、終わったあ」
頭から湯気を出し、テーブルに突っ伏す姫ちゃん。
長い白い髪がふぁさあとかかり、うなじが丸見えだ。凄く色っぽいや。
手を出せ?
ふ、今の僕にそんな芸当出来ないよ。
「姫ちゃん、そろそろ僕の手首と足首を縛っている縄を解いて欲しいんだけど」
「……」
「い、いや、あれは、けして熟島さんの水着姿に興味があったんじゃなくて、いや、そりゃ男としてはちゃんと興味はあるけど――」
「……うぅ」
あれ?何か墓穴掘った?
こっちをうるうると揺らぐ瞳で見つめる姫ちゃんに冷や汗が流れおちる。
し、仕方ないのもある。だって、姫ちゃんのサイン付き雑誌の聖典情報が、回収されてしまったあの聖典に載っているんだし。
ぷくうと頬を膨らます姿に焦りが募る。
「(何か切り抜ける方法は……)違うんだ姫ちゃん!僕はちゃんと君の体に興味があるから!!」
「……」
「……」
「……」
「……あ」
トントン←姫ちゃんが書類を整理する音
ガッ←逃げ出そうとした時に足が滑った音
ガタっ←姫ちゃんがテーブルを少し引いた音
バッ←姫ちゃんが僕に飛びついた音
「明久君……」
「ま、待った!タイム姫ちゃん!――ん!?――」
柔らかな唇が重なり、甘い匂いと味が広がる。
え、えとこれは色々と不味いような……。
明日の事を考え、慌てて身を引こうとすると、舌が舌を絡め捕り、熱い感情と感覚がこみ上げる。
「は、はあ……んっ」
「姫ちゃ、ん、スト、ん」
駄目だ!頭の中が真白だ。
濃口なキスは更に深くなり、体の揺さぶりで縄が解け、姫ちゃんを押し倒す。
湧き上がる愛しさと欲求が零れる。
柔らかくてすべっとした白い肌、透き通ってサファイヤのような青い瞳は潤みを増している。手触りが良くて指でサラサラとした白い髪を絡めると僅かに上がる肩は赤くほんのりと染まっている。
指で鎖骨をなぞるとピクっと反応する。
音が響き、姫ちゃんから吐息が漏れるのを堪能しつつ、舌で歯茎を舐める。
「……ふあ、んう」
顔を真っ赤にし、切なげに喘ぐ彼女が可愛すぎて苛めたくなる。
今度は姫ちゃんが離れようと身を引くのを強引に引きよせ、舌と舌が絡まる。
お互いに上昇した体温と、心拍数が更に興奮させてしまう。
バカと散々言われている僕でもわかるくらい、姫ちゃんに興奮してしまっていた。姫ちゃんはとまどってはいるけど反抗すら見せず、身を委ねている。
――完全に姫ちゃんの手のひらで踊らされているようだ――
「「っは……」」
「……はああ、姫ちゃん、ずるいよ」
口元を伝う唾液を拭い、そう言うと姫ちゃんは恥ずかしそうに笑う。
ホントに反則だ。
流石、グラビアアイドルは伊達じゃないや……。
身を起し、気崩れた黒いキャミソール型の寝巻きを整えつつ、僕もパジャマの襟を整える。
「あの、あ、明久、くん……」
「ん?」
「あのね、明日は、その、お仕事が入ってるから……朝は」
「うん。頑張って姫ちゃん」
「あう~」
ぐう、可愛すぎる、何だこの小動物!
もじもじしている姿はファンにとってこれ程無いご褒美だろう。申し訳ない限りだなあ。
考えて見れば、僕ってかなり優遇されてるんだね……。
あ、と思い出したようにパタパタと部屋から出ていく姿を眺め、ドサッとベッドへ横になった。
「……やばい。明日寂しすぎる」
キスした記憶が唇に残っているせいか、独占欲が強くなっていく。
数日過ごしているだけなのに、零れそうなくらいに愛しさが増していくばかりだ。
天井を見上げ、深いため息が出てしまう。
仕事か……。
じゃあ明日は僕が夕食作らないと……、少しでも一緒に居たいから。
----壊すかもしれないのに?
「うるさい」
----分かってる筈だ。お前は
「うるさい、うるさい!」
----後戻り出来ないからな。
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