うちは一族として生き残る!   作:黒百合

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12話以降は紛失していたのですが、たまたまデータを取っていた方がいらっしゃったようで、復活です!
本当にありがとうございました。
下手したら始めてダークソウルをクリアした以上に嬉しかったです!
✽若干手直ししてあります。


火影とのコネクションを作ってみよう

カッカッと案山子に刺さる手裏剣。

その手裏剣は寸分の狂いもなく、案山子の頭に突き刺さっている。

 

「・・・。」

 

それを行ったのは12歳という歳のわりには、まだまだあどけなさの残る顔立ちをしているヒビキである。

体術もそこそこに、忍術で言えば上忍クラス。幻術も対抗策ならば十分に修練した。

 

大人の意志を持ち、チャクラの流れが見える目、普通よりも潤沢なチャクラを持つうちはの体。

その三つがうまくかみ合った結果である。

 

「修行はこのくらいでいいかな?」

 

ヒビキの修行期間はほぼ終わりを迎えていた。

正確にはそろそろ本格的に準備に入らないと間に合わないかもしれない。

もともとの修行の目的は火影との共闘によるマダラと名乗る男の抹消。

いわゆる九尾事件の時に決着をつけるということである。

そのため、写輪眼の能力と大人としての意志力をフル活用して、ハイペースで強くなったつもりだ。

 

ただ、これには数点の問題がある。

 

 

まず第一。

うちは抹殺のことに関しては根本的な解決にならないこと。

うちは抹殺はうちは一族がクーデターを企てたがために起こる出来事だ。

ここにマダラは直接的な関与していない。実際にイタチによるうちは抹殺の手伝いをしたとはいえ、おそらくはそれほど大々的には動いてないはず。

ゆえにマダラという最強クラスの忍を倒すのはいささか以上にリスクのほうが大きい。

何もしなければ特に命の危険もなく、四代目火影とその嫁であるクシナという犠牲は出るものの、九尾をナルトに封じることができる。

 

第二。

 

仮にマダラを倒すとしてどうやって倒すかという問題がある。

四代目が戦っている最中に追い討ちをかけるようにマダラに追撃をかけるとしても、自分のことを微塵も知らない四代目が突如現れたヒビキに気をとられてマダラに討ち取られる、なんてことがあるかもしれないし、とっさの行動でこちらが攻撃を受けるかもしれない。

 

 

一種の賭けになる、ということだ。

 

 

第三。

 

今のヒビキにとっての一番の武器は血筋でも、一般のうちはよりも天才であることでもない。

言わずもがな、ある程度の原作知識である。

さすがに事細やかに何がどの時に起こるかということまでは予測できずともどこで動けば効果的に未来を変えられるか?

 

それにある程度の検討をつけることができる。

 

これは大きなアドバンテージといえるが、今回のひとつの賭けによってマダラに注意を向けられるようになるというリスクが出てくる。

 

今後常に、だ。

 

このリスクは大きい。

マダラはイタチの真実を知っていた。

木の葉の相談役、暗部の総元であるダンゾウ、火影しか知りえぬことを知っていたのだ。

これすなわち、火影クラスの盗聴対策をされた部屋でも忍び込めるないしは盗聴手段を持ちえるということを意味する。

それが彼の使う時空間忍術によるものなのか、この時点で白ゼツ、ないしは黒ゼツによるものなのかはわからないが、とにかく木の葉という里のどこにいてもヒビキが付けねらわれるということに他ならない。

四代目に協力して倒しに行くならば決して顔を見られてはいけない。

そして、うちはであることがばれてはいけない、ということである。

うちはというヒントだけでも彼ならばヒビキをかぎつける、少なくとも疑えるまでには調べることができるはず。

 

それはまずい。

 

そしてこれが何よりも大事だが、うちはのクーデター関連は原作でも描写が少ない。

 

 

メインキャラの過去の話という扱いであるがために当然であるが、もしもこの機会を逃せば原作知識は原作時期になるまでほぼ役に立たなくなる。と、デメリットばかりあげてきたが、もちろんメリットもある。

 

まずは心強い味方ができること。

 

四代目火影だ。

 

彼が生きたままならば、ナルトの父である彼のこと。

おそらくうちはのクーデターの阻止にダンゾウとは違ったやり方で協力してくれるはず。

三代目火影もあわせればどうにかできそうな気もする。

これが一番のメリットであり、見返りだろう。

 

