バカとテストと召喚獣~バカの婚約者はグラビアアイドル~   作:オーズ・ジャニケル3

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お待たせ致しました。シリアスにしようか迷っていて、時期を逃しこんな結果に……。


第三十一問

 あれから打ち合わせや準備を兼ねて、Aクラスに移動。熟島さんの一言で、真っ白になっていた姫ちゃんを慰めた。見事に抱きつかれ、キスの嵐を受け、顔中に姫ちゃん印しが出来上がった。

 姫路さんや木下さんに至っては、真っ赤になっていて、Aクラスの女子のみんなからは黄色い声、男子からは落胆の声が飛び交った。

 ……うん、姫ちゃんの唇相変わらず柔らかい。

 

「いた!?」

「だからと言って公衆の前でキスをするな」

「…………恥じらいを持つべき」

「明久よ、冷静になるのじゃ」

 

 雄二に拳骨された場所をさすりながら、苦笑気味で謝る。姫ちゃんは周りの状況を理解し、熟島さんの後ろに隠れてしまっている。

 ……あはは、確かに冷静になって見ると、かなり恥ずかしいし、視線が凄い。

 

『『『吉井ぃいい……』』』

 

 ……もうあれは無視だな。うん。

 

「でも驚いたよ、吉井君って意外と大胆だったんだネ」

「やめて工藤さん!今凄く後悔してるからあああ!」

「全く、婚約者だと限度があるでしょ」

「……返す言葉もありません」

 

 僕が姫ちゃんの婚約者だと知ってるのは、ほんの僅かな数だ。信用出来る人は選びたいし、工藤さんや優子さん、霧島さんは、Aクラス戦以降面識があって、今では相談にも乗ってくれる仲だ。

 が、工藤さんに至っては、ちょっと……、大人な内容もあって……。いや、熟島さんや恣意さんが参加した時はもうどうしようも無かったさ!

「ほら……姫、隠れてないで準備準備」

「……あうう~」

 

 熟島さんに引きずられ、姫ちゃんは試着室に消えて行った。

 ムッツリーニが追い掛けようとしていたようで、隣に居た工藤さんからグワシッ!と凄まじい音が響いた。

 ……あ、あの顔本気だ。

 

「ムッツリーニ君……、何処へ行くつもりカナ?」

「…………離せ工藤愛子。俺は俺の使命を真っ当するまでだ」

「へえ、じゃあ……、これでもそんなことが言える?」

「卑怯なっ(ブーーー!)」

 

 む、ムッツリーニが!?

 い、今行ったことをありのままに説明するぜ!撮影しようとしていたムッツリーニを捕まえた工藤さんが、ムッツリーニの顔に二つの実を押し付けて……。

 と、とにかく蘇生しないと!

 

「秀吉!輸血パック!死ぬなムッツリニィイイイイニ!」

「…………あ、明久」

「……駄目だ!喋らないで!今輸血を」

「……工藤は」

「だから喋らないで!」

「……ブラジャーを着けていない」

「ムッツリニィイイイイーーーニ!」

 

 幸せそうな顔をして、溢れる鼻血を流して……、く、何て、何て清々しい顔なんだ!僕は、君の事を忘れないぞ!

 仇を見るように工藤さんへ振り向くと、頬を掻きながらやりすぎちゃったと舌を出していた。憎めないのが悔しい!

 

「あ、あれ?やりすぎちゃったカナ?」

「……というか、応急処置に手慣れてる明久君達に驚くんだけど……」

「「日常茶飯事です」」

 

 僕と秀吉は親指を立てて見せた。優子さんが呆れるように苦笑してるけど、僕らは蘇生で忙しい。と、言っても焦る必要は無いかな……。

 ムッツリーニの生命力は異常だし、ね?処置さえ施せば、何時ものように復活する。ムッツリーニの、土屋康太のお約束かも知れない。

 

「……えい」

「しょ、翔子何しやが――」

 

 あれは、まあ……無視だな。

 

「それで、ホール班と厨房は割り振りは決まったけど……」

「うん。ホールはAクラスとの共同なんだし、各リーダーで、男子は久保君、女子は優子さんにお願いしたいんだけど……」

「問題ないよ吉井君。君の頼みなら何でも――」

 やっぱり久保君は優しいし、頼りになるなあ……。ちょっと、怪しい文があったけど。優子さんは快く頷き、姫路さんに頼んで作成して貰った、メンバーの表を渡す。

 基本的に女子はホールを担当して貰って、男子は厨房の形だ。厨房リーダーは僕、サブはムッツリーニ。雄二はホールに回って貰って……

 

「……うーん、何かトラブルがあった時男子がいると助かるから……うわっ!」

「よ、アキ。気合い入ってんな~」

「…………つ、ツネ?」

 

 開いた口が塞がらない。

 全身の血が逆流するような感覚に陥った。

 背中を叩かれ、見上げた先に昔と同じ笑顔が似合う……あいつがいた。

 

「……ツネ?ツネなの?」

「おうっ、……へぶ!?」

「馬鹿野郎っ!……どうして、どうして連絡くれなかったのさ!」

「……悪い。アキに会わす顔無かったと思っててさ」

 

 ツネは弱々しく笑い、僕は遠慮無くネクタイを掴んだ。怒りとか、悲しいとかじゃない……、ただ、嬉しくて……けどずっと寂しかった気持ちが今頃になって逆流して来たんだ。

 

「……僕が生きてるのは、姫ちゃんが生きてるのは……ツネのおかげなんだよ?……だから、君が何も言わずに消えて……」

「……ごめん、アキ」

「……お帰りツネ」

 

