バカとテストと召喚獣~バカの婚約者はグラビアアイドル~   作:オーズ・ジャニケル3

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第二十九問

鉄人に連れ戻され、ご丁寧にロープで縛られているFクラスのみんな。

姫ちゃんにとって久しぶりの光景でもあり、山羊のようにぷるぷると震えている。姫路さんの後ろでだ。

僕は雄二と教台に立ち、雄二が仕切り、僕が板書の形で進めていく。

ここまでやらないと進行すら出来ないのも困りものだけど……。

まあ、それはいいんだけどさ……

 

「」←血の海に倒れた美波

 

「雄二……」

「言うな。あいつにとっても本望だろ」

「そだね……」

 

ここ最近で一番変わったのは美波だと思う。

姫ちゃんもだいぶ意思が強くはなったけど、まだあの状態だし。

僕は僕でまだまだ修行中というか、雄二は相変わらずゴリラだし。

 

「明久、殴らせろ」

「ストレートすぎる!せめてもう少し優し「殴る」反論すら認めないの!?」

「ま、それは半分冗談として」

「半分本気なんだ……」

 

僕らはきっと親友の筈だ。

と、そんな茶番はどうでもいいとして、時間も無いし始めるか。

目を見てメッセージを送り、雄二はゆっくり頷く。

 

「鉄人の言っていた通り、清涼祭の出し物を決めたいと思う。意見がある奴は挙手してくれ」

(スッ)

「お、ムッツリー二」

「…………写真館」

「へ~何を飾るの?」

「……それは言えない」

 

フッと無駄にカッコいい表情で笑うムッツリ。

確かにすば……、男にとってはいいかもしれないね。男には!

姫ちゃんをチラリと見るとお尻を摘まんで首を――

 

「こらあああ!何やってんのさ!?」

「ひゃあああああああああああああああ!?」

((ブシャアアアア))

「島田、ムッツリ―二!?しっかりするのじゃ!」

 

後に聞いた事だけど、最近脂肪が付いたとか……。

いや、あんまり変わらないというか、彼女が天然なだけのような。

意外と大胆ということもあるし、目を離したら危険かも知れない。

 

 

「あの――」

「明久取りあえず書いてくれ」

「あいよ、『写真館』っと」

 

仕切りなおして黒板に記入する。

えっと……、写真館……だから。

記入している間にも挙手が上がり、雄二がそれに応対する。

ちなみに、僕の隣で椅子に縛られている姫ちゃんは無視だ。

 

「ぐすっ、明久くんっ、坂本さ~ん、許して下さいぃ」

「よし、姫路」

「はい、あの、ヒメちゃんが泣いていますよ?」

「甘いよ姫路さん!!二人も死亡者を出したんだ!「死んではおらぬがな」進行を妨げない為にも我慢してもらわなきゃ!」

「そうだ、只でさえ遅れているんだからな、園宮には悪いがじっとしててもらう」

「ぐすん……あんまりだよお……」

 

アレ?

半泣きしている姫ちゃんに少し悪戯したくなるのは何でだろう。

 

「お、横溝」

「ウエディング喫茶なんてどうだ?」

「ほー、何故?」

 

真面目な顔つきで意見を出した横溝君を細い目で見る雄二。

ああ、なるほどね……。

雄二の質問に対して横溝君はキリリとした表情で口を開く。

 

「考えて見ろ。ウエディングドレスといえば結婚をイメージさせる、そしてこのクラスには美女が四人もいるんだ。そんな彼女達に迎えられるというのは男のロマン!!」

『『そーだそーだ!』』

『いいぞ横溝!』「…………で、本音は?」

「そのたんやひめたんに接待されたい!!」

「だ、そうだ明久」

「kill you」

 

パチンと指を鳴らし、FFF団が一斉に横溝君に飛びかかる。

こんなことだろうと思ったよ。

僕らのクラスには真面目な男子なんて秀吉くらいしかいないんだと実感しつつ、処刑される横溝君を見送った。

姫ちゃんはあわあわと口を開き小刻みに震えている。無理もない、不在が多い彼女にとってこの光景は不慣れなのだから。

 

「あーみんなそこまで、どうどう」

「馬かあいつらは」

「馬と鹿じゃな」

「……つまり馬鹿」

 

何時もの四人でため息をついていると、不意に扉が開く。

その音にみんなが振り返ると、其処には見知った女の子達が立っていた。

あの日以来の彼女達だ……。

 

「……失礼します」

「し、翔子!?く、明久バリア!!」

「雄二ぇ……、それより、熟島さん達までどうかしたの?」

「ん?同じFクラスの生徒が居たらおかしいの吉井君?」

 

……なん、だと?

目を白黒させていると、それを待っていたかのようにニヤリと笑う。

唖然とする僕と絶望の表情を浮かべている雄二の隣をスッと通って行く恣意さん。

 

「しまっ――」

「……ふふ、姫ゲット」

「ふにゃああああぁああ~!?」

(ブシャアアアア)

「ムッツリーーニィ!?」

恣意さんに解放され、胸を揉みしだかれる姫ちゃんを見て、一番にムッツリーニが粉砕されてしまった。

ぐ、……流石恣意さん!何て無駄の無い手の動きなんだ!って違うだろ!

 

「あ、あき、ひしゃく……ん、助け……」

「どう吉井君?美鈴のテクニシャンは」

「……素晴らしゲフンゲフン!最高です!」

「明久よ、お主は本当に嘘が付けないのう」

 

し、しまった!

くそ、これも熟島さんの計画通りってことなのか!?

秀吉や姫路さんは恣意さんの恐ろしさを知っているため、若干遠ざかっている。

 

「翔子!?ま、まさかお前……」

「……大丈夫。私はAクラスだから」

「……そうか」

「……嬉しい?」

「いや、残念だぞ」

「……それなら、英語で今の気持ちを表してみて」

「happiest」

「……許さない」

「ぐああぁ!?ちゃんと英語で伝え――翔子?あばばばば!?」

 

「……姫~」

「ふえ、……ぁっん、美鈴ちゃん……そこ駄目ぇ」

「えへへ、可愛いなあ、ふぅっ」

「ひゃあん!?耳に吐息も駄目だよぉー!」

「えー、じゃあ……これかな?」

「ひゃあああ!?スカートも駄目ー!」

 

『『『ビクビク』』』←鼻血の海に沈む男達

 

……何コレ……。

今起きている状況に付いて行けず、僕は口を開けたまま立っていることしか出来ない。

分かっていることは、やはりあの二人は恐ろしい……ということだ。

 




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