次に四代目火影のミナトが生きているということは彼の扱う秘儀。

飛雷神の術が学べるかもしれないこと。これもまた大きなメリットであり、彼に直接師匠となってもらうのもいいかもしれない。

とはいえ、彼は火影。あまり付きっ切りでは鍛えてくれないだろうが。

 

将来的な脅威の排除にもなりえるし、どこまで力を貸したのかは分からないが多少なりともうちは抹殺のための戦力を削ることができる。

リスクに見合うだけのリターンはあるのだ。

四代目と一対一で戦っている段階でマダラを押していた。そこにヒビキが加わればマダラを殺すことは夢ではない。

そのためにも必要なこと。

それはヒビキが火影との接点を持つことだった。

 

 

「・・・これがまた難しいんだよね。」

 

 

頭を抱えるヒビキ。

今はまだアカデミー生だ。

戦争後で人材の不足ということもあってもうすぐ卒業試験という異例の事態があるものの、それでもマダラの襲撃に間に合うかは微妙だ。

ほかの上忍に力を見せて早々に下忍にしてもらったとしても、火影と直接話せるかは望みが薄いといえる。戦争からまだ一年半しか経っていない。

そんな時期に火影が暇をもてあましているか?といえばノー。

 

時期的にもそろそろナルトが生まれるころだ。

クシナの状態も気になるだろうし、仕事が終わればすぐに家に帰っているのではないだろうか?そして九尾の封印が弱まるという出産の時期が近づいている今、なおいっそう火影宅は神経を張り詰めているに違いない。

そこにマダラがやってきますよぉ!なんていう変なことを口走るガキがやってきたらどう思う?忍の世界では日本で言う織田信長とかそんな感じの立ち位置にいるマダラ。

いきなり家を訪ねてきた子供が織田信長が実は生きていて、あんたの家の家宝を狙っているんだよ!!とか言われて信じる人はいるだろうか?いくら四代目火影が優しそうだからといって、少々以上に信じがたい話であるはず。

下手をすれば四代目火影の周りをかぎまわって、チャンスをうかがっているマダラに警戒されかねない。

「なぜ俺のことを知っている?」と尋問、下手をすれば拷問だ。

 

どうやって彼らの様子を伺っているのかも分からないうちから監視されているだろう彼らにヒビキが近づくのはナンセンス、以上にかなりの危険行為。

信じる信じないの問題どころか、それ以前の問題だ。

信用されずに追い返された帰り道にマダラの使う得体の知れない時空間忍術で捕らえられるなんてことも考えられる。

どちらにせよ良いビジョンは浮かばない。

 

火影と話す。

 

このこと自体ができない状況だ。

もちろん影分身を使って、変化の術を使った後に火影に会うということも考えられる。

だが、それでもマダラに知られる。

「自分がいるということを知っているやつがいる」という意識を相手に与えてしまう。

このリスクを犯す気にはなれなかった。

 

何せ向こうは「自分が木の葉を襲うまで自分の存在は知られていない」という思い込みがある。この思い込みこそが最大の隙であり、最大の攻撃のチャンスなのだ。

 

四代目と戦うときも誰かが四代目に援護に来るかもしれないとは考えてはいるだろうが、不意打ちの九尾にそれどころではない。

そう考えているその油断こそがヒビキにとっての活路だ。

そのチャンスをつぶしかねない行動には踏み切れず、軽々しくそのチャンスをつぶして良いのか?そう考えると今一歩が踏み出せない。

 

かといって四代目に死なれてはまずい。

四代目が生きているといろいろな原作展開がことなるが、そんなことはもはやヒビキの頭には微塵も入っていない。

ただ生き残るためにどうすればいいか?それだけを考えている。

一応、四代目が死なないように、死鬼封陣を使わないようにすむように自分で封印術を編み出した。

 

封印術なんていうマイナーな忍術は日常生活では扱わないし、見れる機会もなかった。

ゆえにオリジナルとして、忍術における物理法則のようなものに則り、作り出したのだが、これが九尾にどれだけ通用するか。

 

 

下手をすれば10分の1、いや、100分の1も封印できないかもしれない。

オリジナルで作り出したものが既存の、長年伝えられてきたものに勝るなんていう都合のいいことはあるはずもなく。

使えればマシ程度の封印術である。

 

 

本格的な封印術を学ぼうにも、その専門のうずまき一族はすでにほぼ壊滅状態。クシナには会えるはずもなく。

 

 

「・・・くそ。」

 

 

 

うまくいかないことに苛立ちの声をあげるヒビキだった。

 

 




次話は午後5時に更新予定
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