バカとテストと召喚獣~バカの婚約者はグラビアアイドル~ 作:オーズ・ジャニケル3
桜も消えかけて来た季節。
Aクラスとの試験召喚戦争から数週間過ぎ去り、文月学園では大イベントの一つである「清涼祭」が間もなく始まろうとしている。
各クラスや学年が団結し、様々な出し物やイベントを企画する中、二年Fクラスでも清涼祭の準備が――
「(ビクビク)」
「蘇れ!蘇るんだムッツリーーーーーニ!!」
否、蘇生が行われていた。
―――☆
「お、……おはようございます」
「おはようございますヒメちゃん」
「おはよう。あ、髪染めたんだ!」
「は、はい。折角なので……黒くしようかなって」
度重なる仕事も一段落つき、私こと園宮姫はFクラスへと遅れてやって来ました。
連絡は既に入っていて、マネージャー曰わく「今回は清涼祭を楽しんで来なさい」ということで暫く休暇を頂いたのです。
明久くんと暮らす内に会話も大分慣れて来ました。ふむ、明久くんパワー偉大のようです。
「おはようなのじゃ園宮よ」
「ひゃ、あ、えと……おはようございましゅ」
でも、まだ……、この極度な人見知りは治りません……あうう。
「あの、皆さん……準備しなくていいんですか?」
「……」
廊下を歩いていた時にどのクラスも清涼祭に向けて準備していましたが、華やかで賑やかでした。
私はお祭りは好きですが、……その、騒がしいとちょっと怖いです。
美波ちゃんが無言で示した先の窓ガラスを見ると、其処には野球をしている皆さんが。
「あ、あの?どうして皆さんは……」
「それがの、ワシらのクラスはやる気がないようでな、殆どのクラスメイトがあれなのじゃ」
「……そ、そんな……」
がーんと私に降りかかる三文字。
初めての高校生活だから色々と挑戦してみたかったのに……。
真面目に座っているのは私を含めてたったの四人……。
四人?
「あ、明久くんは!?もしかして……」
「心配するでない。あやつなら先ほど――」
――☆
「……ねえ雄二……」
「何だ明久?」
「僕らのクラスって何で馬鹿ばかりなのかな?」
「奇遇だな。俺も同じ事を考えてた」
ため息を吐く僕ら。
去年は興味が無いが故に参加はしなかったけれど、Fクラスをまともなクラスにするべく、今回はちゃんと参加しようと同じ考えを抱いていた雄二と決めていた。
雄二もAクラス戦以降何か進展があったのか随分とやる気になっていて、都合が良かった。
それなのに……、現実とは何と非常だろう。
『行くぜ須川!』
『は、お前の球なんざ場外満塁ホームランだ!』
『『かっ飛ばせ須川!』』
『『近藤!抑えろよ!』』
「「はあ……」」
楽しく野球を勤しむみんなにまたため息が零れた。
前にやった、演説もどきは一体何だったのか気になるよ……。
と、真横にムッツリーニこと土屋康太が現れ、雄二に一枚の紙を渡す。
「…………教室の状態の結果が出た」
「おう、ご苦労。……こりゃひでえな」
「うわ、確かに姫路さんが咳き込む訳だ」
・畳は半分以上が腐っている
・湿気や埃が酷い
・窓ガラスも補正があまり行われておらず、大半が建て付けが悪い。
「掃除した方がいいよね」
「……しかし、畳はどうにもならない」
「ああ。掛け合う他ないな」
相槌を打ちながらFクラスが改めて酷い状態だと納得出来た。
問題は、Fクラスを認めてくれるかだけど……。うーん、これは鉄人にも相談がいるな。
『よっしゃああ!』
『急げ!横田が三塁回ったぞ!』
……。
全く。
本当に……。
「雄二、馬鹿を止めるという理由の制裁に相乗りする気は?」
「は、答えるまででもねえ」
「……ムッツリーニは?」
「…………分かりきったこと」
「だよね~」
さて、後は……。
僕はバット、雄二はボール、ムッツリーニはミットを片手に持つ。
そして投球フォームを取っている近藤君、片足を上げる横溝君、サインを送る大川君に目掛けて手に持っているそれを投げた。
――ビュン!
『『『え……?』』』
何が起きた分からず、恐怖に満ちた目をこちらへ向けて来る三人。
ふふ、Welcome。
僕はバットを更に追加、雄二は足を振り上げ、ムッツリーニはミットに辛子を付け、再び投げつけた。
『わ!?ま、(――ビュン!ビュン!)ちょっ、吉井!?』
『坂本何のつ(ドガッ)あああっー!?』
『いてええ!?(ベチャ!)からあああ!』
「「「サッサトモドレ」」」
「貴様ら出し物を決めずに何をやってるーー!」
『『『鉄人だ!みんな逃げろおおお!!』』』
鉄人にみんなが捕まったのはそれから一分すら経たない内だった。
僕らはみんなが散らかした野球道具を片付けてから教室へと戻ることにした。
はあ、ようやくかあ。
え、待っていない?そうおっしゃらず、感想、評価よろしくお願いいたします。