バカとテストと召喚獣~バカの婚約者はグラビアアイドル~   作:オーズ・ジャニケル3

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……だが反省はしない


第三問 

 …それは八年前の記憶…。

 昔、僕には女の子の幼馴染みが居た。彼女は物静かで、でも話しかけようとすると隠れてしまう人見知りだ。

 姫路さんと出会う前…そんな娘と僕は友達だった…。どうやって友達になったのかは分からない…。だけど…可愛くて優しくて、おどおどしている所も彼女の魅力でもあった。

 下校には無言で僕の後ろを歩いていたっけ…はは…可愛いよね。

 そんな彼女と仲良くなって間もない頃…彼女は遠くへ引っ越したんだ。何故か寂しくて…心に大きな穴が空いたような気がして、それでも約束を守る為に…僕は…

 

『罪人吉井明久は――』

『アキィ?歯を食いしばる準備はいいかしら?』

『明久君!どういうことですか!?』

『明久くん…浮気しないって…言ったのに……くすん』

 

 今、この殺伐とした空間から逃れようと頑張っていた…。

 ロープで縛られ畳に投げ捨てられ…。

 

「ちょっと僕の言い分は聞いてくれないの!?」

 

 ――何故こんなことに…

 

 

 

 時は遡り五分前

 

 

「明久くん…」

「姫ちゃん」

「明久くん!!」

『『ああ!?』』

 

 クリーム色のお尻まである髪の長さにサファイア色の瞳。

 幼馴染みの園宮姫こと姫ちゃんは体を震わせたかと思うと、反応を許さずして、僕にダイブを……!?こ、この柔らかな…感触は!

 

「明久くん…会いたかったよぉ…寂しかったですぅ…くすんくすん」

「姫ちゃん…」

 

 喜びに涙する姫ちゃん…。

 僕も涙したいのは山々だし嬉しいんだけど…何と言いますか…姫ちゃんの体柔らかくて…凄く良い匂いが…そ、それに二つの実がその…。

 と、とにかく理性がやばいんだよ!

 

「……久しぶりだね姫ちゃ…!…」

『『『う゛ぁあああああ!?』』』

 

 体を離して微笑みかけると視界が覆われ…唇に何か柔らかい……ゑ…?

 

「…い、今のって…」

「正真正銘キスじゃの」

「(ブシャアアア)」

 

 押し倒され、視線には顔を赤らめる姫ちゃんで一杯だった。え…と、今のは…

え?えええぇ!?

 

「……明久くん…私も約束…守ってきたんだよぉ?」

「え……ちょっと待ってよ姫ちゃん!約束は確かお互い頑張ってまた会おうじゃ」

「……ふえ?」

 

 どういうこと?姫ちゃんの思っている約束と…僕の思っている約束が噛み合っていない?

 それに…約束を守って来ていたで…何で…き、キス?

 

「あ、明久くん…覚えて…無いんですか?」

「え?…どういうこと」

「…あ…う…ぷ、プロポーズをしたのは…明久くんですよ?」

『『「ええええ!?」』』

 

 ぼ、僕が姫ちゃんにプロポーズ!?

 そんな筈は……、いや…でも待てよ…?‥

 

『あ、明久くん…約束だからね』

 

 ……もしかすると間違ってるのは僕の方なのか?

 

「あの姫『アキィイイイ!』え?美波…『明久君ーー!』ちょっ…姫路さんまで凄く恐いんだけど!?」

「どういうことか教えて貰えるかしら?」

「全部吐いて貰いますからね!」

「うえ!?美波!?僕ら話しをするんだよね!?卓袱台はいらな…姫路さんも座布団を何に使う気!?」

 

 彼女達は話しを聞く以前に僕をどうする気なのだろうか。

 二人から迸るオーラに後ずさっているとがっちりと腕を掴まれ、胸の谷間へと……

 

「って…姫ちゃん!?何してるのさ!?」

「……明久くん……約束した…よね?…浮気は…駄目だって…」

「話しが余計にややこしくぅう!違うんだよ姫ちゃん!あれは『浮気?どういうことかしらアキィ?』…だから…『園宮さんとはどういう関係なんですか!』…」

 

 せめて弁明を…。

 姫ちゃんの魅惑の谷間から腕を引き抜こうとするが両腕で抑えられてしまい全然歯が立たないや…。

 これ以上話しをこじらせる前に何とかしないと……。

 