僕らは抱き合い、お互いに呟いた。

歌川義経は、昔も変わらない僕の親友だ……。

けど、置いて行かれてるみんなに気づき、僕らは慌てて苦笑いした。久保君は何故か血涙を流していたけど……。

さて……、あれ抜きでどう、説明しようか。

 

 

   ☆☆☆☆

 

 

 

「――なるほどな。小学時代転校してしまったが、偶然文月で再会したと」

「うん、ツネ……義経は僕の幼馴染みなんだ」

「よろしくっ……つか、優子、愛子……お前ら明久と知り合ってたんなら言ってくれよなあ」

「仕方ないでしょ。私や愛子、代表だってあなたが明久君の幼馴染みとは知らなかったんだから」

「あはは、義経君は丁度抜けてた期間だから余計だネ」

「うむ?歌川は何かしてたのかの?」

「ああ、まあ……ちょっと、な――」

 

 たはははと笑い飛ばし質問を流す。む、言ってくれたって、良いんじゃないかな?

 そう考え、ツネを見ると、何かを見て固まっていた。……視線を向けるとそれは、大きな果実に辿り着いた。

 

「ふえ?」

「結婚して下さ――べへら!」

「己はいきなり何言うとんじゃい!」

「……明久、ナイスツッコミ」

「さ、流石は幼馴染みだな……」

 

 基本、暴走するタイプのツネにはぐーで対応している。

 が、ツネはムッツリーニ以上かも知れない。エロリストと呼ばれていて……、基本はイケメン……だけどこれがツネの魅力をかなり引き下げている。エロいからでは無く、エロい事になると昔から暴走するからだ。

 姫路さんに接近し、ツネは手のひらを包み込み、ニッと歯を光らせる。

 

「あー始まった……」

「明久、何か知ってるのか?!」

「あー、うん、ツネはね……」

 

「俺と付き合って下さい!」

「え、へ?ふえ!?」

 

「……一度走り出したら止まらないんだよ」

「どういうことなのアキ?」

「解りづらいよね……、えっと……簡単に言うと……」

 

 ツネを殴り倒し、沈める。

 が、うおおお!と叫びながら這い上がり、再び姫路さんに詰め寄る。困惑する姫路さん……、ああ、まさか……姫路さんが犠牲になるなんて。

 

「ツネは好きなことに、一直線なんだ。……痛い目見るまで止まらないというか」

「「なるほどー、流石明久(アキ)の親友じゃの(ね)」」

「…………でも、一直線って素敵」

「何故俺を見るんだ翔子」

 

 置いて行かれる僕ら。ツネは姫路さんに更に詰め寄り、姫路さんはどう対処したらいいか解らず、顔を赤らめながら困惑している。

 ……逆効果だよ姫路さん。それは、ツネのハートに火を灯すだけだよ……。

 昔、ツネはある女の子に惚れて以来、暴走癖が始まったらしい……。でも、転校してからはどうだったかは聞いてない。

 

「桃色のふんわりとした髪、おっとりとした瞳、守りたくなるような仕草……、何より……その兎の髪留め……、ようやく会えた」

「へ?あ、あの」

「ゑ?」

 

 つい変な声が出てしまった。どういうことだ?てっきりツネの事だから姫路さんの胸でも触らせて貰いたいのかと……。けど、会話とツネの表情からして……、何か違う。

 ようやく会えた?姫路さんに?どういうことだ?

 

 

『――俺さ、……に初恋してしまった!』

 

 

……何だ?

 

霞んでて良く解らない……。

 

でも、確か……姫路さんは……

 

――僕らと同じ学校だったよな?

 

 

「あ、あの……ごめんなさい、私何も覚えて無くて」

「……やっぱりか」

「へ?」

「あ、何でも無い。けど……君を好きにしたいから、覚悟しといてくれよっ」

 まるで告白。

 作業していたみんなの手が止まって、視線がツネに向く。

 ……これって……、宣戦布告?

 姫路さんに至っては口をパクパクさせ、顔を真っ赤に染め上げていた。

 

「……そして、失礼しまーーす!」

「「きゃああ!?」」

「わっ!」

「…………(ブシャアアア!」

 

 ……期待を裏切らなかったツネ。

 姫路さん、美波、優子さんのスカートを捲り上げ、A、Fの男子に夢を与えた。

 復活したと同時に、倒れたムッツリーニ。けど、幸せに満ちた顔でツネとサムズアップを交わした。

 そして、雄二は霧島さんのお尻に潰されていた。

 

「「な、何するの変態!」」

「ありがとうございまーーす!」

 

 美波、優子さんに蹴られて尚この言葉。流石だよツネ。……僕も、姫ちゃんに……――。

 

『明久君……、鞭とハイヒール……どっちが……いい?』

 

「明久君?」

「うばやらあはたぎゃらかあやい!?」

「ひゃっ!」

 

 ……な、何て不意打ちだ。一瞬で今に帰って来てしまったよ。

 髪を揺らしながら、きょとんと相変わらず無防備な表情をしている姫ちゃんが居た。服装は、メイド服装備……だけど、スカートが膝丈まで絶対領域から見える肌がいやらしい。

 ……メイド服!?

 

「う゛ぁあい!!」

「ひゃん!あ、あき、明久君のばかあっ!」

「ありがとうございます!!」

 

 そうか、これが……、これがツネの気持ちなんだ。

 腫れた頬から伝わる痛み……、だけどメイド服の姫ちゃんのビンタは……何だろう……、ご褒美としか言えない。

 二人にサムズアップを送り、ゆっくり倒れて行く僕。……ただ、姫ちゃんのビンタって結構重い。

 

「あ、明久君!?ごめんなさい!ごめんなさい!ふぇえっ……」

 




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