 ――トントン

 

「ん?今忙し」

『よし。今すぐ吉井を縛り上げろ』

『『『イエッサー!!!』』』

 

 意識を刈り取られ…気づいた時にはFFF団によってロープで縛り上げられ、畳に転がされていた…。

 

       ――――そして、今

 

 

『罪人吉井明久。何か言い残すことは?』

「だから話しを聞いてよ!」

『『罪人に傾ける耳などない!』』

「こんちくしょー!」 

 

 何て酷いクラスメイトだ! 助かる道が無いかと辺りを見回すと…

 

「いい様だな明久」

「(ピクピク)」

「全く…」

 

 ニヤリと僕の不幸を笑っている雄二、鼻血で倒れているムッツリーニ…呆れたように見ている秀吉…く!駄目だ!特に雄二は後でぶっ飛ばす!

 

「あ、明久くん…」

「姫ちゃんお願いだからみんなに説明を!…浮気については後で話すから!」

 

 こうなったらもう一番まともな姫ちゃんに頼むしかない。

 怒ってるのかもしれないけど…大人しくて純粋な姫ちゃんだからこの状況に不満はある筈。

 ロープで縛られた体をくねらせながら必死に頼むと、姫ちゃんはおどおどとしながらも頷いた。

 

「約束だよ?」

「分かってるよ!」

「………あ、あの…み、皆さん…落ち着いて下さい…」

『いくら園宮様の頼みでもお断り「あの…えと…わ、私の水着姿でここは…何とか…」吉井明久を解放だ』

『『イエッサー』』

 

 無駄に凛々しい顔で断っていた須川君率いるFFF団はすんなりと僕を縛り上げるロープを解いた。く…何て欲望に忠実な奴らなんだ!

 あとは…

 

「駄目よ園宮さん!野獣だらけなのよ?」

「そ、そうです!水着姿なんて絶対駄目です!」

「…あう…えと…だ、大丈夫ですよ?…私…グラビアアイドルやってますから…そのくらい慣れてますから」

 

 姫路さんと美波はブレザーを脱ぎ捨て、ネクタイに手をかける姫ちゃんを必死に止めていた。

 うぐぅ…鼻が…鼻が熱いぃ…!!じゃなくて!!

 

「姫ちゃん、美波達の言うとうりだ!」

「でも、皆さんを止めるにはこうすればいいって…」 

「え?け、けど、此処は「明久くんが見てくれているから…大丈夫だよ」ぬううううううう…せめてここで着替えるのは」

 

 あ、と呟くと林檎のように真っ赤に染め、恥ずかしいのか俯いた。無意識だったのかな…。

 

『ムッツリーニ手を貸そう』

『一人じゃ大変だろ?』

『よし!俺は演劇部から背景のセットを借りて来るぜ!』

 

 男として、僕も…手伝うべきだろうか?あれ、でも何故か複雑…

 

「全く、今日はAクラスに仕掛ける筈だったんだがな」

「福原先生はいつの間にかいなくなってるしね」

「お主ら…何気に準備をしているの…」

 

 僕と雄二は、鞄から徐に取り出したデジタルカメラを調整する。いやいや秀吉!ここは男として素直にならないと逆に失礼だよ!

 前に撮った雄二の不幸な写真を削除していると、雄二が面白げに口を開く。

 

「まさかお前にも幼馴染みが居るとはな」

「まあ…かなり昔だけどね…まさかグラビアアイドルになっているなんてさ」

「…俺としてはあの『ラブリ』って事務所に所属している有名グラビアアイドルの園宮姫とお前みたいな馬鹿が幼なぐべら!?」

 

 何かムカついたからさっきのとお返しで赤ゴリラ殴った。

 姫ちゃんとはあの時以来連絡方法が付かなかったから分からなかったな……。

 たまにグラビアアイドルの事務所から手紙は来てたけど…姉さんに植え付けられたトラウマで破り捨てたけどね…。

 

「………姫ちゃんはやっぱり凄いなあ」

 

 正直…姫ちゃんがグラビアアイドルになるとは想像もつかない。…大人しいあの娘が…人前で体を露出して……はっ!いかんいかん…落ち着くんだ吉井明久!!今すぐ頭の中の妄想を…

 

「あ、あのぅ…明久くん…」

「消えろ邪…へあ?どうしたの姫ちゃん」

「…その…えとね…あの…ちょっとこっち」

 

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